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┗163.クリボージャー、そしてゲームレンジャーへ(622-641/1000)
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622 :暇人大魔王
2021/06/06(日) 18:15:17
さすがにそればっかりにはしませんよ^^
14話ではスポーツゲーム戦
15話では幹部戦
16話では新手の戦い方をするジューミン現る
17話か18話ではもっかい巨大戦メインやろうかな
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623 :暇人大魔王
2021/06/06(日) 23:38:48
ダメだ、戦闘シーン第3者視点でしか書けない...!
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624 :暇人大魔王
2021/06/07(月) 08:06:19
『ビデオ戦隊ゲームレンジャー~Lv14 テニスのエースは俺だ~』
ここは任天ケ丘高校。
土曜日の体育館では千博の所属するバドミントン部が練習している。シャトルを打つ音が気持ちよく響いている。
顧問「大会まで時間ないぞ~一発一発大事に打てよ~!」
部員たちがそれぞれシャトルに目を向けながらも気合いの入った返事を返す。
太陽が空の頂点に昇った頃、3時間に及ぶ、高体連のための猛特訓は終わった。千博は一緒にダブルスを組んでいる尊流と体育館を出た。
「あれ、千博じゃん!」
玄関付近で同じく部活終わりの涼、信穏と遭遇。文化部と運動部じゃ、服装も違えば明らかに汗の量も違う。
「部活大変だね...明日もあるんでしょ?」
「明日は練習試合な。南夢高校が強いんだよなあ~」
「団体戦でも、地区代表を取ったり取られたりだからなあ...」
今年はどうなるかなーっと千博と尊流は目を合わせる。
「大丈夫!千博たちめっちゃ練習頑張ってるし、緊張とプレッシャーなんかに負けないっていう気持ちさえあれば!」
と一歩前を歩いていた涼が高らかに答えた。
「アイツああいうのはうまいからな」
涼は3人に笑われた。
その後も通学路が分かれるまで大会って6月の終わり頃なんだっけ?とか先輩ももうすぐ引退なんだなーとかそんな会話を交わしながら4人で歩き、尊流が1人バスに乗って別れた、その時。
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625 :暇人大魔王
2021/06/07(月) 08:06:47
『〈周合テニスの森〉にGWCの襲撃があった!すぐ向かってくれ!』
3人のゲームチェンジャーに学から通知が来た。
「よくテニスの大会の会場になってるとこだよね?」
「こっからだと遠いよな...」
信穏と千博は送られてきた地図を覗き込み、涼はバスを確認した。
「3分後にテニスの森行けるバス来るやん!ツイてるう!」
3分後
「そろそろ来る?」
「もう3分だったかもう来てもいいと思うけど...」
バスは来ない。
さらに3分後
「...バス遅れてんのかな」
「急いでる時に限って遅れるなー」
バスが来る気配もない。
さらにさらに3分後
「まだ来ないのか!?」
「おっかしいなあ~」
涼が時刻表と地図を交互に2回ずつ見て、
「あ!見間違えた!2分前に行った別のバスがテニスの森行きだ!」
「おい!」
千博に軽くどつかれた。
10分後
「いや~、別のバスもテニスの森経由しててよかったあ~」
「ホントはもっと前に乗れたはずなんだがな」
ほとんど3人以外に人が乗ってなかったので、荷物を置くために1人2席ずつ取り、前から千博、信穏、涼の順で座った。
信穏はスマホでテニスの森についてのツイートをチェックする。
「やっぱり話題になってるね。『ここのコートにはバケモノがいる』ってさ」
「ジューミンがいるんかな?」
画像を見てみるが、Bボタン兵とXボタン兵しか見当たらない。
「あれ、雑魚だけ?」
「だといいけど...」
