最近忙しくて書けていなかったんだけど、桔梗が僕の知らないうちにいっぱい日記を書いてくれていたみたいだ。

そうだね、最近変わったことといえば桔梗といる時間が前よりもっと増えたっていうことかな。
メンバーが寝たあと、二人で過ごせるようになったからかもしれないけど。それにしても、あんなに毎日僕に腕枕をしていて痺れたり疲れたりしないのかな。

ああそう、凱旋公演も楽しみだね。蓮の好きなラッピ食べに行かなきゃ。
桔梗のご実家のお菓子も、たくさん買って東京に戻りたいな。
ふふ、ライブもそうだけど、函館でしたいことがたくさんある。その中にもちろん桔梗の存在もあるから。
毎日がキラキラしていて楽しくて、幸せだよ。

今、あの場所に帰って
あの頃と同じ景色を見たとしても
見えるものはきっと、違うだろう。

今から的場と行きたい所をピックアップしておかないとな。

また実家の菓子も食べさせてやりたい。

ふと、原点に帰る機会があり
的場との出会いを思い返してみた。

第一印象は、お互い…いや、特に的場は俺の事を良く思っていないようだったが、まさか今「こんな風に」一緒にいるようになるとはな。全く予想もしていなかった。

俺はきっと、救われたあの瞬間から、的場のことが好きだった。

お前の傍にいられることが、嬉しいよ。

的場はよく俺の料理を褒めてくれる。
的場に喜んで貰えるなら、もっと色々なレシピを増やそうかと思うのだが…ここを目にしてくれた方で何かオススメの料理があれば教えて欲しい。
辛いもの以外なら食べられる筈だ。

料理は個性が出るから面白いと思う。
シェアハウスではバンドメンバー交代制で料理当番をしているが、それぞれに味があって俺は好きだ。

次に的場が作ってくれるのも、楽しみにしているな。

新曲の発売やライブを控えていることもあり、毎日が慌ただしく過ぎていく。
程よく緊張感があるのはバンドにとって良い事でもあるが、的場は少し頑張りすぎているような気がするな。
先程もリビングで寝落ちしている姿を見つけて声をかけた。

『部屋に戻ろう。こんな所で寝ていたら、風邪を引くぞ』
『嫌だ。桔梗と一緒がいい』

…そう言われて、思わず顔が緩んでしまったのはここだけの話。
きっと寝ぼけていて記憶にないだろうから、こっそりとここに記録しておこう。