＊怪物の話
類に「きっと寧々は優しいから怪物でいたいんだね」って言われた事がある。
詳しい原因とかは流石に覚えてないんだけど……確かその時一番よく話してたクラスの子と喧嘩して落ち込んでたら、自分の嫌なところばっかり目に付いて『結局綺麗な人間になんてなれない、出来損ないの化け物なんだ』『だから嫌われるのも怖がられるのも当たり前』『上手く出来ないわたしが悪い』みたいな事を日記代わりにしてたメモに書き殴った時。その時は喧嘩の事だけじゃなくて多分他にもいろいろ上手くいってなかったり、あとは何かの本でも読んだせいだと思うんだけど……今考えると落ち込み過ぎててちょっと笑っちゃうくらい。で、わたしが誰にも見られないように隠しておいたのに類はいつの間にかそのメモを読んだみたいで、二日くらい経ってから声を掛けてきたの。……なんていうか、類の考え方とか捉え方、すっごく変わってると思う。まあ、変人とか呼ばれるくらいだし、所謂天才とか言われるレベルで頭良いからしょっちゅう思考が二段飛ばしとかになってるし、当たり前って言われたらそうなんだけど。「相手じゃなく、自分を悪とする事で無意識的に誰かを責めたり、傷付けないようにしているんじゃないかい？優しさは勿論美徳と言われるけれど、寧々のように行き過ぎて自分を責めるのは良くない。……いや、違うな。悪い事とは思わないけど、僕は寧々にも傷付かないでほしい」って言われた。目からウロコってこういう事なんだろうなって思ったし、多分、類は幼馴染フィルターがかかってる。わたし、そんなに人の事ばっかり考えてないから。多分今も変わらず臆病なだけ。……でも、そうやって言われたお陰でその時のわたしは救われた気がしたんだよね。っていう、昔話。

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何でこっち？って聞かれて咄嗟に答えられなかったけど、普通に分かるでしょ。悪足掻きなのは分かってるから、次の次くらいにはちゃんとしようかなって思ってる。……まあ、やっぱ無理ってなるかもしれないけど。ていうか、こっちでもこうやって自分が思ってる事を少しずつ書けてるだけマシじゃない？いつもは考えるだけ考えて終わりって感じなんだし。最初は前みたいに箇条書きのメモ帳とかで良いかなって思ってたけど、こうやってある程度読める文章として書き出したら考えの整理にもなるし、あと好きな様に整えたらちょっとした時とかにも書こうかなって気持ちになれるんだよね。逆に言えば、そのくらいやらないとあんまり気が進まないって事なんだけど。