千博が信穏のスマホから目を離すと、後ろの涼が目をつぶって首をコクコク上下させていた。
「...寝んのはやっ」
『周合テニスの森前~、周合テニスの森前~』
信穏「起きて、着いたよ。」
「え...も~着いたん...?」
大通りから少し中に入った所にある、公園とセットになっている〈周合てテニスの森〉。中高生が大会や練習試合などでよく利用している。
そのうちの1つのコートの近くには20人ほどのXボタン兵。さらに近くにある建物の中にもちらほらBボタン兵が見える。
3人の姿を見るやいなや、たくさんのXボタン兵が気づいたようでこちらを向いた。
「む、お前らは!」
揚々と3人はゲームチェンジャーを差し出し、構える。
「「「電源、オン!」」」
「ゲームレッド!」
「ゲームイエロー!」
「ゲームグリーン!」
「「「ビデオ戦隊、ゲームレンジャー!」」」
信穏は建物の中のBボタン兵を、攻撃範囲の広い千博と涼はテニスコートのXボタン兵を相手することにした。
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626 :暇人大魔王
2021/06/07(月) 08:07:03
「これはヒドイ...」
受付センターや休憩所のような役割を担うこの建物は、Bボタン兵たちおよそ20人によって金庫を荒らされたり中の用具を壊されたり、やりたい放題だった。
「バイトソード召還!備品を壊さないよう慎重に...」
まずカウンター付近にいるBボタン兵に一太刀。続いて事務室のような場所に入る。精密機械なども多く道が狭いため剣は危険。普段あまり使わないがビットガンに切り替え1人1人狙い撃つ。
「おらー!」
叫び声がして後ろを振り向くが遅かった。ようやく処理しきれた頃に後ろからBボタン兵3人に殴られまくる。
「ぐぐっ...バイトソード!勇者の剣・昇天抜!」
バイトソードの召還、RPG剣士能力の解放、そして技を繰り出すのを2秒で終わらせる。3人のBボタン兵は真上にすっとび天井に頭をぶつけそのまま消滅した。
「回転斬り!」
そのまま比較的開けた場所である休憩スペースに突入。
「三段斬り!」
我が物顔でベンチでくつろぐBボタン兵、自動販売機をぶち壊し漁るBボタン兵、1人残らず斬り捨てる。
「...ここに隠れてれば...」
窓際にあるデスクの下に気弱なBボタン兵が1人隠れていた。
「閃光刃動!」
当然それも逃がさない。
信穏は一仕事を終え建物から出た。幸運にも一般人は全員脱出していたようだった。
「ここは我々が占領した!お前らには渡さない!」
「ここは町のみんなもの物だ。お前らには渡さない。コマンドアクション!」
上からの攻撃を試みるが上に向けた盾で衝撃を吸われる。
「めんどくさいなー。ウェポンチェンジ・ハンマー!」
1体に狙いをつけ大きなハンマーを振り下ろす。これでやっと盾を破れる。
「ファイアマジック!」
涼のステッキから炎が放たれるも、これも盾の前に攻撃は無意味。
「やっちまえ!」
攻撃が効かないなら一方的に殴り放題と踏んだか、攻撃時の動きが少ない涼を集中的にボコしてきた。
「隙アリ!ハイスピードクリア!」
相手が涼を狙った隙に背後から攻める作戦は成功だ。
「ボルタMAX!」
今度はゲームイエローの魔法。Xボタン兵だって後ろだけを守れない。盾で防ぐしかない。
「八方スピンバースト!」
そして後方からXボタン兵たちを効率よく散らしていく。
その場に残ったのは残り5人。最後の抵抗と盾を構えたまま特攻してくる。
「ボンバークラッシュ!」
爆炎が5人の盾を吹き飛ばす。そして炎と煙が消えたと同時に攻撃を合わせる。
「ウェポンチェンジ・ブーメラン!」
高速で飛び回るブーメランが5人のXボタン兵を一掃した。
「ようやく目が冴えてきた!」
「やっとか」
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627 :暇人大魔王
2021/06/07(月) 08:07:42
「おのれ、ゲームレンジャー...この俺が叩き潰してやる...!」
突然の声がしたのは、前でも、後ろでも、右でも左でも上でもなく...
