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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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1分以内にここから脱出するのは不可能だ。 何しろ私は視界を塞がれている。 視界―― そうだ。 私にはもう1つの、視力があるんだ。 私は“目”を凝らした。 この真っ暗闇の中、“色”を探すため―― あった。 向こうに、赤い光が見える。 弱々しくても間違いない。あれは。 「先生。」 あれは先生、志布羅一郎だ。 声を発することも、動くこともできないのだろう。 それでもまだ生きている。 私は地面を這いつくばり、その赤い光に近付いた。 「あの時みたいに。昔、カイブツとなった私を救ってくれた時みたいに。お願いです、私に話しかけて下さい。」 「七海。」 願いは叶った。 「せんせ!!!」 志布羅一郎の声が、私の心に直接語り掛けてきた。 「君との約束、守れなくてすまない。だが僕の弱さ故に、君を死なしてしまうことはできない。僕の指揮棒を取れ。これでL-jetを呼ぶことができる。」 「失礼します。」 私は手探りで、先生の燕尾服の胸ポケットに手を入れた。そしてあの指揮棒を引っ張り出した。 指揮棒を天に掲げ叫ぶ。 「来いL-jet!」 すぐさまキーンという轟音が近付いてきた。 停泊していた専用機が私のすぐ傍にやってきた。アームが伸び、私をピックアップする。 爆発までの猶予はもう10秒と無かったろう。 「先生もいっしょに!」 「僕はもう助からない。5人が死んでも、1人が任務を全う出来ればそれでいい。それが戦隊だ。君だけは生きろ。」 「そんな!」 「何もできなくてすまない。最後に君に、光をあげよう。さようなら七海――」 「先生!!」 私はL-jetに収容された。何も見えない目から一筋の涙を流して。 「さようなら!」 L-jetは上空に向けて垂直に飛翔した。ぐんぐんと高度を上げていく。 直後、Mt.マンスは崩壊した。 何もかも消し飛んでしまうような爆音で空間が揺れ、衝撃波が走った。 あの赤い光は消えてしまった。
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