猫
猫のわしと犬の龍馬
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例え話やのうて。わしは黒猫に、あいたぁは真っ白いサモエドに。転げ回る様にして遊んじゃろうと思うちょったけどあいたぁはまだ人の姿のまま、せんとならん事もあるき今霊基異常を起こす訳にはいかんけんど、先に体が猫に変じてしもうたわしをあいたぁはめっそう可愛がってくれゆう。
犬には何遍かなっちゅうき猫もそう変わらんち思うちょった。正直、犬で居る時に比べたらあいたぁに対して尻尾振ってしもうたり、撫でられたさの余り纏わり付いて離れん様になってしまわいで済む分楽勝じゃち思うちょったがよ。
ほれどころか、あいたぁが猫じゃらし持ち出しても、美味うて堪らんおやつを持ち出しても、猫特有の気まぐれ具合でツンツン振り回しちゃろうとさえ思うたんに…。
ひとっちゃ思う様にはいかざった。
もうの、あいたぁの匂いがしゆうだけでいかんがよ。勝手に喉がグルグルゴロゴロ鳴り出しゆう。あのふとい手で包み込む様に頭を撫でられたりしたらもういかん。尾っぽの付け根をトントンされようもんなら腰が砕けた様に立ちも出来ん。
あいたぁの側に居るだけで、一緒に歩いちゅうだけでもう遊んで欲しゅうて構われとうてどがぁにもならん気持ちになりゆう。
犬で居る時の方がなんぼか弁えられちょったんに…。
とんだ誤算ちや。