「下!?」
真下に目を向けると、突如芝生のテニスコートに、真四角の目と、鼻と、口が現れた。なんとテニスコート自体がジューミンとなっていたのだ。
「ぅわ~!?」
「俺はジューゴ。このテニスコートを乗っ取り、遊びに来たやつを連れ去る優秀なジューミン様だ!」
四角い口をパクパク動かしでかい声でしゃべる。
3人が呆気に取られているなか続けるジューゴ。
突如ネットの向こう側に真っ白い直方体のブロックが現れた。
「誰か1人、俺とテニスで勝負だ!勝てば俺を倒せる。しかし負ければお前ら3人をGWCに連れていく!逃げられると思うなよ。お前らは俺の体の上にいるんだしコートを囲む高い柵も体の一部だ。」
「卑怯な...!」
「俺がやる。」
信穏が焦る中、千博が自ら名乗り出た。
「ほう...さすがリーダー...勇気あるじゃねえか」
「千博、大丈夫?」
「俺はテニスと同じネット競技のバド部だ。ちょっとはできるさ。」
早速ラケットとボールを手に取りやる気満々だ。だが、
「意外とテニスのラケットって重いんだな...」
「だ、大丈夫...?」
「千博ー!やっちゃえー!」
涼は既に応援モードに入っていた。
「お先にサーブどうぞ」
ジューゴは目、鼻、口を引っ込めて白いブロックだけを残した。これがラケット代わりらしい。
「いよっ!」
ボールを高く上げ強烈なサーブを打ち込む。フォームは割としっかりしている。
「やるじゃんか。」
白いブロックはそれを易々と拾う。触れただけだがしっかり打ち返せている。
「間に合えーっ!」
ギリギリながらもバックハンドで返し、千博にポイントが入る。
「...よし!」
15-0
「ナイスー!」
「さすがー!」
応援陣(これでも戦隊のメンバー)も大盛り上がりだ。
「スピードアップだ。次は俺がサーブを打つ。」
「え。」
地中から筒のようなものが飛び出し。ボールを浮かせる。ブロックも空中までボールを追いかけ、触れると、
「うおっ!?」
千博のサーブよりもさらに速い。拾うのでやっとだ。
「リターンエースはさせないぜ。」
反対側に打ち返され同点に追い付かれる。
15-15
次は千博のサーブ。
「リードはさせないぞ!」
「それはどうかな?」
相手の球速が速い。なかなか攻められないでいる。
「スマッシュ!」
「くっ...」
ライン際ギリギリに入れられた。
15-30
「もう一発スマッシュだ!」
15-40
「アイツ強い...勝てねえ...」
ボールが速すぎて追いつけない。千博は疲労も重なり焦る。
「がんばれー!負けるなー!緊張とプレッシャーなんかに負けないっていう気持ちさえあれば!」
応援陣の涼が叫ぶ。
「そうだ!一球を大事に!集中集中ー!」
2人からの激励を受け、再びラケットを強く握った。
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628 :暇人大魔王
2021/06/07(月) 08:07:56
あのジューミン相手に普通にテニスをやっては勝てない。何か自分にしかできない戦い方は...
「...よし!サーブいくぞ!」
正確にラインギリギリを狙う。だがその程度で点を取られるようなジューゴでもない。
「まだまだ甘いな!」
さらにスピードを上乗せして返してきた。
「取った!」
「どうかな?
