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┗1089.SSスレッド(232-251/290)
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251 :
エピローグ2
2009/05/25(月) 20:44:50
まあ、自分で言うのもなんだが、無茶なことをしたものだ。
村長の呆れ気味な話しぶりにも、特に反論できそうもない。
ちらりと村長を見やり、聞いてみる。
俺「…アンタが診たのか?」
村長「怪我はともかく、衰弱は村の衆では診れんよ。」
俺「やっぱり、元同業者か…」
村長「昔な。
お前よりはもう少しお堅い勤めだったがね。」
俺「アンタ案外ナチュラルに感じ悪いな畜生コルア」
なんとなく、村の人間とは空気が違うとは思っていた。
多分アラセマ本国の人間なのだろう。
俺(…ひょっとしたら、宮仕えだったんじゃねえかな…)
まあ、今は聞くまい。
聞いてどうにかなるもんでもないし、怪我が治り次第去るかもしれない村だ。
俺は一つ息をついて、ベッドの枕に頭を埋め直した。
俺「まあ、礼は言っとく
あのまま死んでたかもしれねんだし。」
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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250 :
エピローグ
2009/05/25(月) 20:20:22
俺「…ん」
眼を覚まして見えたのは、老人の顔だった。
村長「お
気付いたか。」
なにか残念さを感じ、左手で鼻筋を押さえる。
村長「…どうした。」
俺「いや…
こう…
目覚めて見えたのが娘の顔とかだったりしたらなにかのキックオフ的な展開があるかなって、その」
だからってマヤに顔見せて欲しいとかはちょっと違うが、目覚め一発が老人の顔はちょっとキツい。
村長「なに訳のわからんことを…
体の具合はどうだ。」
俺「あー…?
いや、そりゃあ、良くはねーけど」
体中が、鈍く重い。
ロクに動かしてないから大した痛みはないが、この感じでは起き上がろうとすると盛大に軋むことだろう。
とりあえず、今はこの重さに従うことにする。
村長「ふむ
まあ、しばらくはそうだろ。
ワケわからんぐらいの打撲に、前腕裂傷、あと疲労の極地だったからな。」
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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249 :
匿名
2009/05/25(月) 10:23:49
まあ、どうするかはともかく、とりあえず小鬼編を〆てしまうことにいたします。
エピローグは少しの予定なので、もう少しだけお付き合いください
では、小鬼編、エピローグです。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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248 :
小説じゃないのに長文失礼します
2009/05/24(日) 10:12:59
<見ないでしょうけど上に追記>
あの……プロローグじゃなくてエピローグでは?
>>247いつも読ませて頂いています。
ほかの作者が投稿しやすいように、とのことですが、私が以前とある掲示板で使っていた方法を参考までに。
推敲も含めて小説を書き終わってもすぐには投稿せず、あらかじめ予告しておいた日に投下するんです。最新話を書いた時点で次回もほぼできていればすぐに予告できますし、いつできるか分からなければメドが立ってから予告すればいいわけで。
この方法なら、自分以外の作者も投稿していいタイミングが分かりやすく、「読者の皆さんは、人気作品じゃなくて自分の作品が投下されてたらガッカリするかな?」といった不安も感じにくくなります(←経験者)。
つまりは、いつ投下されるか分からない、という状況を変えるだけである程度の解決に繋がるのでは、という話です。
(ez/W62H, ID:dhg5H64EO)
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247 :
匿名
2009/05/23(土) 17:47:02
ありがとうございます。
あの…
感想を頂いた方々にお聞きしたいことがあるのですが、質問させて頂いてよろしいでしょうか…?
>>246>>245せ、先生?(汗)
いや…1話の、それも区切り区切りまで書くだけで、かなり時間がかかってレス数も使ってしまっていて…
このままでは、長時間スレを拘束してしまうかなと思うのです。
なので、SSではなく、独立したスレを作るべきかなと思うのですが…皆様どう思われますか…?
