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572.AA・コピペ保管庫
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183 :やべぇ、限界です
12/06/17(日) 20:07:57

大晦日、夜中に小腹空いたんで、
近所につい最近できたばっかりの蕎麦屋に行ったんだよ。
年越し蕎麦も済ませてなかったしちょうどいいや、
ってんでその店に入ってカウンターに座って、
とりあえずかけ蕎麦頼んでさ。
そしたらその蕎麦が見たことも無いような太麺で、
それでいてすっごいシコツルで旨すぎたんで、
「店主、すごい歯ごたえ良くて美味しいね、この蕎麦。」って褒めたら、
「ありがとうございます。お客さん、太麺はお好きですか。」
って照れくさそうにしていた。
「うん、太麺好き。ラーメンだと、そこの三田の二郎とかよく行くんで。」
一瞬、ぴくり、と店主の頬が引きつった。
「二郎・・・お客さん、ロティストでしたか。
・・・実は自分も最近まで『ロットの魔術師』とか呼ばれてましてね。
天狗になってたんでしょうね。交通事故にあっちまいまして、
なんとか一命はとりとめたものの、 それ以来・・・
その、ロットリズムが聞こえなくなっちまいましてね。」
俺は悪い事を言ってしまったのかもしれない、と思いつつ、
蕎麦をたくりながら聞き入る。
「それまでバトル一本で食ってきたんでね。疲れてたんでしょうね・・・
ふと、蕎麦屋なんか始めてみまして。 蕎麦は、いいですね・・・。
こう、バトルとか、デュエルとかそういうのが無くて・・・。
こう、今夜みたいな静かな夜に、深――と一杯すするのが似合うというか・・・
日本の食べ物なんでしょうね。」
胸に込み上げてくるものがあったのか、店主がサングラスをくい、と上げて直す。
除夜の鐘が聞こえてきた。
「お客さん、よかったら天カス入れましょうか。サービスです。」
「ありがとう。じゃあ、マシマシで。」
2008年が静かに過ぎていった。

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