ハイスピードクリアーテニスver!」
「へ?」
なんとボールが戻ってくると同時に加速、余裕で打ち返した。しかもその球も速い。ジューゴが打ち返すのよりさらにスピードアップしている。相手はそれを拾えなかった。
30-40
「いいぞ~!そのまま同点だあ~!」
今度はジューゴがサーブ。
「サービスエースで決めてやる!」
「何の!」
ボールは大きく弧を描き、ジューゴにチャンスボールを与える。
「ゲームセットオオオ!」
強烈なスマッシュ。瞬きする間にすぐ目の前まで飛んできた。
「ハイハイハイジャンプ。」
自コートでバウンドしたボールは勢いよく跳ね上がる。しかしそれについていく。
「嘘だろっ!?」
「よいしょ!」
バックハンドでそっくりそのまま打ち返した。
40-40
「デュースだ!ナイス!」
応援陣も湧いている。
「やべえ...この俺が...負けるのか...?たかがバド部の高校生に...?」
ジューゴ、ビビりまくりでブロック震えまくりだ。
「逆に俺がサービスエースしてやんよ!」
「させるかあっ!」
ビビっていても実力は保たれるジューゴ。しかし千博もいとも簡単にボールに追いついている。
「八方スピンバーストテニスver!」
一回転しながらのショット。でかいブロックをもってしても返せない。
ad-40
「くそっ...千博はもうマッチポイント...落とせねえ!」
渾身のサーブ。千博も加速で打ち返す。ロブショットだ。
「やべっ!」
白いブロックも慌てて急浮上して弱めに跳ね返す。だが逆に千博に取ってチャンスボールが回ってきたことになる。
「ファイナルスマッシュバースト!」
千博のラケットは必殺技の赤いオーラに包まれている。打った球は炎をまとい後ろの柵を突き破った。
「な...!」
「やったー!!」
千博より涼の方が喜びを露にしていた。信穏と一緒に飛びつく。
「えーい、お前らもろとも、GAMEOVERの爆発に巻き込んでやるわ!」
「マジか!やっべ!」
涼と信穏は焦るが千博だけは落ち着いている。
「俺の手に掴まりな。」
言われたとおり、訳も分からず腕に掴まった。
「マッハダッシュ!」
コート上も一瞬のうちに走り抜ける。そして先刻の千博のスマッシュが柵に開けた大穴を飛び抜け、爆発を免れた。振り向くと、ジューミンは跡形も無く消えており、元のキレイな芝のコートが残っていた。
3人は一息つき、変身を解こうとしたが大通りの方から誰か走ってきた。
「みんな~!遅れてごめん!ジューミンは...?」
怜奈だ少し後ろに翔もいる。
涼「千博が倒しちゃったよ!カッコよかったな~...あ、動画撮っときゃよかった!失敗したあ...」
「だね。」
涼と千博は目を合わせて笑う。
「何があったんだ?」
「後で話すよ。」
5人は再びバスに乗って帰路についた。
「てかウチらの出番なし?」
GWC本部
「もー我慢ならねえ!」
カフェで半発狂状態になっているのは幹部のロクシ。
「おおお落ち着いてくださいロクシ様!」
Xボタン兵が制止に入る。
「うるせえ!お前らがポンコツなのもわりーんだろうがよ!」
ロクシは制止を振り切り下の階へとずんずん降りる。
「...どこ行くんですか?」
「決まってんだろーが!俺が直々にゲームレンジャーを潰しにいく!」
「ええっ!?」
「...本当に行くんか?」
「あ?」
枯れかけの声が聞こえた。声の主は...
「テラー師匠...!」
カラフルな長髪にカラフルな服。小柄なメガネのオッサンだ。
「ワシは心配なんだよ...お前なら勝てると信じてはいるが、やはり...万が一だ。大事なたった1人の弟子を失いたくない...。ワシもついて行こうか?」
ロクシはオッサンの肩にポンと手を乗せる。
「心配はいらねえ。俺が誰に稽古つけてもらったと思ってる...?他でもない、世界一尊敬する男、テラー師匠だ。気にすんな。オーバーキルはしねえよ...。」
そう言い残してロクシは暗い階下へ去っていった。
その一連の会話を階上で聞いていた男がいる。カフェでみんながグループを形成し談笑のふけるなか、たった1人窓際に立ちコーヒーを飲んでいる男だ。その男はテラーの元を後にするロクシを一目だけ見て、
「へえ...ロクシ君行くんだ...」
再び窓の外に目をやった。
「...じゃあね。」
ーCLEARD!ー
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629 :げらっち
2021/06/07(月) 16:50:48
やっと味が出て来たなー
テニス未経験の千博が難なく勝つのはやや強引だけど
読みやすくなったのは、アドバイスしてきた甲斐があった
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630 :暇人大魔王
2021/06/07(月) 17:34:32
あ、いいの、これで
特別いつもより手応えあった訳じゃないけどw
やばいわかんない
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631 :暇人大魔王
2021/06/07(月) 18:25:11
>>629どの辺がいつもよりよかった?