私も再編集失礼。
>>246様
だから先生…(汗)
その…このSSスレを保持する効果があるなら、書き続けるのは全く構わないのですが…私のこの書き筋が、その他の作家の方が出てくるのを邪魔しているのではないか?と思って…
>>245様がそう仰ってくださったので、SSスレを保持するために書こうかなと思うのですが…同時に他の作家さんが参入しやすくなるやり方がないかと思うのです…なにかありませんかね…?(汗)
>>248様
む、そうですか…
まとめて書き置き、時期を予告して…
実は、あまり事前に話をまとめていないんです。
ケツくらいは考えてあるんですが…できるかな
でも、やらなきゃですよね…
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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246 :
匿名
2009/05/23(土) 10:02:06
>>243、乙です。オッサンの恋の行方が気になってしょうがなさ過ぎる(笑)
>>247先生、何でしょうか?
追編集
>>245氏に賛成です。先生の他にも作家さんが現れたら時に考えてみる、という方向でどうでしょうか?
(ez/W31CA, ID:m4kmDDCiO)
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245 :
匿名
2009/05/23(土) 08:09:17
>>243乙です。
毎回楽しみにしています。
若者が格好良過ぎる!
>>247編集で失礼。なんでしょうか?
>>247更に編集で失礼します。
私はこのままで良いと思いますよ。
というか
>>247さんがいなくなったら間違いなく過疎って沈むと思います。
(ez/W47T, ID:u+kAUwptO)
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244 :
匿名
2009/05/23(土) 00:50:51
>>243乙です
楽しく読ませて貰ってます
村長の技の表現が的確過ぎる(笑)
(ez/W52SA, ID:5ZHJhoXEO)
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243 :
匿名
2009/05/22(金) 23:30:29
シメを前に、一度区切ります。
長々…すみませんでした…
書き込みたい方々、ご迷惑をおかけしました、どうぞー…
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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242 :
流転の結末19
2009/05/22(金) 23:28:38
村長「…!!
おいっ?!」
弾かれるように斜面を滑り降りる。
いつの間にか日は傾き、集落には木々の間から夕日が差し込んできていた。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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241 :
流転の結末18
2009/05/22(金) 23:26:33
奇妙な光景だった。
若者には誰一人として眼もくれず、全員があらぬ方向に散っていく。
叫び声もしない。
足音だけがドドドと地を揺らし、それでいてその中心であるここから全て遠ざかっていく。
いや、誰も若者に眼もくれないのではない。
全員が、若者に背を向けて走り去ったのだ。
眼をくれていたり叫んでいたり、そんな場合ではないとでも言うかのように。
少しの間もなく、小鬼は集落から全ていなくなっていた。
この終端に残るのは、高所から見る私と、片膝をつく若者と、地面に這う死体だけ。
どちらかと言うと…小鬼が去った今となっては、まるで私たちが死体の中で浮いているぐらいの比率となっているのだが。
村長「…
終わった…か」
私がそう呟いたその時
若者がふらりと地面に倒れ込んだ。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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240 :
流転の結末17
2009/05/22(金) 23:08:28
薄い風がさらさらと音を立ててそこらを凪ぐ。
少し前から、絶えず喧騒の中にあった村の終端のざわめきが収まり、その場の視線が全て若者に注がれている。
片膝をつくように身を沈めた若者。
その手元には、血溜まりが広がっている。
精妙に顎を打ち上げられ意識を脅かされ、無防備な状態で全力で叩き落とされた王の頭部はまるで熟れた果物がなにかのようにぱっかりと砕けて中身を撒き散らしている。
一見したらまるで挟み潰されたかのようなその頭部は、まるで巨大な生物に咬み潰されたようでもあり…
突き上げられ、そして今度は上から落とされる王のその様は、まるで
『龍の顎に挟まれ牙にかかった』
ようであった。
再び、風が凪いでゆく。
この再びの風を合図にでもしたように…小鬼達は、声も上げずに散っていった。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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239 :
流転の結末16
2009/05/22(金) 22:53:55
身を寄せる動き自体はまるで普通に歩くような気安いものだが、王の顎をすくい上げた腕からは先ほど蛮刀を受け止めた血が舞う。
しかし、そんな腕でも懐から立ち上がりながら、しかも王の腰が落ちながら絶妙なタイミングで打ち上げられている。
あれだけで脳を尋常でないくらい縦に揺らされ気絶しているかもしれない。
しかし、それで終わらない。
打ち上げた体勢から少しだけ前に体重を預けると、王の浮いていた体が顎を支点に冗談のように半回転する。
その光景に、遠き昔の日の記憶が脳に去来する。
村長(あれは…
『アイキ』か!!)
