日記一覧
┗必/然メーカー。(93-97/146)

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97 :財前光
2012/02/06 06:06


俺の中の彼の人が忘れて居た感覚を、俺が漸く思い出す。
埃を被った其れ。泣き出したい位の、誰かを好きと云う気持ち。
自分の中から欠けたと感じた其れは棄てて仕舞ったと錯覚して居ただけで、__が彼の人の前から消えた彼の日から、ずっと、其処に在った。
俺の中に在り続けて居た。
止む事の無い鈍痛の中、只、見て居無かっただけで。

消える筈何か、無いのに。
( 確かに、彼の人は__を して居たから。)



―――――

如何足掻いても結局人が好きな俺は、一人やときっと生きていけ無い類の人種やと自覚為とる。
かと云って、博愛主義な訳や無いけれど。でも、確かに嫌う人は居っても、何処か芯迄厭う事は無い気が為る。
喩え口が穢く其の人を罵倒為ても、耳が其の人からの罵倒を拾っても。きっと。
其ンな自分が自分は如何も好きや無くて、漠然と臆病やと思っとった。やからと云って臆病が悪やと感じとる訳や無いけど。害の無かったモンも俺と合わさる事で、酷く有害に思える事は多々在る。臆病も其う云う類のモン。
( 悲観的に成っとるつもりも、卑下為とるつもりも無いンやけど。)

人間が好きな俺は、只一人。
自分が、嫌い遣ったて云う噺。


――――

彼の人の好きが、信じられんかった。
嘘とか、其の場凌ぎで好意を口に為る人や無いて云うのは良ォ知っとる。
其うや無くて。
自分に伸びる優しい手や、温い腕の中、笑い乍額に為るキスも。
俺が貰うて良ェンかて惑う程、幸せなモンで夢視とる様遣ったから。

―――

『幸せ』は遠いモンやと、随分前に蓋を為たのは軽い気持ちや無い。
彼の時__に言った言葉は奇麗事や無いけれど、其う成って仕舞ったのは俺がしっかりと手を繋いで居なかったから。
遺された言葉は、今でも彼の人の中で傷と為て遺っとる。
悲観や無い。其れでも、__を し切れなかった彼の人は、『幸せ』に目隠しを為た。
其の眩しさに、手を伸ばさん様に。

けれど、亦。其れは目の前で光った。
凍えた指は、簡単に其れに縋って。其の醜さを、ずっと呪っとった俺の中の彼の人が見せた戒めが彼の夢やと思った。

――

震え乍、確証を強請った。
何も知らない筈の彼の人が残して呉れた言葉は、奥歯を噛み締める力も無くして。一人、彼の人の前で惨めったらしく泣いた。
俺の好きな彼の人は。俺の傍で、冷えて仕舞った俺の指先毎を握り込む。
ジワジワと、熱が孕んで行く。

謙也さんが、好きや。

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96 :財前光
2012/02/05 03:29




差し伸べられた手は冷たくて、其の暖かさを無くしたのは自分やと気付いたンは、首を傾げた後で。
小さな事に気付か無い自分に、失望為たンは自分だけか。解らんけど、


傍に居る為の資格が、見当たら無い。


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95 :財前光
2012/02/03 16:04



太陽を物質的にしか判断出来無い人も居るンや。
叶わ無い事を隠喩為て、尚も欲しいと手を伸ばす人が居る様に。
但し、俺も其の一人やけど。

――――
鳩は飛べ無い。
喋れも為無い、ナけも為無い。嘴はとっくに折られて仕舞ったから。

否、最初から無かったのかも知れないけれど。


―――

Were i you, you lost mine.
Absolutely.


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94 :財前光
2012/01/28 02:41

>ワンニャン、な噺。

俺と云えば未だに体調が回復為ンで、其れが如何にも困り所。
水曜に彼の人と逢う約束為とったンやけど、此の時はホンマにアカンかった。
日中間は良かった体調は何でか急降下。
最近殆ど飯食って無かったンを改善為様と、昼飯食べたら腹壊す。
挙げ句、逢瀬前に入った風呂で調子乗って長い間湯船に浸かっとったら、逆上せてコンディションは最悪。
何遣ろう、呪われとるン遣ろか。
取り敢えず如何にか吐き気抑えて寝具に戻って、彼の人が来るンを待った。

先ず、顔色指摘去れて。
其の儘気遣ってか、寝かしつけ様と為たから慌てて元気アピール。
如何せ一時の不調やし、此ンなんで早々に『御休み』なン、確実に寝れへん。
起き上がって、抱き締めたいて云うて呉れた彼の人の腕ン中に収まったら、亦身体倒されて転がったけど。大丈夫や、云うてるンに。寝せる気遣ったら噛む。
―…まァ、結局は其うや無ァて。初めての試み、為る事に成ったンやけど。

>以下、R18。一応、

( 秘密の噺は睡いし後編、て事で。)


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93 :財前光
2012/01/25 03:59


不用意な優しさは毒やて思った。
どうせ何時かは離れていく癖に消えていく癖に、目を逸らす俺を捕らえて勝手に要らんモン植え付けて、信用した途端に目の前から消えていく。
何時も、俺は置いて行かれる。何時だって、先に消えて往く。
如何せ無くなるなら、何も、最初から要らんのに。


『やっぱテニス出来ひんかなァ、もう。』
元より、もう其れをする気すら大して無かったて言うたら此の人はどないするんやろう。どう、思うん遣ろう。
誰にも、教えるつもり何か無かったから云わんかったけど。
今だって俺の手を握り乍顔を歪める目前の人を見て、其の『もし』を考える。『もし』此んなん言うたら。泣いてまう遣ろか。其れとも、怒る遣ろか。笑う遣ろうか。
何方にしろ、何も返って来んよりは良ェンやけど。目を上げても何も無くて、否応無しに遠ざかる背中を只、見つめているよりは。ずっと、

(後悔、なん。何処からしとるか、もう分かれへんのに、)

もう、訊く事すら怖いのに。


「――謙也さんが、」

問われた問い。もう動きたく無いのに、亦回り始めた、思考。
ポツリ彼の名だけは言ったけど、直ぐに亦口を閉じる。やって何て言えば良ェんか分からへん。俺かて、分からへんのに。

(只、彼の時亦此の人が遠くに往って仕舞う様に感じたから。其れが怖かった、置いて往かれたく、無かった、から。)
何時か気付けば自分を置いて行ってしまった彼の時みたいに、此の人が居なくなるのが怖かった。


傷痕に視線を落とした儘の姿から、目は離す事も無い。手も、気が付けば勝手に其れを握っとって、離す事は無い、もう出来ないけれど。何時だって、俺は離さないでて願うだけやけど。



「俺は、アンタより先に死にたい。」

本音は言え無かった。
ポツリと呟いた言葉。久し振りに発した希望は、其の名前とは懸け離れた物遣ったけど。此が、俺の望む、最後。せめて赦されたい、最期。

そうして亦、独り。見晴らしの悪い空を見上げた。


――――――

昔、ナリバト為とった頃。
投稿為た頁の内の一つに、酷似為た夢を観た。
冷や汗と、カチカチ鳴る歯が気持ち悪い。亦、熱が出とる。
洒落に成らん、怖い夢。

其れでも、流れた涙が酷く、優しいのは。
―――――

知らん処から空メ。物音。
何や、此のコンボ。


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