読みやすかったのは戦闘シーンの描写がってこと?
ちなみにせっかくゲームレンジャーやってるので今回のスポーツゲーム回的にたまに普通の戦闘以外も挟む予定でーす
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632 :げらっち
2021/06/07(月) 20:57:59
よかったというより致命的な欠陥が無かったかなと。
味が出て来たっていうのは型にはまって来たってこと
型破りはまだ無理そうね
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633 :暇人大魔王
2021/06/07(月) 21:54:41
まあでもありがとうっす
とりあえず土俵には乗れた
15話執筆中
ロクシ戦だぜ
17話以降何やるかもほぼ決めてないからどうしようかなー
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634 :暇人大魔王
2021/06/11(金) 00:05:22
『ビデオ戦隊ゲームレンジャー~Lv15 GWC幹部・ロクシ~』
日曜日、駅前で友也、尊流、孝と待ち合わせしていた。電車移動の後図書館で勉強会の予定なのだ。
「あ、来た来た!」
先に着いていた千博は5分ほど待ち時間があったが、流れるように友也も尊流も孝も到着した。
「よし、じゃ行くかー」
4人とも勉強道具を持ってきているためリュックだ。
さすがに休日、人の流れが多い。図書館へは電車で約20分。改札を抜け、発車2分前の電車に乗り込む。
4人は電車の中では静かに過ごす。千博は時折スマホを見たりしていたが、尊流はずっと英単語帳を眺めていた。何とも真面目だ。
『次は~、阿祖美町図書館~阿祖美町図書館~』
「お、着いたっぽい!」
そのまま電車を下り図書館へ直行。自習スペースを4席確保した。
千博「ここ分かんないんだけど(ヒソヒソ)」
数学の問題集を3人に見せる。方程式の応用だ。
孝「あー俺も分かんないっす無理っす」
友也「え、これムズすぎてギブしたやつだw答えどうだったっけなー」
尊流「声でかい。(ヒソヒソ)」
「ごめん」
「あーこれは一旦平方完成して...(ヒソヒソ)」
尊流が5分かけて教えてくれた。
「ところで明日物理ノート提出あるらしいよ。うちの先生が持ってるクラスは(ヒソヒソ)」
「えっ、マジすか!?」
「え、知らなかったの?」
「声でかいって(ヒソヒソ)」
「...すません」
「声でかい警察だ...」
4時間後
図書館から出てきた4人。
千博「いやーお陰で数学の問題集テスト範囲終わったわー」
尊流「声でかい警察7回出動したけどねー」
孝「あれはマジで申し訳ないっす」
友也「じゃ、帰るかー」
再び電車に乗る。ここでも尊流は単語帳を眺める。真面目だ(2回目)。
『阿祖美中央駅~、阿祖美中央駅~...』
「お、着いた着いた」
既に夕方。6月なので日は落ちてないが、うすーく空の端がオレンジ色になっている。
帰宅の人の波に乗り駅の構内を出た、途端、
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635 :暇人大魔王
2021/06/11(金) 00:05:43
耳が飛ぶかと思うような轟音、そして視界を真っ白にさせる光。千博はその正体がすぐに分かった。
「...近い!」
そしてワンテンポ遅れてゲームチェンジャーに通知が来る。
光が収まると、相手の姿を視認。長身でムキムキの人間の男だ。その周りを野次馬が取り囲んでいる。2/3くらいの人はスマホを片手に持っていた。
「ジューミンか...?ABXボタン兵は...?いない...」
野次馬がいつつも何とか状況を把握。変身するには人混みを避けないといけないので、3人に断ろうとした、次の瞬間。
ガシャアアアン!
