眠い。妙に眠い。オレは雨が降ったり、気圧が揺れるとすぐに眠くなる。国広には「…今日の南泉はよく眠るな。猫の日か？」とか言われたけどよぉ、誰が猫だっての。任務に行ってる化け物斬りが顔を出せる時間くらいは喋りたかったし、朝も見送りくらいは……と思ってたのにこれにゃ。ようやく目が覚めてきたと思ったら夕方。……おかしくねえ？一日寝潰しちまった。あたまがいたい。これだから人の身はめんどくせえ……顕現解いて、寝ちまいたい。

なんとなく鍵開けてみたのはいいけどよ、こう……そわそわしてきた。ずっと閉めたまんまだったから。

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……さて、落ち着いたというべきか、どう言うべきか。別にオレは、知ってたはずなんだよ。オレにもそういう存在がいるように、化け物斬りにも友刃と呼べるたいせつなやつがいるってことを。…でも、よりにもよって唯一非番が被る日にそいつを優先しなくたっていいだろ、って思っちまった。ゴールデンウィークみてえに長期非番が被るんだったらいいぜ、気にしねえよ。素直に行ってこいって言えた。……きのうは、昨日だけは都合が悪かった。

そもそもオレはアイツの周りにいる人の子にも刀にも一切興味がにゃい。どうでもいい。オレが関わることはねえし、悋気の対象だからにゃあ。逆に、化け物斬りもオレの周りにいるやつらのことは興味なんかねえだろ？「猫殺しくんには俺がいるのだから、他のやつのことなんかどうでもよくないかな？」とか言いそう。…っふ、いや、確実に言うにゃ。そんで、このセリフはそっくりそのままアイツに返したい。……お前にはオレがいるんだから、他のやつのことなんかどうでもいいだろ？分かってる、どうでもいいって切り捨てられるもんじゃねえって。でも……なあ、そう思っちまうくらい好きだってこと、にゃ。

別に、俺はきみに抱かれたいわけじゃない。どちらかというと俺がきみに触れていたい……でも、たまに触れられたくなるときがある。…はは、でも、叶わないものはしかたないかな。すこし悲しくなってしまったけれど、猫殺しくんが悪いわけじゃない。もちろん俺が悪いわけでもない。誰も悪くないんだよ。