私信
……今日ばかりは、許してほしい。
あれからずいぶんと経ったけれど、お前はどうしているかな。俺は……まぁ、この通りだ。なんとかやっている。
……元気、でなくとも良い。なにせ戦の最中に身を置く俺達だ。どうか折れるような怪我をせず、穏やかに、満ち足りた日々を送れているだろうか?半年前はああ言っていたが、何か良い出逢いに恵まれただろうか。もしそうであるなら、……否、そうでなくとも。どうか、どうか幸せであって欲しい。
……そろそろ一年が経とうとしているけれど、お前への想いは褪せる事なくこの胸に息衝いている。ふとした時に、お前のことを考えている。何か辛いことがあった時、お前との記録やお前の日記を手に取っている。
きっと迷惑だろうし、未練がましいのはこれで最後にする。
だからどうか……この想いと指輪とあの愛しき日々の記憶を抱いて日々を過ごすことを、折れるその時までこれを抱えて行くことを、許してほしい。
愛している、俺の国広。……今までも、これからも。ずっと。
……なんだか日記を畳むような書き方になってしまったな。日記は変わらず続けるよ。お前の日記も、良ければこの先も手に取らせて欲しい。