>>

「明日触れるからな。覚えとけよ」
　こんな風に言われて緊張しないでいられる人が居たら教えて欲しいわ。心の準備はできるけど、それよりもアンタに触られるのねって方に意識が割かれて居た堪れない、というか、だから、……ドキドキして落ち着かないのよ。アンタはなんだかにやにやしてるし、ばか。


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　ポップコーンは甘い方がデフォルトだと思っていたんだけど、レオナはしょっぱい方がデフォだって言って譲らないのよ。確かにソルトやバターテイストも美味しいけれど、ポップコーンと言えばキャラメルテイストでしょ。ま、なんにせよ食べ過ぎには注意しないとね。

>> 29ヶ月記念。

　寒くなると気分が落ち込みがちになってしまう。それが、アンタの足りてない毎日なら尚更のことよ。流石に長く過ごして居ればいつも平坦な道ばかり、とは行かないけれど、ちょっとあれは谷過ぎたわね。ああならないためにこうしたらどうかしら、ああしたらどうかしらって色々考えていたのに……何一つ活かせなくて本当、自分にがっかりしちゃう。でも見ていて、アタシきっと、アンタの隣に立つに相応しい人になってみせるから。いえ、寧ろアンタが焦って自ら自己研鑽に努めだすくらいの、とびきりの恋人になるわ。


>>

　アンタが忙しい毎日を過ごす中で、アタシもそれなりに忙しなく動いている。それでもアンタの居ない時間が増えたことで持て余す時間も同じように増えて……それが寂しさに直結している気もする。上手く時間を潰せる術を探してはいるのだけど、今のところはぴんとくるものがないのよね……。イデアにオススメされた巷で噂らしいゲームを始めても良いけれど、アタシ、一つのことに熱中してしまうタイプでしょ？　アンタを放っておくことになったら本末転倒だし、新しく始めることは慎重に選ばないとね。

　アンタと出掛けたいところが沢山あるの。したいことも、話したいことも。それを全てこなすには余りにも時間が無くて、いっそ一日が48時間であればいいのにと考えているくらいよ。……それなら、アンタがあちこち引っ張り回されたとしたって、ゆっくり休めるでしょ。アタシのことはその後でいいの。今はただ、アンタが心も身体も休めることができたら良いと願っている。

　アンタを愛してるわ。今月も、この先もね。何度だって言うから、もしも自信がなくなったら言うのよ。アンタはアタシの最高の恋人よ。29ヶ月、そばにいてくれてありがとう。


>>

　でも、もう少し肉付きが良くなったら、って何度も言われるからちょっと拗ねてやったわ。そりゃあ、アタシはアンタが今まで付き合ってきた女性たちとは性別も身体つきも違うもの、柔らかいところなんてそれこそ数えるくらいしかないけれど、……アンタを一番愛しているのは間違いなくこのアタシよ。ふん。

>>

　確保。デートの話。
　ああ、そうそう。先に補佐官とアイドルの二人へ。地獄から楽しそうなバトンをありがとう、次の休みにでもレオナと一緒にゆっくり答えさせて貰うわ。……地獄から、って一回言ってみたかったのよね、ふふ。


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　どこで言おうか迷ってここで、今日のデートって公園の方だったのね……？　この前の日記でとんだ勘違い発言をしてしまったことに気付いてとても恥ずかしい、ああ、もっとちゃんと確認しておくんだったわ……。


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　アタシが楽しみにしていると言えば、アンタはつれない素振りを見せながらしっかり準備をしてくれる。アタシがただのリップサービスかと思っていたことだってね。……まあ、あれは少し卑怯な物言いをした自覚はあるわよ。それだけアンタとデートがしたかったの。

　あれも、これも、アンタに着てみて欲しい服はそれこそ山のようにあって、あれでも絞った方なのよ。アンタは数着でギブアップしてしまったけれど、できることならもう十パターンは試したかったわ。……なんて言ったらアンタはもう二度とお買い物デートしてくれなくなっちゃうかしら。そんなことないわよね？　アタシが喜ぶなら、って尻尾と耳を垂らしながらでもきっと付き合ってくれるでしょ？　アンタ、アタシのこと大好きだものね。


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　その一週間後、ちょっとしたアクシデントはありつつも再び街に降りてその日は公園デート。普段の粗暴な振る舞いからは想像できないかもしれないけれど、アタシの恋人って実は王子様なのよ。実はね。普段のだっっっっらしない生活態度からは一ミリも想像出来ないかもしれないけど。……だから、少し強引だけど手慣れたエスコートを受ける度に、少しだけ……本当にちょっぴりよ？　ほんの少しの間、アンタとの経験の違いに思いを馳せることもある。だってアンタだけがなにもかもに手慣れていて、いつでも余裕たっぷりなんて……そんなのってとても、とても──とっても悔しいじゃない……！
　そんな、デートにはおよそ似つかわしくない微妙な表情でいたけれど、それもアンタの一言で容易く変えられてしまうのよ。いつまで経っても『ちょろい』って汚名は返上できそうにないわね。

　そういえば、恋人のマフラーを自分に掛けてもらう定番のアレ。今回機会があってしてもらったのだけど、すっごくデート感があって良かった。いかにもデートって感じでね、本当に良かった。……また機会があればどこかでしてちょうだい。アンタの体温が移ったマフラー、とても心地良かったから。
　で、デートの実感をしみじみと噛み締めていたら、アンタはなんだか複雑そうな顔をしていたけれど……あれは今更か、って呆れてたのかしら。それとも照れてただけ？　アンタの照れるポイント、未だに掴み切れないのよね。

　次は海、って言ってたけれど、それはまた今度……それこそ次の夏だっていいのよ。この先いくらでも機会はあるはずだもの。……ね、デート、付き合ってくれてありがとう。アンタと二人なら、どこに出掛けてもやっぱり楽しいわ。またワガママで振り回してしまうかもしれないけれど、……いえ、アンタはアタシに振り回されるのも嫌いじゃないもの。これからも張り切って振り回してあげるから、ついてらっしゃい、レオナ。