力の流れと骨格・反射など全ての生体反応を利用し精緻に相対する者を操る環の国の妙技。
いつか見た物とは違うが、その術理は過去に見たアイキそのものだった。
半回転し、頭を下にした王の体を…今度は『落とす』。
後頭部から王と若者の全体重を載せて落とされ
『ガコオォオン!!』
という音が、高く響いた。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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238 :
流転の結末15
2009/05/22(金) 22:37:02
村長(浅いか!?)
まるで雲上の『神々にでも化けた』かのように空を飛んで見せてまで距離を詰めてみせ、しかし、最後の一歩が足りなかったか…
そう私は諦めかけた。
しかし
『ズシ』
と、高くはないものの、鈍く重い音が響いた。
若者の掌は王の腹に当てられたままだ。
しかし、その距離から、若者はなにかをしたらしい。
王が、まるで大量の『水でも頭から落とされた』ように腰から崩れ、その姿勢を崩してゆく。
相手の重心に同調し、それを零距離打撃で精妙に崩したとでもいうのか。
もはや理論づけも追いつかない。
意識ははっきりしているのに、体が勝手に流れて言う事を聞かない…そんな表情でもがこうとした王の顎を
『ヒュカッ』
と若者が身を寄せながら真下から掌ですくい上げた。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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237 :
流転の結末14
2009/05/22(金) 22:23:49
理論として思い当たるのはこんな所だ。
だが、言うのは簡単だがとんでもないボディコントロールだろう。
とても信じられたものではない。
『ザン!!』
と若者が着地する。
と同時、若者の背後で護衛二匹が眼にボルトを突き立てて崩れ落ちるのが視界の端に写る。
膝を曲げて着地の衝撃を吸収した体勢から、跳ねるように飛び出し、王に対し踏み込む。
その踏み込んだ脚を
『ダン!!』
と強く地面に打ち込み、若者は腰から抜かれた王の蛮刀を踏ん張って根元で受け止めた。
切れ味悪い根元とはいえ、自分より体格の良い相手に肉厚の刃を打ち込まれ、受け止めた右手の前腕の甲からブシィと血が吹き出す。
対して若者は、余った左掌を王の腹に
『とん』
と軽く当てただけだった。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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236 :
流転の結末13
2009/05/22(金) 22:12:49
護衛の一匹の眼にボルトが撃ちだし、それを確認し切る間もなくクロスボウをひっくり返し、次の標的を照準し次第トリガーを引く。
命中したか確認もせず、若者へと視線を移す。
若者は素晴らしい跳躍で未だ中空にあり…それを臆病者の王がクロスボウで狙う。
跳躍の一番高い…つまりは重力と跳躍力が均衡し、動きの止まる瞬間を狙い、落下先を予測して王のトリガーが引かれる。
その射出されたボルトは…若者の体が急に
『空中で水平移動した』
ために虚空に撃ち出され、何処かへと跳び去った。
村長(飛ん…だ?)
