・wanna say、・我が物顔で好き勝手。
休憩中ってやる事ねェのヨ、
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ウチのオニイサマは、テニスに関しちゃかなりstoicだと思ってる。俺も費やす時間は結構なモンだと思うが、俺と決定的に違うのは、きっとそれに注ぐ情熱、だ。
内側から滲み出してンのが、分かる。
眩しく思えンのはその所為かネ、テニスに限らず、やるならやるで真剣に極めようとする姿に、昔っから憧れてた。
最初はそりゃ緊張したぜ、目の前に居て言葉交わしてンのが信じらンなかった位ェだし、smartな立ち振る舞いがとにかく神々しくて眩暈とか覚えたり。
俺が触れちゃいけねェ領域の人、…今思えば、そうやってテメーで一線置いちまってたのかも知んねェ。
いざ踏み込んだら思いの外frankで、餓鬼みてェに笑ったり悩んだりもする、ちゃんと人間臭ェ一人の男、で。
あァ、もっと知りてェ。俺の言葉に返すアンタの言葉から、端々に組み込まれた意味まで汲んでみてェ…そう、思ったのを今でも良く覚えてる。
同時に、勝手な劣等感みてェなのも感じて来てた。俺は“こう”はなれねェ。
近付けば近付く程窺える芯の強さに、まるで正反対な自分を思って息苦しくなっちまったりもして。
ンでも、暫く離れてみて、触れた言葉に酷く安心した。
“離れてみたって結局は俺以上の野郎なんざ居ねえって解っただけだった、ろ”
…俺以上に俺の事、知ってンのはきっとアンタだけだ。
つい笑っちまって、肩の力が抜けた。
敵わねェよな…、ンとにムカつく。それなのに、それだけの事が、どうしてかこんなに嬉しい。
thx、オニイサマ。
俺ァ結局、アンタの虜らしい。
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得手、不得手。
自分を追い込むのはテニスだけ。薄情モンに恋する資格なンざ、あるのか。
自問。…答えは、きっとNO、だ。