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┗728.a rootless grass(19-23/43)

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23 :鶴/丸/国/永
2024/05/14(火) 13:05

もち、もち。

先月だったか、生わらびもちとやらを主が土産で買ってきたのは。生とつく食べ物が各種流行っているようだが、あれらは一体なんなんだ?本当に生…生焼けだとか、そういうわけでもないんだろう。生くりーむ…?しかしあれらに総じて生くりーむが入っているというわけでも……いや違う、今はそこじゃない。まぁとにかくその日の八つ時はその生わらびもち、が振る舞われたんだが…。

なんだあれ、めちゃくちゃうまいぞ。

口に入れた途端とろりと溶けて消える儚さ、ほんのりと届く風味(わらび味ってなんだ)に和の王道とも言える黒蜜ときなこ。へたをすればくどい甘さが残る組合せだが、もち本体の儚さがすっきりと纏めてくれる。最高じゃないか…!

実は今までわらび餅というものにはこれっぽっちも心を惹かれなくて、試したことも数えるほど。恐らくよく万屋で見かけるような、弾力のあるやつはどうにも好みじゃなくてなぁ。稀に今回食べたようなとろけるものも口にしてはいたはずなんだが……いやぁ、赤疲労手前だったせいか心身に染み渡る驚きの美味しさだった…。生、というのは凄いな。

とはいえ主にまた強請るわけにもいかないし、と周辺からそれとなく調査してみたところ、そのときの品はたまたま出会しただけでいつでもまた買える代物ではなかったらしい。ならば、と行く先々でそれっぽいのを探してはひっそりと食べ比べていたんだが……今の所打率5割ってところか。好みでいつでも手に入る生わらびもち、未だ探索中だ。案外、光坊や歌仙手製のほうがすぐに理想に届くかもしれないんだが。どのくらい手間がかかるものかも分からないし、俺ばかり我儘を通すわけにもなぁ。何より一度知ってしまえばつい甘えてしまいそうだから、まだ暫くあいつらに頼らないつもりだ。…………まぁ、どうしても出会えなければ最終手段として、な。


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22 :ネ/ロ・タ/ー/ナ/ー(m/h/y/k)
2024/05/11(土) 21:30


週末の。


この間市場を覗いてきたらタルト屋にレモンとオレンジの爽やかな新作が並んでた。そういえば最後にレモンパイ作ったのいつだっけな、とか自然に考えちまうあたりすっかり魔法舎での暮らしに馴染んだもんだよなぁ、俺も。ちなみに最後はシノの誕生日だった。次の任務終わったらまた作ってやるかな。

レモンからの連想はもうひとつ、前に賢者さんから聞いたウィークエンドシトロンって菓子の記憶。言ってしまえばモノはただのレモン風味の焼き菓子で、その名の通り週末に家族や大切な相手と食べるとか何とか。その辺は賢者さんも聞きかじっただけらしくてよく知らないらしい。まぁそういう風習から名前がつくやつって色々あるんだろうけど、実際はどこにでもあるようなもんだったりするよな。……あ、そういやその話した後似たようなもん作ろうかって言ってたっけ。やべ、すっかり忘れてた…。明日のおやつはそれにしよ。

私信✉1455

✤騎士さんへ
すっ……げぇびっくりした、いつの間に。俺が覗いてんのバレてた?だとしたら先生にすげぇ目で見られそう。…いや別にヤバいことなんかしてねぇし疚しいことなんてこれっぽっちもねぇけど。……あー、じゃなくて。俺のなんかノートの切れっ端みたいなもんだし小っ恥ずかしいけどさ、やっぱ本棚入れてもらえんのは嬉しかったよ。ありがとな。朝飯に限らず食べたいもんは遠慮なくリクエストしてよ、なるべく叶えてやるから。



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21 :鶴/丸/国/永
2024/05/07(火) 01:10


