山猫軒 再来
もしかして
わしには学習能力っちゅうもんが無いがか…?
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めっそう格好えかった。
あがな色男、まっことどこにも居らんち思いゆう。
あいたぁを肴に酒が飲めゆう。
あいたぁをおかずに飯も食える気がしゆう。
それ位前髪を上げたあいたぁの面が好きながよ。
まっことわし特攻。
岡田以蔵限定特攻。
しょうげに見るだけのつもりやったがよ。
あいたぁに博装を見せて貰うて、頭の先から足の先までとっくり眺めさせて貰うて、あのモファモファのコートでも触らせて貰うて、後はもうゆっくりとあいたぁの頭を抱き締めて、撫でて、撫でて、時々その額に口付けて、ほれからまた撫でて…。そうして今日を過ごせたらほれで満足しちょった筈なんに…。
今のわしはまたあの猟師気取りの阿呆共と同じになろうとしちゅう。
じっくり、こってり、下拵えは入念に。
香り付けは丁寧に。
火入れはコトコト茹でガエルが如く。
気付いた時にはもう何もかもが手遅れで。
あいたぁは確かに龍神の加護を受けちゅう男ながかも知れんけんど、蛟の気性も備えちょるに決まっちゅう。
わしがどがな顔をしちゅうかわしに見せたい、じゃと?
わしはおまんが今どがな顔して嗤うちょるか、おまんに見せとうて仕方ないちや!
くっっっそ愉しそうな面しよってからに、許さんきのっ!!