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┗1176.緞帳裏の星(6-10/278)

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10 :エメトセルク
2023/04/23(日) 18:24




アゼム!!!!!💢💢💢
いや、知っていた。あいつがそういう奴だということは……だが、しかし。しばらくぶりに顔を合わせるんだ、多少なりともあいつも変わったかもしれない……などと一瞬でも思った私が甘かった。

アゼムと会うのは50年ぶりくらいになる。以前から会いたいという連絡こそもらっていたもののなんだかんだと都合が合わず、気づけばそれほどの時間が経っていた。
今回はアゼムに道案内を頼み、前日の夜に落ち合う場所と時間を指定してもらった。
当日。20分前にヒュトロダエウスとともに到着し、アゼムとヴェーネスのふたりを待つ。……来ない。私たちが到着した時点で着いたことは伝えているが、返事もない。「まあ15分までは遅刻のうちに入らないから」ヒュトロダエウスは呑気に言う。いや遅刻は遅刻だが??
だがまああいつのことだ、これくらいは想定内……というかはなから時間どおりに来るなどとは思っていない。連絡がこないことも知っている。あいつはそういう奴だ。
約束の時間から10分後、ようやくアゼムから連絡がくる。「悪い、今家出た」
今!!!??
ヒュトロダエウスが肩を震わせている。……まったく本当に、期待を裏切らない男だ。

それから1時間後、ようやくふたりが姿を現した。ヴェーネス……あなたという人がありながらこのザマはどういうことなのかと聞いてみると「だんだんこの子に似てきてしまって……」と返ってきた。感染する……だと……?「こんなに一緒にいるのに感染しないのはエメトセルクだけだぞ、きっと確固たるパーソナリティがあるからだな!」してたまるか!!
ちなみに隣でずっと笑っている男だが、こいつも相当遅刻癖がある。今回は私とともにいたから大丈夫だったものの、ひとりにさせると確実に時間どおりには来ない。そう、つまり詰みである。

アゼム先導のもと目的の場所へと移動を開始する。が、いきなりどこにあるのかわからないなどと言いだす。余談だがこの師弟、どちらもかなりの方向音痴である。こいつに任せたのは人選ミスでは……?
ア「なんか高い建物なんだけど……あ、あった!どう見てもあれだよな!?」
ヴェ「奥にもうひとつありますよ」
ア「……けど二択!!」
ガバガバすぎる……。
しかも「こっちの方がでかいからきっとこっちだろ!」という雑な理由で当てずっぽうに案内される。結果的には当たっていたが……。そういうところだぞ……。
そしてこの男、なにかと体を動かすのが好きで結構な段数のある階段を全力疾走で登ったりする。当然だが置いていかれるのでやれやれと思いつつ登りきると、満面の笑みのどや顔で待っているアゼム。不覚にもかわいいと思ってしまった……。

おもにあいつの近況について聞かせてもらったが、旅先で見たという植物の話が興味深かったな。昔から植物が好きな男で、そういうところも変わっていないのだなと妙に安心した。
今回は1時間くらいしか話せなかったが(まあだいたいあいつが遅刻したせいなんだが)なにかと話題にことかかないふたりだ、日記のタネくらいにはなるだろう。また時間を作って会うのも悪くないかもしれないな。




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9 :ヒュトロダエウス
2023/04/23(日) 03:43




時間さえ取れれば、エメトセルクは座の仕事以外でも、いろいろな場所に出向いていく。
自分の目で見て確かめたものだけを信じる真面目さも動機としてはあるのだろうけれど、彼の好奇心や探究心は、もうひとりの友人にも負けず劣らずだと思うなぁ。
エメトセルクの場合、行動に移すまでに綿密な調査を行い、それに基づいた計画を練りにねって、抜かりなく完璧に準備を整えた上で実際に行動するのだから……フフフ、確かに行き当たりばったりを楽しんでしまう友人とは対照的にすら見えるかもしれないね。

そういうちょっとした旅にワタシも同行させてもらうことも多い……というか、ほぼ毎回ついていってるねぇ。実は今も、アーモロート市外の都市へ向かう移動中にこの手記を書いているんだ。

今回の旅は都市の視察と、それからついでに件の友人、アゼムに会うことになってる。運がよければヴェーネス様もいらっしゃるとか。ふたりとも忙しい身だから会うのは久々になるなぁ。
……だというのに、アゼムとなかなか連絡が取れないらしくて、隣でエメトセルクがずっとやきもきしているのがおかしくてね。結局、耐えきれずに自分から現地の情報を集めだすエメトセルク。いや、フフッ……アゼムから連絡がきたら、キミの調べた情報はほぼ使わない可能性もあるんじゃないかい?まあ、そのくらいは重々承知で、それでもせざるをえないのが彼なのさ。
フフフ、こういう感じも久しぶりだ。




