ご利用前に必ずINFOをご一読ください。
※色見本  ◇WHITE ◇WHITE2 ◇WHITE3
スレ一覧
┗1554.Heart_Beat(12-16/21)

|||1-|||
16 :丸藤亮
2024/12/31(火) 23:18

食事という行為がとても苦手だ。
口に入れ、咀嚼し、味わい、飲み込む。
一連の動作の中に俺の苦手なものが詰め込まれている。
幼い頃から食べるのは下手だったように思う。
まず口元が汚れるのが嫌だ。
口に入れたとしても固いものは噛みづらいし、柔らかすぎるものや滑りの多いものは口の中で滑って気持ち悪い。
味については…友人たちに呆れられるほど選り好みが激しい、ほぼ全ての食材についてまるで粗探しをするように苦手な理由を思い浮かべてしまう。
口に入れても味を感じる前に飲み込もうとしてしまうので、大きな塊は咀嚼できず飲み込めない。
それを避けるために食べ物を細かくすると食事に時間が掛かる上に、不味そうに食べているように見えるらしい。
両親は俺の食事について理解があったように思うが、小学校の給食は酷いものだった。
掃除の時間も昼休みも使って完食するよう強いられたし、好き嫌いも許されなかった。
苦手なものや多すぎる量を無理やり腹に詰め込む作業は苦痛だった。
唯一、コッペパンだけは手で好きな大きさに千切れ、食べ切れなければ持って帰れたので、安心して食べられた記憶がある。
そのせいか、今でも何も入っていないシンプルなパンであれば食べる気になるので主食になっている。
人はパンのみにて生くるにあらずというが、俺にはパンしかない。



冷蔵庫を開けた十代の顔色がはっきり変わったのを見て思わず目を逸らしてしまった。
そこそこの容量がある冷蔵庫の中には、水とゼリー飲料しかない。
何を食って生きているのかと叫ぶ十代にとても居心地の悪い思いをした。
パンと、ゼリーと、水、ときどき卵。
足りないものはサプリメントで補えば生命と肉体の維持に問題はない。
だが食べるのが大好きな十代には信じられないようだった。
俺に食事を取らせると息巻く十代は、聞けば、旅先では自炊もするという。
つい興味を持って、自分が作ったものなら食べるのかと問う十代に頷いてしまった。



俺が風邪を引いてしまったので、十代が予定を変更してポトフを作ってくれた。
元々はシチューにする気だったらしい。
野菜の青臭さがあまり得意ではないので葉物よりはまだ根菜の方が食べやすいのだが、それでも野菜自体あまり得意ではない。
目の前に出された器の中身は柔らかく湯気を立てていて、彩りも良く、とても食欲を唆るものなのだろう、本来は。
十代が作ったものは食べると決めた。
だがいざ目の前にすると、その一口を口に運ぶのはとても勇気が要った。
好き嫌いではなく、もしも食べられなかった時に十代がどのような顔をするだろうかと思うと、とても恐ろしかったのだ。
はたしてそれは無事に喉を通った。
コンソメで味をつけたと言っていたが、野菜の臭みや硬さがなくとても食べやすかった。
とはいえその時俺はあまりに緊張していて味を感じることが出来ていなかったようだ。
スプーンで一口大に割れるほど柔らかく煮込まれていたのも良かった。
食べやすい大きさに調整することが出来た。
だが少し時間を掛けすぎてしまったらしい。
無理をして食べているように思わせてしまったかもしれない。
ゆっくりでいいと言われて食べ切る事ができた時、安心と共に今まで感じることが出来なかった味が漸く伝わってきた。
俺はこの料理と味を忘れないだろうと思う。
本当に、初めて心から美味しいと感じた。

[削除][編集]

15 :丸藤亮
2024/12/23(月) 08:14

心を乱されていると思う。
十代に噛まれるのが好きだ。
容赦なく皮膚に食い込む歯に悲鳴を耐えられないが、同時に酷く満たされた気分になる。
その痛みすら心地よいと感じる程に。
溢れた血が十代の唇を汚し取り込まれている様に歓喜する。
興奮を抑えきれない。
痛み、興奮、高揚感…思い出すたび体が震える。
十代は痛みは嫌いなのだという。
拒否されないのを良いことに同じように噛み付いてしまったのは悪手だった。
一度覚えた十代の味をこの先我慢できるだろうか。
十代は不意に思わせ振りな言葉を口にする。
さらに煽っていないなどと言うのでタチが悪い。
そうして、俺を弄ぶようにその気にさせてはするりと逃げていく。
体ばかり強く繊細な心を持つ十代はどうにも掴みどころがない。
手が届けど手折ることのできないその赤い花は今日ももどかしく俺を惹きつけて止まない



なんとなく、十代が殻に籠ろうとする瞬間が分かる。
そのままにしておくと一気に心が遠ざかる気がする。
絶対に逃しはしない。

[削除][編集]

14 :丸/藤/亮(遊/戯/王/D/M/G/X)
2024/12/08(日) 00:37

幸せだ



[削除][編集]

13 :丸/藤/亮(遊/戯/王/D/M/G/X)
2024/12/05(木) 20:53

風邪を引いていた。
所用で街に出たのでその時に貰ってきてしまったのかもしれない。
幸い流行りのウイルスではなかったようだが、うつしてしまいそうだったので出来るだけ十代を近寄らせなかった。
だが言いつけ通りマスクを付けていてくれたので俺の方が我慢出来ずに抱き寄せてしまった。
もう回復したので気兼ねなく触れることが出来ると思うと嬉しい。
早急に加湿器を買おう



[削除][編集]

12 :丸/藤/亮(遊/戯/王/D/M/G/X)
2024/11/29(金) 20:44

熱に浮かされて随分と長い夢を見ていた。
覚えているものは半分も無いだろうが、その中で感じた幸せや悲しみといった感情だけは目覚めた後も妙に心に残っている。
内容は過去の記憶に似たものから己の願望が反映されたものまで節操なく。
その中でも特に赤色は鮮明に覚えている。



最近の十代はどうも俺の枕を抱えるのが好きらしい。
俺の匂いがするからだろうか。
本人を目の前にしていい度胸だ。
必ずクリーニングに出して匂いを消してやる。



十代が自分の荷物に意識を向ける時は何か大事な話がある時だ。
事と次第では出ていってしまうのではないかと不安になるので好きではない。
バラして部屋のあちこちに隠してしまおうか。
それでも愛想がつきたら出ていってしまうのだろうが。



[削除][編集]

|||1-|||
[戻る][設定][Admin]
WHOCARES.JP