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891.とりごや
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山/姥/切/国/広(刀/剣/乱/舞)
2025/02/02(日) 17:02
虚像。
変に眠れない日が、続いていた。悪い夢のせいで、一刻に一度、飛び起きてしまうんだ。……ここ数日のあいだ、夜が来るのが。憂うつで、怖かった。眠れていないせいで、精神が……参ってしまっていた。せまい道具箱の中に、ひと振りきり。ぎゅうぎゅうに、閉じ込められている……ような。そんな気分、だった。ひとに知覚されていない限り、この世に俺は……まるで、まったく存在していないかのようだった。幽霊か、なにか。そういう類に、変えられてしまった気分だった。……兄弟に、友刃に。同じ部隊の、仲間たちに。それから……好いた刀に、まなざされているときにだけ。俺の外側の輪郭は、まともな形になって。ひとの目に……なんとか、実像を結んでくれていた。
久しぶりに、いよいよ気が触れたんだろう……と。……そう、思っていたんだが。昨日の夜中に、そうではないとわかった。今回は……気の持ちようでは、なく。からだのほうの、問題だったらしい。安心して、一気に……ほっとして、力が抜けた。からだの手入れには……よくも、悪くも。しっかりと、慣れているからだ。
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