バカンス
マスターにはマスターの、わしらにはわしらの夏休み。
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……ちゅう訳で。
ドバイでの役目も果たした事じゃしわしらはわしらでのんびりと、夏らしい事が出来るんに程よく涼しい夢の様なテーマパーク、アークティック・サマーワールドに来ちゅう。
小んまぁて丸々しちゅう仔サモエドな龍馬を連れて。
はぁぁ〜〜〜〜〜、なんちゅう癒し。なんちゅう極楽。
堪らんのう。ふわっふわでもっふもふで、これから大きゅう育つと容易に知れゆう仔犬の内からふとい脚。それを必死に動かしてころころと転がる様に駆け回りゆう…。
はぁ、可愛えい。堪らん。ちっくと他所へ興味が逸れてもすぐにわしの足元へ戻んて来ては千切れんばかりに尾を振りゆう。ハッハッと小まいピンクの舌を出しながらあの気の抜けゆう様なへにゃり顔をして笑うきに、まっこと堪らん気持ちになりゆうがよ。
ソウスケも可愛えい奴じゃけど、あいたぁにはあいたぁの志があるきのう。あくまでもソウスケの主は路じゃきに。どがぁにわしに懐いて見えちょっても、あいたぁが忠心を誓うちょるがはわしやない。えいとこわしはあいたぁの師匠じゃな、大事なもんの護り方を教えちゃる大先生ちや。
ほじゃけど仔サモな龍馬は違う。心底からわしだけを見ちょって、わしに懐いちょって、わしに笑い掛けてくれゆう。わしを頼らんと何も出来ん程小んまいくせに、いっちょ前にわしを守ろうともしゆう。
しょうげに可愛えい。可愛えいてならん。
こがに可愛えいて賢い子に躾らぁていらんろう?とついつい甘やかしてしまいそうになるがが玉に瑕じゃけど。
あとは四六時中撫でとうなる。散歩も必要じゃち頭では理解しちょっても抱っこでえいろと思うてしまう…。
しょうげに夏の間だけの楽しみに限っちょってえかったちや。こがな親バカなわしがあがぁに可愛えい仔犬を手元に置いたら、絶対為にならんきのう…。
ほじゃけどもうちっくと。
あと暫くの間は堪能させとうせ。思いきりあいたぁを可愛いがれる滅多と無い機会じゃき。