何かが崩れるような音だ。一瞬男から目を離したため何をしでかしたのか分からなかった。だが、訳も分からず周りを見渡すと、野次馬たちは一目散に逃げ出しており、砂ぼこりとともにコンクリートが転がっている。駅の建物を破壊したらしい。友也は無事だ。孝も。だが、尊流はというと、コンクリートの破片が足を直撃したらしく、うずくまっていた。
「!?大丈夫!?」
逃げ遅れた4人に男が迫る。
このまま変身して戦っていいのか...だがゲームレンジャーは正体をバラす訳にはいかない。
千博は判断できずにいた。
男はどんどん迫る。孝も友也も、尊流も汗びっしょりだ。
すると、その男はようやく立ちあがった尊流を蹴り飛ばした。
「お前に用はねえ。どけよ。」
「ああっ!」
「分かるよな?用があるのはお前だよ。」
完全に千博を指差している。
もう目と鼻の先まで迫った巨漢の男。力無く仰向けに倒れる尊流。千博はついに1つの決断を下した。
「友也、孝!尊流を頼んだ!110番通報と119番通報もしてくれ!俺は助けを呼んでくるから!何かあったら尊流を連れて逃げろ!すぐに戻る!」
野次馬が逃げた方向へ走る。友也と孝はおどおどしながらも尊流の元へ駆けつけた。
千博はひたすら走り、人がほぼいなくなった通りまで出て、
「お前...絶対許さねえぞ。何者だ?」
「教えてやろうか...?ゲームレッド...。」
お互い睨みあっていると、奥から人の声がする。
「千博!お待たせ!」
翔と涼、信穏に怜奈だ。
「面白え!ゲームレンジャー5人がこうもうまく集まるとはな!」
男は待ってましたの大歓迎だ。5人にぐるっと囲まれているというのに。
「「「電源、オン!」」」
5色のピクセルが宙を舞う。
「ゲームレッド!」
「ゲームブルー!」
「ゲームイエロー!」
「ゲームグリーン!」
「ゲームピンク!」
「「「ビデオ戦隊、ゲームレンジャー!」」」
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636 :暇人大魔王
2021/06/11(金) 00:06:19
『聞こえるか、みんな!』
ゲームチェンジャーからの声の主はもちろん学だ。
『アイツはジューミンなんかじゃない...GWCの幹部の1人...ロクシ...!』
「幹部だと!?」
男はそれを聞いて数回拍手した。
「大当たりだ。さてはその声、ゲームレンジャーのクソ開発者だな?残念だがお前の道具たちは今日でおさらばだ。幹部のロクシ様が、直々に壊滅させてやらあ!」
千博たち5人は各ゲーム能力を解放、一斉に構えた。
「縦横無尽!」
ロクシがそう叫び、手をバッと前に出す。すると駅に散らばっていたコンクリートの瓦礫が10、20と飛んでくる。
「!?」
5人はそれを急いでかわしたり攻撃で受け流したりした。
千博も3つほどの破片をバイトソードで斬る。斬り終わったがロクシの姿が無い。
「ノロマめ。」
振り向くと同時に腹を蹴られた。この一瞬で真後ろに移動していたのだ。
「ぐっ...!?」
やはり幹部、そんじょそこらのジューミンとは違う。蹴りだけで千博を5mもふっとばした。
「ファイアマジック!」
「迅速突き!」
「ミュージック・スタート!」
イエロー、グリーン、ピンクの3人同時攻撃。これを捌けるはずが、無かったのに。
「全反射!」
炎は来た軌道を逆戻り。信穏と怜奈は剣を持ったまま後方に吹き飛ぶ。
「あちちちち!」
「大丈夫か!」
あわてて千博は3人の近くに駆け寄る。ロクシは嘲笑した。
「甘えんだよ!俺は空間を操作できる。おめえらの攻撃は無意味、その辺にあるどんな重いものだって俺の攻撃のための道具となる!勝ち目はねえ!」
だが千博はその言葉を聞き、ハイハイハイジャンプで空高く飛ぶ。
「空からならどうだ?バーストファイア!」
「どんな攻撃も、どこから来ても、全てを無に帰す。全反射!」
真上からの炎は真上に帰る。
「うっそ!」
「連発はできねえな?さては。」
そこにゲームブルーだ。素早い動きでコンマ数秒で近づく。得意の瞬足ステップ&アッパーだ。
「ヌルい!」
なんとロクシ、両手で翔の一撃を受け止めた。ようやく地上に着地した千博は唖然だ。
「パワーがぶっこわれてやがる!」
「止めるな止めるな!回転斬り!」
信穏もすぐさま加勢。ロクシは今両手がふさがっており技が使えない。チャンスとみた。
「チッ、」
だが突如姿を消す。翔も信穏も力のやりどころがなくズッコケた。
「それなりにはがんばるじゃねえか。」
なんと2階建ての民家の屋根までひとっ飛びしていた。すぐ近くにいたはずのロクシを、今は見上げている。
「無駄なのによ、そんなに頑張って1つでも意味あるかあ?どうせゲームレンジャーは滅びる。幹部だって俺だけじゃねえし。さっさと降参した方が、身のためなんじゃねえのか?
