鋭児郎は実家に用があるらしい。
オフを使って朝から帰省しとる。
墓参りもするっつーから一緒に帰れりゃ良かった。


スケジュール、コンディション、日々色んなモンを共有して声を掛け合う。
はよ。
行ってきます。
行ってらっしゃい。
気張れよ。
踏ん張れや。
おかえり。
ただいま。
お疲れ。
おやすみ。
家族っつうのはこういうなんてことねー想いと言葉の積み重ねなンだろうな。
帰って、実家に居る鋭児郎と連絡を取り合う。
飯食っただの酒盛り中だの、
親が喜んどるだの聞いて悪かねェ気分になった。
離れてンのに寂しさはねえ。
両親によろしく言えと伝えた。


ンでこんなに幸せだって湧いてくンだろうな。
傍に居ねーのにすげェわやっぱ。

まだ30歳なんだけどな～。
とうとう体調崩して昨日は二人して早々寝てしまったんだけどな。
勝己は学生時代から元々早寝タイプなんで、あまり日跨ぎまで起きている事は無いんだけど、俺と一緒に居る時はそのギリギリラインまで起こしてしまっている事がしばしばだったりする。

そんな俺が昨日は一日とにかく不調で夜にはもうバタバタ動けなくて直ぐベッドへと入ったわけだけど
勝己はもう先にベッドで待っててくれて一緒に横になった。

いつもは俺が腕の中に抱いて眠るんだけど、昨日は勝己の腕の中。

温かい胸に顔を埋めて落ち着くと気持ちもどっと重いモンが落ちていく。

やっぱ心から許せて一番柔らかい場所を預けられるのは勝己だけだって自分で痛感するんだった。

そして多分…勝己の胸も…癒し効果抜群なんだと思われる。
だってすげぇふかふかなんだぜ。

胸筋だわって何度も言われてるけどな？
俺にとっては男のロマンですよ、胸は。

…なんか話がズレてきたけど…今日は俺元気です！
やったー！

今夜は鋭児郎が不調らしい。
ベッドの中でスウェットを脱いで身を寄せると相変わらずあったけぇ。
その体温だけで満たされるモンがある。

幸せ。
つーのかは分かンねェが毎日一緒に寝ンのが当たり前で、そう過ごせンのが当たり前じゃねーことも分かっとる。

体調悪ィのに、俺の腕の中に収まりに来た。

クッソ可愛いな、鋭児郎。

腕の中で胸に顔を埋めて安心したのか力抜くのにギュンと来た。

やっぱコイツが好きだわ。

今夜は勝己がちっと眠いらしい。
ベッドの中で眠たくなる勝己はすっげぇあったけぇ。
その体温だけでも愛おしさを感じるんだ。

幸せだぜ。
こうして毎日一緒に眠れるんだもんな。

ホントはもっと眠かったろうに、俺の為に頑張って起きててくれてよ。

ありがとな、勝己。

腕の中でもう目が開かないらしい勝己が可愛い。

あー、やっぱすげぇ好きだな。

昨日はとにかく激しい現場だった。
怒号飛ぶ。
未だに居なくならないヴィランの残党と、きな臭い事件との繋がりによる案件。
警察主導のチームアップで勿論俺はその一番最前線でのタンクを担う。
俺の後ろに血は流させねぇ。
烈怒頼雄斗のモットーだからな。

苛烈さに勿論傷だらけにはなったけど、久し振りにヒーローとしてやり遂げた感があったぜ。

そんな事で勝己からのメッセに上がりまで反応出来なかったわけだけどよ。
勝己にとって逆に俺の男が頑張ってるって思ってくれたらしい。

なんかすっげぇ誇らしくなった。

なんなら勝己の方が苛烈な現場には何度も出てるだろう。
俺としては勝己の盾としてあいつを守ってやりてぇって思う。
けど、きっと俺もあいつに守られんだろうな。
俺が守ってあいつが勝って守って戦うんだぜ。
そして二人でこれからも生きて行く。
どっちが前でも後ろでもなく、隣同士のパートナーとしてな。

今日で2年と1か月。
これからもよろしくな、勝己。

朝もちゃんと、今向かってるって連絡もきっちり来て。
なんてことない話なんかもして過ごしたんだけどよ。
そんななんてことない事だけでも俺には最高の朝になる訳で。
今日も昨日よりも愛おしさが止まらない。