どうやら凪がうたた寝してる間に俺の夢を見たらしい。なんでも、夢の中の俺に「昨日のお前好きじゃないから日記書いてない！」ってキレられたらしい。俺が最近きちんと日記かけてなかったのも一因としてあるんかな？ちょっと反省も含めてしたためてる。
日記に何書こうかな、あれテーマに書こうかなーって考えてる矢先に、ガタッと体調崩しちまってさ。自己管理不足で情けないやら、身体はしんどいわなんやらで、結構参ってたんだ。凪を待たせる時間が長ければ長いほど、他のヤツの所に行っちまうんじゃないかって心配になって。………ほら、例えば暇潰しに潔の所に〜とかさ。高熱のときって、身体がしんどいからなのかメンタルも少し弱くなっちまうみてえ。でも凪、そういうときこそ鋭いからさ。いち早く気付いて「どこにも行かないし、レオだけだよ」って言ってくれたんだ。俺の心読まれんのかってヒヤヒヤするくらいの、的確な指摘。びっくりしたし、情けねぇ限りだけど、まあ実際その通りで。こういうときに言葉にしてくれるの、凪のかっけー所だなーって思う。すごいことだよ。ホントは独り占めしときたかった凪のかっこいいところ、１個くらいは全世界に自慢しといてもいっかなって。だってこれは俺だけに向けられるものだし、誰かに取られることもねえってわかったから。
………そんなかっこよくてかわい〜い俺の凪くんは、今すやすや寝息立てて赤ちゃんみてぇな寝顔で寝てまーす。かわいいなあ、コイツめ♪かっこいいところもあるけど、やっぱ９割はかわいいわんころ赤ちゃんだな。
突然だけど、レオの好きなとこ紹介していい？するね、ありがと。
これは付き合ってからずっと感じてたことなんだけど、レオって律儀なんだよね。どんなに些細な約束でも絶対に守ってくれる。約束なんて大層なものじゃなくてもきちんと覚えていて、叶えてくれるんだ。
例えば、冗談のつもりで俺の好きなとこ１００個教えてって言ったら本当に書いてきてくれたり、俺のかっこいいと思うところを聞いたら、個人の日記を作ってまで答えてくれたり。あと俺ですら忘れてたようなことを引っ張り出して「やるぞ！」って連れ出してくれたり。挙げたらキリがないんだけど、レオはいつだって想像以上のものをくれる。その度に、あー大事にしよ……って思えるんだよね。いや、レオのことを大切にしたいと思ってるのはいつものことだけど、なんていうんだろ……愛おしくなる？のかな。今すぐぎゅーって抱きしめたくなる気持ち。毎日レオからの愛という名のおくるみでぎゅうぎゅうに包まれてる俺は幸せ者だね。
………レオのこと考えてたらますます会いたくなっちゃった。はやくトレーニング終わんないかな。
トレーニング終わりにレオに甘やかしてもらうのはもはや日課なんだけど、甘やかし方にもいろんなパターンがあって。思いっきり抱き締めて頭を撫でてくれる日もあれば、レオの気が済むまで頬をもちもち引き伸ばされる日もある。
どうやらレオは最近〝凪専用御影サービス屋〟っていうのを始めたらしい。端的にいえば俺をとことん甘やかしてくれるサービスで、コースは全部で３つ。〝膝枕でよしよし♡コース〟と〝添い寝でよしよし♡コース〟と〝ぎゅってしてよしよし♡コース〟。どれも魅力的だから１つだけなんて選べないし、全部がいいって駄々を捏ねてみたけどさすがにダメだった。ちぇ。
……あ、それでね。コースを選んだときのレオの掛け声がめちゃくちゃかわいいんだよ。
「はいよっ。ぎゅってしてよしよし♡コースいっちょう！」
って。初めて聞いたときはラーメン屋さんかと思ってびっくりしたけど、今ではすっかり癖になってる。こういうときのレオって結構ノリノリでかわいーんだよね。またのご利用お待ちしておりま〜す♪
今日は凪と付き合ってから１０ヶ月目の記念日。月で言うと二桁、日で言うと三桁台に突入したってわけ。数字で表してみるともう３０６日らしい。すげぇよな。
これだけの月日が経つと、それなりに色んなこともある。直近でそこそこ大きな話し合いもした。まあ、きっかけは俺のせいなんだけど……。冷静になるって結構大事なんだなって改めて感じた。
話し合いは何回かしてるけど、その度に凪は「めんどくさい部分も含めて好き」って言ってくれる。俺としてはその〝めんどくさい〟部分が嫌だし、そのせいで凪に嫌な思いさせるならって考えちまうんだけどさ。あのめんどくさがりな赤ちゃんが、俺のために時間を割いてくれたり、こうして日記を書いてくれたりする時点で、俺のことを好きでいてくれてることは明白じゃん？一度不安になると焦ったり視野が狭くなったりして、そういう部分を見落として考えたりしちまうんだけど。冷静に見直してみると、本当に凄いことだと思う。いつもありがとな。度々面倒なことしてごめん。
あ、謝るの禁止。謝る代わりに好きって言って。
凪が俺に対して態度で示して伝えてくれるように、俺の気持ちもちゃんと伝わってるといいな。凪のこと、本当に好きだよ。めんどくさがりで、赤ちゃんみたいに甘えてきて、わんこみたいに擦り寄ってきて。でも、真っ直ぐ俺に気持ちをぶつけてきてくれる、かわいくてかっこいい凪のことが誰よりも大好きだ。１１ヶ月目もこうやって一緒に祝おうな。
俺たちの交際記念を祝った回数もついに二桁台に突入。俺としてはまだ１年経ってないことが不思議なぐらい、もうずっと一緒にいる気がする。月日が流れるのって意外とゆっくりじゃない？でもそれだけ密度の濃い時間を過ごせてるってことなのかも。確かに、毎日顔を合わせていても全然話が尽きないもんね。いつだって新鮮にレオのことが好きだし、俺を困らせるためのあざとかわいい仕草にも未だにドキドキする。俺がトレーニング頑張ろうって思えるのも全部、レオが傍にいてくれるおかげだ。
日々を重ねていくなかで、好きの気持ちだけではどうにもならないこともある。それでも、これからも一緒にいるために真剣に向き合ってくれるレオが好きだよ。レオは健全じゃないって言ってたけど、内心かわいくてどうにかなっちゃいそうだった。……いや、そんなことを言ってる場合じゃないのは百も承知なんだけど。だって好きな子が俺のことでぐるぐるしてるのって、不謹慎だけどかわいい。愛されてる証拠でしょ。
でもやっぱりレオには笑っててほしいから、安心して寄りかかれるようにこれからもがんばるね。俺がこんなにすくすく育ったのってそのためかもしんない。ちょっと勢いよく飛びつかれたぐらいじゃ全然動じないから。うぇるかーむ。
……ほらね、言ったでしょ。レオが思ってるより俺はお前に夢中なんだよ。ぞっこん。メロメロ。分かる？めんどくさいとこも全部ひっくるめて、レオという存在そのものが大好き。だから何も心配しなくていーよ。俺にはレオだけだし、レオも俺だけでしょ？やなこと考えちゃったら一人で抱え込む前にすぐ俺のとこにおいで。めいっぱい抱きしめて、何回でも好きだよって伝えるから。それこそ、キャベツおくるみにくるんで眠るまでよしよししてあげる。俺の寝かしつけなんてレアだよ、レア。楽しみにしてて。