縦横、無尽!」
ロクシの立つ家の庭には車が3台。そのうちの1つ、ステップワゴンがなんと宙に浮く。千博めがけて山なりに飛んだ。
「パワーありすぎだろ!」
間一髪、スレスレでかわした。
「まだまだいくぜ!」
残りの2台も、5人を正確に狙い襲いかかる。
「い゛い゛っ!」
翔と涼の足がタイヤに当たった。運良く潰されなかったが車の重力は強すぎた。激痛が走る。
「なんとかしないと...」
3人でビットガンを撃ちまくる。まともには避けきれない数だ。
「撃てば撃つほど、不利になるぜ?全反射!」
弾丸が全て跳ね返る。自分で撃った弾が、信穏と怜奈の腕に直撃。
「押しきれ!全反射は連発ができない!」
「全反射は無理でもこれならできるんだよなあ生憎。縦横無尽!」
郵便ポストに道路標識。ぐるぐる回転しながら千博1人に狙いを定める。
「コマンドアクション!」
攻撃している余裕はない。今は目の前の凶器から避けるのみ。そのためだけに技を使用した。ポストや標識も同じくらいのスピードで後を追っている。
「速い...!」
「そっちばっかに気を取られてると...」
「!」
目の前にロクシが降り立つ。
「よくないぜ。」
顔面に拳で一撃を食らう。がくっと膝を折り倒れた。
[返信][
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637 :暇人大魔王
2021/06/11(金) 00:06:46
「へっ、チョロいもんだったな...あとはコイツらをGWCの本部に...」
...と、ロクシは後ろを振り返る。すると、
「デストロイスマッシュ!」
ゲームブルーだ。拳を振り上げ突進する。
「全反射。」
勢いそのまま反対側に突っ込む。しかしその影から現れたのはゲームイエロー。
「ボルタMAX!」
全反射は連発できない。だがロクシは身軽にも回避。
「断罪断邪!」
上からゲームグリーンの斬撃。後退でかわされた。
「サイコロ分身ー!」
4人になったゲームピンク、バイトソードを構え一斉に飛びかかる。ロクシも瞬時に反応しまた後退するが、先頭のゲームピンクが切り傷を作らせる。
「チッ、」
ロクシは反撃のチャンスをうかがっている。しかしゲームレッドが見当たらない。
「...上か!」
ゲームレッドは空高く飛び上がっていた。足にはオーラが輝く。
「神業アクション&ファイナルキックバーストー!」
猛火とともにロクシに強烈な蹴りを食らわせた。ロクシは近くのコンクリート塀を突き破りふっとんだ。
「...てめえらー!」
なんという生命力。すぐさま瓦礫の山から飛び出す。
「まだまだだー!」
5人一斉にビットガンを連射しまくる。狙いを外してもお構い無し。手数で攻める。
「もう使えんだよ!全反射!」
全ての弾が跳ね返される。だが千博には策があった。
「頼む!涼!」
「オーケー!スターリングゲート!」
ステッキにオーラをまとわせ繰り出す、巨大な星の輪。ビットガンの弾はエネルギー判定。全て吸収した。
「うざってえ!縦横無尽!」
その辺の道端にある看板やベンチ、捨ててある粗大ゴミなどありとあらゆるものを飛び道具に仕掛けてきた。全ては避けきれない。いくつかは5人にかすり、時に直撃する。それでも止まらない。最低でも常に1人、誰かは進み、攻撃を続けた。
「撃て!切れ!途切れるな!」
ゲームブルーがバイトソード片手に特攻。
「全反射!」
無論はね除けられた。しかし、それからワンテンポ遅れて、ビットガンの弾がロクシの腹にヒットした。
「!?」
「甘いな。」
ゲームレッドだ。ロクシとは反対側に銃口が向けられていた。完全に背中をロクシに見せている。
「俺閃いたんだよ。」
振り向き様にそう話し出す。
「さっき、お前の全反射は“お前に当たるはずが無い弾も跳ね返した”。つまり、全反射は、“攻撃を跳ね返す”のではなく、単に元来た軌道を戻す”技だってな!
