夜の街を歩くのは疲れる。身の程を知らないマヌケ共が群がってくるからな。
早く帰って顔が見たい、とは口が裂けても言いたくはないが、しかしそう考え至るのはいっそ病にも似ている。
まったく、このディオをここまで狂わせるとは…恐ろしい男だ。ジョナサン・ジョースター。

己を顧みなければならない日となったが、まあそういう日もある。おれはこれから何をすべきか、何を与えられるか、日々自身に問いかけて生きていくことになるだろう。が、それは己への罰だ。こうして帰宅してから手を握れば伝わる熱を今更手放せるはずもないのだから。

ジョジョ、おれを見限らないおまえは相当なお人好しだが、それに幾度も救われている。柄じゃあないがその人の良さはおまえの美徳だ。
どこまで最低な人間、否 吸血鬼に成り下がっても手放すわけにはいかない。今宵も、これからの未来も、おまえだけに愛を囁こう。
大きく力強いその腕の中から逃れる術は、もう二度と存在し得ないからな。

初回の日記でマゾだということを見せつけているじゃあないか。フンッ、無様だな。
…とはいうが、ジョジョはベッドの上となると容赦もへったくれもない。そして無尽蔵だ。相手をしてやるこちらの身にもなれという話だが、まあそんなことを口にした所で止まるような男でないこともおれは知っているから言葉にもせんが。
唇を重ね始めたら合図。なんて、そんな流れがあるにはあるが…それを言うと常に身体を重ねていることになるな…。間違いでもないが、本当に何をどうしてあいつはこのおれを抱きたがるんだかな。よく分からん。

そしてべつに可愛くはない。

ディオは可愛い。
ディオはぼくに抱かれながら主導権を握ろうとしてくる。そんな所が堪らなく可愛らしいんだよね。
サディストの癖に抱かれたがりで、甘えん坊。そんなディオが大好きなんだ。
二面性というか、矛盾をいつも抱えてる感じがする。その儚い感じがぼくを駆り立てるんだ。
…いや、これはディオに振り回されてるなぁ…。昔から振り回されては彼の思い通りになってしまう。そんな彼の隣が居心地がいいなんて、父さんには口が裂けても言えないよ。

と、いう事だが…はてさて何を書くべきかな。こういう時は馴れ初め、とやらでも話すべきか？
とは言うが、ジョジョとはすでに五年の付き合いがあるからな…今更何をという話だ。

おれがこうしておれとして話す事になったのもきっかけはあの男なのだが、ことの他気に入ったらしいな。まったく散々可愛がってやっているというのに日記まで提案するとは、欲張りな義兄さんだ。
さて、これを書いている最中も構ってほしいとやかましいからな…そろそろ構ってやるとしようか。