▲指輪の話

ラブノートの記録もすっかり間が空いてしまったけど、変わらず僕らは元気に過ごしてる。

別に毎日書くことが全くない……ってわけじゃない、気がする。多分。喧嘩もしてるしエースの腹立つ話は日々積もってるし…ノートに記録を残すのは普通にサボっていたからだけど、なんというか……こう、一緒に過ごすので………忙しくて…書く時間がない……というか…。……！？なんだこれ！惚気か！？誰だ！？気持ち悪いな！！やめろ！！！



それで、そうだ！最近お揃いの指輪を買ったんだ！ファッションリングっておしゃれな呼び方をあいつはしていて、いいなと思ったから僕もそう呼ぶことにしてる！お揃いのファッションリングを買ったんだ！
エースの選んだシンプルなデザインの指輪で、僕なら選べないシャレたセンスだから指を見る度になんとなくそわそわする。

あいつは一日中ずっとつけているから、この間は髪を乾かすときに指輪が熱風で灼熱に熱されてすげぇ熱いって悶えてたのはめちゃくちゃバカだなって笑った。
僕は朝練や部活だとか…事あるごとにつけたり外したりしていて、一時的にしまっておく持ち運びの袋があったら便利だなと考えてる。ほら、旅人の薬草袋みたいなのがあるだろって言ったらエースには普通に通じて、それも笑った。

今度のお揃いは僕が選ぶと宣言しているからな、とびきりのカッケェ一品を選ばせてもらうぞ！
お揃いの香水も指輪も、ふとした時にあいつを感じて、それが堪らなく嬉しくなる。エースもそうだろ。バレてるぞ。

▲ホラー鑑賞会の話！

部活の休みが重なった日の夕方、エースのやつが観たいホラー映画があると言いだして一緒に観ることになった。気になったタイトルだけど一人で挑戦するには怖いらしく、あいつは意外とビビりなのかもしれないと思って付き合うことにした。
僕はというと、怖い映画を敢えて選んで観る機会も今まで特になくて…実は少しそわそわしながら開始した。


それで…さすがホラーと銘打ってるだけあって、途中まではすげぇ……めちゃくちゃ怖いシーンが続いたし、エースも僕もびっくりしてデカい声が出たり、なんでそっち行くんだよ！そこ開けんな！とかヤジを飛ばしながら映画は続いて。

それなのになぜかラストの山場で急にアクションバトルが開始して二人とも爆笑。
水の魔法や火の魔法が飛び交って、最後は主人公が死神をぶっ倒すから何を見せられてるんだって声出して笑ってた。(思わず途中から行け！やれ！って、どっちかというと応援に入ってたな。)

前から一緒に動画や映画を見たりはしていたけど、ホラーのジャンルは初めてですげぇ楽しかった！ミドルスクールの頃はこんなに楽しい時間をダチと過ごしたことはなかったから、今回の体験は全部が初めてで心から嬉しいって思う。

エース、次も面白いホラーのやつ観よう。本気で怖い内容だとお前が縮み上がっちまうからな、やっぱり最後は戦って勝つやつがいい。



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最近エースが自分のデスクに置き始めたマスコット、あいつの趣味じゃなさそうだと思っていたら…見てると僕を思い出すらしい。なあ、あいつめちゃくちゃ僕のこと好きじゃないか？ふっふ。ふふ。

▼アイツがいない話

まず反省文は書き直しな！？余計なこと書いてんなってのばーか！！

そんでもって昨日はアイツが外泊届出して部活のダチ達と出掛けてた。もちろん違う部のオレが付いていける筈もなく？一泊なのに何入れたのかわかんないデケー荷物背負って出てった。財布と下着だけあれば十分だろって言ってんのに。

狭いベッドでアイツを抱き枕にして寝るのがいつもの事。だから一人のびのび気持ち良く眠れる、って思ってたはずなんだけどさ。おっかしいよな、眠いのに眠れないし今アイツは何してんだろってよぎるワケ。どーでもいいんだって、ホントはそんなこと！


これまたどうでもいいんだけど帰ってきたアイツが楽しそうに土産話すんのは、案外悪い気はしなかった。おしまい。

▲反省文

しれっと要求してる月収増えてないか？
300万マドルって聞いたぞバカ。なんなんだあいつ！


とは言えやっちまった…とは反省してる。傷ついて混乱したあまりに言っちゃいけない言葉で一方的にキレて……すっげぇダセェ…。

振られた、って思った。だってあんな断り方されたらお前とは絶対無理だって、眼中にも無いんだって言われてるように感じてしまって…あいつからの愛情を疑ってるとかそういうつもりは微塵もねぇけど、一緒に暮らしたら食べたい夕飯だとか、使いたい食器だとか、壁に貼るポスターとか、家事の当番とか……将来のことを楽しみに考えるもんだろ。一応恋人でもあるし。それをあいつに破壊されたからキレた！！


今回の初めての大喧嘩を経て、寂しがっていつもよりくっついてくるようになったこいつを見ていると、普段はふざけたやつだしすげぇバカにしてきて普通に腹が立つけど…僕だけに柔らかい部分を見せてくれるエースの繊細なところをもっと大事にしてやらねぇとって気持ちになる。今日も授業の合間にやたらとひっついてきていたし、ついさっきまで好きだって言いながらめそめそくっついてやっと寝かしつけられたところなんだ。(今もくっつかれながらこれを書いてる。)

はー……。好きだな。今日もすげぇ好きだ。こいつのしてる香水で同じにおいになって、こいつの体温に包まれて、こいつの寝顔と寝息を目の前に感じて、鼓動の音まで聞ける僕は世界一の幸せ者だと思う。誰にも譲りたくない。ずっと一緒にいたい。

うとうとしてきたから僕も寝る。反省文になってねぇって怒られそうだけど知らない。

▼終わりの話

アイツが適当に語弊満々の反省文書く前にオレが筆を取る。

つい最近、初めてオレはアイツにもう終わりにするかって提案したんだよな。というのもアイツがなんか訳わかんない勘違いから暴走して泣き喚きながらぶん殴ってきて、ちょーーーー優しくて寛大なエースクンは何度も落ち着けよそれ以上言ったら自分が辛くなるだろっつってんのに阻止できず。
まあ殴られたらオレも痛いもんで！何度も呼んだアイツの名前も届かずに苦しそうに喚く姿見てたら、ああオレじゃダメなんだなって思って冒頭に至る。

あ、今は問題なく過ごしてるからなのも書いとかないとだよな。終わるって言った瞬間、急に青褪めたアイツの顔、今だからこそめちゃくちゃ笑える。


ちなみに発端は卒業したら一緒に暮らしたいっていうから月収3000万マドル稼げるようになったらなって言ったらフラれたって騒ぎ立ててたことじゃね？マジで意味わかんねー。
でも意味わかんねぇとこもさ、すきだと思うからオレも重症。