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8 :ヒュトロダエウス
2023/04/22(土) 17:49




ワタシがこよなく愛するものを挙げるのなら、まずはじめに、彼のあの金色の瞳を言うだろうね。
鋭い眼光に目がいきがちだけれど、双眸を縁取る睫毛が、よくよく見ると意外と長くて、その奥の瞳には無数の星がきらめくような輝きを宿している。それが本当に綺麗なんだ。

あの眼に映る光にも、確かに感情の色が映るんだよ。それも、けっこう素直にね。本人に自覚はないから、指摘すると驚いたようにこちらを見るのが可愛くて、たびたび心の中を覗いたようなことを言いたくなる。
「……お前に視えているのは、本当にエーテルだけなんだろうな……?」
なんて、疑いの眼差しを向けられることもあったなぁ。

フフフ……もちろん、ワタシが視えるのはあちら側の光だけさ。言い当てられるのは、単純にエメトセルクをよく見ているから。彼の考えそうなことはだいたいわかるくらいには、長いつき合いにもなるし。
それに、好きなものはいつまで見ていても飽きないものだからね。




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7 :エメトセルク
2023/04/19(水) 09:03




【ぬいぐるみの話】
ヒュトロダエウスはよく私の家に居座っている。挙句どこぞで手に入れてきた珍妙なぬいぐるみを勝手に置いて帰っていく。おかげで私の家のソファーは半分がそいつらで埋まっているわけだが……中でもとりわけ意味がわからないのは哺乳類でありながら卵を産むのだという新種の生物のぬいぐるみだろう。一目惚れだとあいつは言うが、なぜこれを選んだ……?いったいなんなんだ、この生き物は……!?
ほかにも泳ぐ猫のぬいぐるみだとか、オレイアスの置物だとか妙なものばかりが増えていく。視るのが仕事であり特技だからかは知らないが、そういったものを見つけてくるのが無駄にうまい。もっとほかのことに活かせ。

【かわいいの話】
ヒュトロダエウスはいつも口癖のように私のことをかわいいと言う。基本一日4時間くらい奴と一緒にいるわけだが、そんなたった数時間の間に10回以上は言う。それも毎日だ。休みの日となるとさらに増える。
あまりにも言ってくるものだからだんだんいちいち反応するのも面倒になり、そのうち相手をしなくなった。すると何を思ったのか「確かにかわいいだけ言われても困るよね」と最近は理由を添えて伝えてくるように……いや、なぜそうなる?
「手の動きがかわいい」「照れて目を合わせてくれないのがかわいい」「あ、今のかわいいは……」とご丁寧にひとつひとつ説明が入る。……確かに好きにしたらいいと思い、止めはしなかったが……。そろそろやめさせるべきか……。




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6 :ヒュトロダエウス
2023/04/17(月) 02:28




静かな夜だ。この手記を綴り始めるのに、うってつけの夜かもしれないね。

ここ最近、エメトセルクとはお互いにすれ違うばかりで、なかなか二人きりの時間がとれなかった。顔を合わせるくらいなら叶わないでもなかったけれど、ゆっくり食事をとるだとか話をするだとか、そういう時間が持てないのは、何となく歯がゆい思いだったよ。

昨日あたりに、ようやく予定が噛み合ってね。久々に二人で出かけてきたんだ。……といっても、互いの用事を済ます程度の、何も特別なことはない外出だったんだけど。
それでもやっぱり一緒にいるだけで楽しかったなぁ。「……何の用だ」って何度言われたかしれないよ。それだけワタシが彼を視てしまってたんだろう。フフフ……見つめられて、居心地の悪そうな顔をするのがかわいくて、ついね。

二人きりでいると、触れたくて仕方なくなる。自分の中にこんな原始的な慾があったなんて、ワタシにとっても驚きだ。彼が羞恥に耐える顔が堪らなくてね。本当にきれいなんだ。もちろん、だれにも明かすつもりはないよ。偉大なるエメトセルクの素顔を見れるのは、ワタシだけの特権じゃない?

明日からはまたすれ違うような日々になるだろうけれど、彼と過ごすときを、そのぶんだけ待ち遠しく思おう。態度には出さずとも、きっとむこうも同じなんじゃないかな。本当に、いじらしくて可愛い恋人だよ。




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