1年前の今日、俺とレオの関係を表すことばが増えた日。最初は、傍にいられるならそれでいいやって思ってたんだけどね。恋とかそーゆーのよく分かんないし、何よりめんどくさそーだし。この関係が壊れるくらいなら、今のままでいる方が楽だよなって。でもね、人気者のお前のことだから、もたもたしてたらいつか誰かに取られちゃうかもって思ったら止まんなくなった。待てなんてできないんだもん、仕方ないよね。あんまり顔に出てなかったかもしれないけど、実は心の中ですげー舞い上がってた。今すぐにでも走り出したいくらい。あの時はレオも同じ気持ちでいてくれたことが本当に嬉しかったんだ。
付き合いたての頃はまだどこかぎこちなくて、……っていうとちょっと語弊があるか。まだお互いの許容範囲や距離感を掴みあぐねてる感じがして、初々しかった。まあ、大抵のカップルがそうなんだろうけどさ。スキンシップ一つとっても、付き合ってからの方が意識しちゃって大変だったんだよ。だってかわいいんだもん、レオ。レオ以上に魅力的な人なんてきっとこの世にいない。大袈裟なんかじゃないよ、本当のことだし。現に今でも俺の心を掴んで離さないでしょ。結局俺はいつまでもレオの掌の上で転がされる運命なんだと思う。ころころーって。
……そう、小悪魔なんだよね、レオって。1年経った今でも慣れない。俺があざといレオに弱いのを知ってた上でのこれだから、余計にタチがわるい。面白いぐらいにまんまと煽られる俺も俺なんだけど。俺がぐぬ……ってなってるときのレオ、心做しかめちゃくちゃ楽しそうなんだよね。かわいいからいっか。
そんな小悪魔なレオにも、滅多に人に見せないやわいところがあって。俺にさえ、……いや、俺だから見せたくないんだろうな。俺はどんなレオだって愛おしいと思えるのに。レオの方から
「聞けよ凪!」
って言ってもらえるような、包容力があって器の大きい男になる。これは今年の目標のひとつ。