…らしくねえと評されてその無駄に俺好みな顔面を引っ掻いてやりたくなったのはついこの間の事だ。お前に何が分かる。こちとら何年も何年も、きっと産まれ落ちた瞬間からこうして生きてきてんだよ。偉っそうに勝手な想像でもの言ってんじゃねぇぞ。位は思った。思ったが、いざこうしてお前と過ごしてみると、時々、ヨチヨチ歩きの餅みてぇだった頃を思い出す。因果を知らず法則性を探そうなんて知恵も無く、ただただ寝床のぬくさが幸せだった頃を。ほんの数枚…兄貴が撮ったらしいブレまくりの写真に残ってるアレが俺だとすれば、確かにお前の言う通りだったかもな。何処も彼処も夜の匂いがするこの部屋の、このト／カ／ゲくせぇベッドが好きだ。ねみい。

躍起になって追われると、そりゃ気分は良いけどな。人間…いや、思考する生き物なら須らく。無理は続かねえ様に出来てる。なのに、もう好きだと知ってんだろうに。朝も夜も律儀に顔を出しちゃ気に掛けられ…目が覚めてみれば腕の中、枕元には何用か教えてない筈の箱が寂しくならねぇ為の２枚目が有って？一体どう不満を抱けってんだよ、お前はよ。振り回すと嬉しそうにしやがる存外Mなウチのト／カ／ゲを喜ばせてやりてぇのは山々で、でも俺はまだ後１回キスしたかったって方向で難癖付ける位しか遣り様が無ぇから困る……そういうレベルだぞ、コレは。…っとに、いい加減にしておかねえと次はパンツじゃなく直吸いされると思え♡

斯く斯く然々でイイ、因ってコイツを好きになろう。そんな風に恋ってヤツが出来るなら、あのどう呼ぼうが薔薇は薔薇とかいう古典が未だにウケてたりはしねぇだろう。…「何処が好きか」を挙げ連ねるのは多分、“そう”なっちまってからの後付け的な理由探しに近い。そんな事を考えながらあの演説を振り返ってみると、こう迄わんさかあれこれ言いたくなる位に俺が好きかと顔が緩んできやがってな。これだけ愛してやってるんだからお前も同じだけ愛せっつー棒で、バチボコやり合うのが。今日も止められそうにねえ。…所で、誰だって湯上がりはホカホカするモンだろ。…しねえのか？するよな？

お前はミドルスクールで初めて女が出来た童貞か？と突っ込みたくなる歯型とヤバめのキスマークを抱き合わせで首にプレゼントしてくれた挙げ句見える服で行けっつーから、虫除け超えてただのヘンタイじゃねぇか…とは言わずにベアトップとかいう腹巻きの親戚みたいなので出掛けて「微笑ましいな(訳：バカップル乙)」なんて感想を頂いちまった素直且つキュートな俺はあいつの魔力の半日分位は寄越させて良いんじゃねぇかと思う。因みにこの件に関する唯一の救いとして、今俺はたゆんたゆんしたのが付いた
メスの身体だ。露出趣味の男に見えずに済んで本当に良かった。まぁ拝借していったシャツに染みは付いたが、羽織りモンが必要にさせられた所為であって俺は悪くねえ。

叶うかはそこまで重要じゃねぇんだよ。即席ト／カ／ゲ流星群の下で頭を寄越して、嬉しそうに。何が欲しいか知りたがるお前に
我儘扱いされてやる…こんな時間が好きだ。