この霊基異常、感冒みたいに飛沫感染しゆうんじゃと。ほりゃあカルデア中のサーヴァント霊基がちゃがまる筈ぜよ…。ほれに例に漏れずわしがあいたぁの顔舐めたり、同じスプーンでかき氷を食うたりしてしもうたき……あいたぁも……。

毎度おなじみサモエドになってしもうたがよ。

はぁー、ふっかふかのもっふもふ。こいたぁまっことえい毛布。空調も万全なルルハワのリゾートホテルは快適以外の何物でもないけんど、犬一匹と猫一匹。何ぞあってもドア一つ開けられやぁせんき早めにSOSは出しちょかんとならんじゃろうな。

龍馬もやられてしもうた今、お竜に頼る訳にもいかん。高杉辺りに出張って貰わんとならんにゃあ…。……その前にちっくと昼寝しちょかんと。

わしんくのカルデアだけやのうてあいたぁのカルデアでも起きてしもうた異常事態。ルルハワに解毒作用のある花があるっちゅうがで、猫のわしを伴ってあいたぁがその探索に当たってくれゆうらしい。
お互いのカルデアで霊基異常を免れた英霊は数える程。その殆どを投入しての花集めはバカンス気分が抜けきらんもんじゃったけんど、まっこと楽しいもんやったちや。

両手を広げてもまだ足りん程ふっとい黒鉄のバイクを手足の様に乗り回しよったあいたぁは流石はライダー、騎乗スキルの見せ所っちゅう見事なもんやったちや。あいたぁが用意してくれた鞄の中に収まりながら、轟く様なエンジン音と長く伸びた猫特有の硬い髭を揺する吹き抜ける風がめっそう気持ちえかった。

はぁあーー…この事態、いつになったら収まるかのう。わしだけやのうてこいたぁも何ぞどうにかなったらえいんに。

フワフワで、もこもこで、始終小んまい鼻をヒクヒクさせゆう真っ白うさぎ。

最早恒例になりつつありゆう霊基異常で、真っ白いうさぎになってしもうた時のあいたぁはまっこと可愛えかった。ヒョコヒョコ跳ねもって移動しゆう姿も、わしが揶揄う度にぷぅぷぅ鳴きゆう姿も、細長うに切ったニンジンやらダイコンやらをシャクシャクシャクシャク美味そうに食いゆう姿も。
しょうげに堪らん可愛いさやったちや。

またあがな風になったりせんかのう…。叶うもんならロボ位の大きさでわしが乗れたりせんかのう…。あいたぁの上でもふもふの温い昼寝が出来たりせんかのう…。

まぁ、今猫になってしまいゆうわしのが伝染るか何かしてしもて、あいたぁがサモエドに変わってしもうたら下の二つは叶えられそうじゃきえいけんど。

はぁー、うさぎの龍馬。
めっそう可愛えかったのう。

黒紋付きの姐ぇさんらあが涼しそうに下駄を鳴らして花街を歩きゆう様は、わしみたいなならず者ではそうおいそれと眺められやぁせざったけんど、ほりゃあもう、大層美しいそうやいか。

八月朔日。
もう半月もすれば盆が来る。

ちくと忙しゅうなりそうじゃけど、…おん。まっこと月日の流れゆうがは早いもんちや。

ちゅうても、しんみりした雰囲気らぁて欠片も無い。
右を見ても左を見ても誰も彼もが浮かれちょって、祝祭の賑わいで満たされちゅう。

今年も新たなサーヴァントがカルデアに加わった。この日の為に掻き集めちょった石はすっかり空じゃけど、また1からコツコツ集めて行きゆう他無いろう。増えた連中にも種火や素材をこじゃんと食わせちゃらんとならんしのう。
今夏のイベント（どうやら二度目のサバフェスが始まるらしい）までに、ちくとでも残弾は確保しちょかんとならん…。

ほれにしても。あいたぁ多趣味な男じゃき、土佐弁講座じゃとかネゴシエートのすゝめじゃとかいう本でも出しかねん所も気になるちや。
万が一、あいたぁまで原稿に追われゆう事態になった時を考えて、退屈をどがぁに潰すか今から策を練らんとならんち思いゆう。