Kakuho


筆をとったはいいものの、思いのほか睡魔が優勢だったようだ。明日の俺、任せたぞ。

✐0511

顕現してからこの方、おやすみ3秒で健やかな眠りには定評があるつもりだった。いつの頃からか眠りに入るのが少しばかり下手くそになってしまったらしい。人の身体というのは不思議なものだな。出陣やら内番やらがあれば嫌でも叩き起される起きるしかないし、それを見越してなるべく布団に入るようにはしているが、非番となれば夜更かしをしてしまう。それはそれでよくあることだし、昔に戻っただけでもあるんだが。いまひとつ調子が上がらない自覚はしている以上、出陣でへまをする前に持ち直さないとなぁ。
そんなようなことを書こうとしていた朧気な記憶はあるんだが、あのときの俺、合ってるかい。



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20 :フ/ァ/ウ/ス/ト(m/h/y/k)
2024/05/03(金) 01:49

五月


芽吹きの季節は冬に抑制された分活気に溢れていているようで、賑やかな精霊や人間たちに翻弄されるまま過ぎていく。年中お祭りが大好きな連中からすれば、どんな季節だろうと各々口実を見つけて騒ぐことも容易いんだろうが、僕には少し眩しい。

賢者の世界では、この時期に五月病という病が流行るそうだ。病という名こそついているが、医者の出番かと言えばそういうものでもなく。倦怠感だったりやる気が出なかったり、ようはこころの疲れ。もともと季節の変わり目で体調を崩しやすいことに加えて、新たな環境へ身を投じる機会が多いためにそれらを感じる人間が多いらしい。ひと月も経てば確かに多少は慣れてきた頃だろうし、気の緩んだ一瞬で疲労がどっと来るのもまぁ必然だろうね。

魔法使いならシュガーを食べたり、マナエリアを訪れたりして自分で調子を整えることもできるが、人間にはそういう明確な対処法はないから余計に苦労することだろう。たとえば纏まった休日があったとして、観光地へ羽を伸ばしに行けば同じ目論見の人間たちで溢れているのもまた必然で。……そう考えてみると、僕たちより余程短い人生だと言うのに難儀なものだ。だからこそその分身勝手になるのかもしれないが、それはそれ。

そんな話を聞かせてくれた賢者も、最近新しい環境…どころか全く違う世界へ飛び込んだうちのひとり。そんな厄介な病を吹き飛ばしてやれるかは分からないが、話の御礼に何か甘いもの……ひとまず、言葉の代わりに労いと励ましのこころを篭めたシュガーでも食べてもらおうか。あまり腹を満たしすぎても本命の美味しいスイーツが食べられなくなってしまうだろうから、ほんの数粒の煌めきを。


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19 :堀/川/国/広
2024/04/27(土) 15:54


現世のはなし

先日、兄弟に付き合ってもらって映画館へ行ってきました。僕らの本分とはかけ離れているから、迷ったんだけど……やっぱりあの地でしかもあれが登場するなんて聞いたら、ね。そんなわけで、兄弟に後押しされるかたちでお願いして主さんにも快諾してもらいました。

ネタバレ有✮

あんなにも厳重に守られていたはずの刀剣を転がしたり抜いて打ち合ったり、という容赦の無さにはなんというか…ヒヤヒヤ?ソワソワ?落ち着かない心地でした。勿論刀として使ってもらえるのは有難いことだけど、……あれはフィクションだからこそ、だよね。本来なら、たとえそれほど有名でない人の作だとしても、打ち合うどころか素手で触ることすら難しいんじゃないかな。

それはそれとして。

色んな作品であの人の面影を追うことはできるけど、この世界線の土方さんも素敵な方でした。何よりあの台詞を兼さんに聴かせたい。僕も何度だって聴きたい。僕らの兼さんが素晴らしいってこと、あの一瞬に詰まってたんじゃないかな。ああどうしよう、兼さん。映画館で見届けて欲しいけど、泣いちゃうかな
あと、直接的な殺傷能力はなくとも武器である以上、取り扱いには気を付けようと改めて胸に刻みました。なんとなく察してはいたけど、あの距離で本当に大丈夫だったの…?


兄弟もそれなりに楽しんでくれたみたいで、久しぶりに充実した非番を過ごすことができました。これから夏に向かっていくのも楽しみではあるけど、暑さに負けてしまっても困るし、過ごしやすいうちにまた兄弟を外に連れ出してみようかな。


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