正確には水平移動したのではなく、ジャンプの最大跳躍点から落下に移行せず、一瞬だけ浮遊を続けたのだ。
空中で脚を跳ね上げ伸身に入り、重心を上に引き上げて落下を遅らせた。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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235 :
流転の結末12
2009/05/22(金) 21:48:15
この手で不安が取り除かれたという確証が得たい。
もしそうできずとも、とりあえず異常が収まったということをこの眼で確認したい。
その欲求が、王に姿を現させた。
それこそ、臆病者の王であるが故にだ。
そうして、王を引っ張り出すため…若者は隠し通した。
『それ』を使えば臆病な王は絶対に姿を現さないだろうことを見越して、槍という『鞘』をまるで刀身であるかのように見せかけて…『鞘』を折らせてまんまと本命を引きずり出しだ。
そして、目標が姿を現したが最後、鞘を折って姿を見せるのは…
村長(あれが…
彼の、『本身』だ。)
動きを見れば分かる。
彼の得手は、槍や、どこぞの軍人でも使いそうな『普通』の格闘技ではなく…あの、精妙な無手技だ。
今この時、蛇の頭を取るために、彼はその『本身』を隠し通したのだ。
村長(つまり…
ここが勝負所ということだな。)
私は、クロスボウのトリガーを引いた。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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234 :
流転の結末11
2009/05/22(金) 21:30:55
いくら強打を入れても、体のどこか動けばとにかく己の命も省みずこちらを殺しにかかってくる。
そんな悪夢のような存在を前にすれば、もはや動かなくなったと確かに確認できるまでとことん殺し尽くさなくては、とても安心などできない。
そうして、己の身を斬らせて恐怖に追い立てられた狂乱の中に群れを叩き込み、最後の最後…若者は武器まで失ってみせた。
だから、王が姿を見せたのだ。
前線に立たずとも、自陣を蹂躙している狂乱は隠れた者にも伝染している。
しかし、臆病者の王はそれでも姿を敵には見せない。
例え殺し尽くさなくては不安な悪魔のような相手でも、自分の身に危険がある間はけして姿を現さない。
しかし、その悪魔から命を奪う牙がもがれた時、王の中に残る不安は敵に姿を見せる命の危険がなくなり、悪魔を殺し尽くした確証が欲しい…そのただ一つのみとなった。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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233 :
流転の結末10
2009/05/22(金) 21:15:37
指揮官を潰す。
なるほど、よくよく考えれば、自陣が劣勢ならば当たり前の事だ。
しかも相手は蛮族のリーダー。
倫理の無い集団の中で支配者でいるには、少なからず実力がなくては集団を従わせることはできない。
つまりはその集団で一番の実力者を、しかも1対1どころか完全包囲の中から狙って討ち果たされたならば、もはやその集団は成す術もなく瓦解するだろう。
しかし、小鬼の王とは、すなわち臆病者の王である。
実力がなくては集団は従わないが、同時に己の保身に一番長けた者なのだ。
その姿は、襲撃されていた被害者である我々集落の者も見たことがなかった。
普通に抗戦しても恐らく王は姿を現さない。
だから、あんなにも殺したのだ。
小鬼からしたらまるで魔神かなにかのように、敢えて煽り立てて殺しに殺しまくり、もはやこいつを生かしてはおけないというほどに自分を憎悪させた。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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232 :
流転の結末9
2009/05/22(金) 21:01:28
その急に現れた『連壁』に隙間の最後尾の小鬼が弾き返され、とうとう楔が包囲の底を撃ち抜く。
その弾き飛ばされた最後尾の小鬼を踏みつけ…というか踏み砕いて足場にし、若者が指揮官鬼と自分の間にあった手近な岩に駆け上がる。
バッ!!
とそのてっぺんから跳び…若者は指揮官鬼に踊りかかった。
若者が包囲を抜けたのを見て、護衛の二匹が剣に手をかける。
私は悟った。
村長(初めから…狙いはこれだった…!!)
殺し尽くさなくては、小鬼の略奪は終わらない。
だからと言って、犠牲を覚悟で村が総出で小鬼を迎え撃っても、小鬼は被害が出ればすぐ逃げ出してしまう。
だが一人で迎え撃てば、小鬼は被害を出してもなまじ相手が単体なため引くに引けなくなる。
しかし、包囲された状態で一人で小鬼を皆殺しにするのは無理なのだ。
ならばどうするか。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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