だから、後ろに向けた攻撃は、自分自身に当たる。」
「...くそっ!」
あからさまに悔しがるロクシ。図星だ。
「ありがたく受け取れ。」
召還したのはプレイヤーバズーカ。しっかりロクシの立つ方向を向いている。
しかし、ゲームイエローだけは反対側を向く。スターリングゲームで吸収したビットガンの弾を放つのだろうとロクシは勘付いた。
「チッ、全反射じゃダメか、こうなったら!」
逃げ道の確保。ジャンプで回避を試みる。
「行かせねえよ!ダイビングナックル!」
ゲームブルーだ。上からのパンチで無理やり押さえつけ、倒れたロクシの胸を踏み台にその場を離れた。
「クソがあ!次々次々小賢しい!」
「発射!」
プレイヤーバズーカも、スターリングゲートの吸収エネルギーも同時に発射された。
「イッチス様...テラー師匠...無念...!」
大爆発。そしてロクシは炎とともに散った。GAMEOVER。
「...終わった...」
5人は変身を解き、その場に崩れ落ちた。
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638 :暇人大魔王
2021/06/11(金) 00:07:13
その夜
『お疲れ様。ついに幹部を1人倒したか...休まなくて大丈夫かい?』
「ちょっとね。」
阿祖美町内の病院の廊下を歩く千博。ゲームチェンジャーと軽く会話を済ませた後、1つの病室の前で立ち止まる。番号と患者の名前を確認した。
中で立っていたのは、友也と孝。ベッドにいたのは尊流だ。
「...足を骨折したらしい。」
「骨折か...」
「あの変な男は...いつの間にか消えてたって、ネットに流れてたけど」
「ならよかったな。尊流、早くよくなってね。」
「うん。」
GWCの幹部、強かった。もっと厳しい戦いが、続くかも知れない。尊流のような人を、増やしてはいけないと、心の中で思いながら、その夜をすごした。
GWC本部
「ロクシ様が、やられた...!」
本部は大騒ぎ。テラーは1人誰にも目につかないような暗闇で泣き崩れた。
「ワシの...唯一の弟子が...」
レィングはその一報を聞き、ため息をつく。
「ロクシ先輩じゃ無理もないかぁ...だって、あの人弱いしね♪
ゲームレンジャーを倒すのは、他でもない、この僕さ✨」
ーCLEARD!ー
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639 :暇人大魔王
2021/06/20(日) 14:00:23
投稿したのだいぶ前だけど
どうでしたか
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640 :暇人大魔王
2021/06/21(月) 23:58:31
この沈黙は
今回がひどかったのか...?
それとも特に致命的欠陥が無かったのか...?
つかみどころが無いのか...?
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641 :黒帽子
2021/06/24(木) 18:48:42
>>595
仮に出すとしたらゲラッチだったらどういう敵キャラにするんだ?
>>616
ゴセイジャーは?あれもグリーンがブラックに置き換わってるけど
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