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342 :げらっち
2024/10/02(水) 14:23:06

第1シーズンは実は一番面白かったシーズンだと思う。

1 殺人処方箋
記念すべき最初のエピソード。
既に完璧レベルでコロンボのキャラができあがっているどころか、第1話にして「応用」にさえ近い。
色々なエピソードを見た後に改めてこの第1話を見ると、更に良さがわかるかもしれない。この話あってこそ後のコロンボシリーズが成立したのだとわかる。
コロンボも犯人も非常に攻撃的。
被害者が実は生きていたり、突然第三者の自白者が現れるなど、プロットもうねっていくように飽きさせない。

2 死者の身代金
今回の犯人は女性だが、後の同情を買うような女性犯人ではなく、男性犯人顔負けの(色んな意味で)強い女性である。特に殺人を遂行して鼻歌を歌っているシーンなどは、男性犯人ではなかなか見られないサイコパスさである。
今回の犯人は命など金に劣る物と考えており、その傲慢さと異常性に足を取られ、コロンボとの対決に負けることになる。
ラストの対決は、共犯者から攻め落とした前作と比べても1vs1の構図となっており、コロンボの名言や曲のマッチ度もあり大変すがすがしい。「人間にはいくら金を積まれても売り渡せない物があるってことを、あんた知らなかった」
曲の良さも相まって私が最も好きなエピソードの1つ。墓場のシーンが物悲しい…

3 構想の死角
前2話がパイロット版だったので、テレビドラマとしてシリーズ化してからの実質的第1話。
若きスピルバーグ監督が、前2話を完璧に理解した上で独自に噛み砕いてエンターテイメント化した傑作。部屋を荒らすシーンまでもが様になっている。やはりスピルバーグはスゴイし、シリーズでレギュラー化するジャック・キャシディの画面映えもスゴイ。
但し、「構想の死角」という題名の意味がいまだによくわからない…今回の殺人計画はシリーズ中で最も死角や隙が無く、その完璧さこそが命取りとなったので、この邦題のセンスは謎である。

4 指輪の爪あと
4話連続で神回が続いている。しかも毎回印象を変えてくるからスゴイ。
前作の優雅な犯人とは違い、今回はどちらかというと努力で地位を勝ち得たというような野心的なインテリが犯人。演じるロバート・カルプはその憎々しさが天下一品であり、ジャック・キャシディと共にレギュラー化する。
被害者遺族であるケニカット氏の存在感も大きく、コロンボvs犯人vs遺族というパワーバランスの優れた三つ巴の対決が見られる。
そして犯人がコロンボを自身の探偵社に引き込んで手を引かせようとするという、他作では見られない最高に面白いプロットが用意されている。第1シーズンからギアを上げ過ぎたせいで後のエピソードが見劣りするくらいだ…

ラスト、コロンボとケニカット氏が去っていくシーンは曲の良さもあってシリーズ中最高のラストの1つだと思う。泣ける…

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343 :げらっち
2024/10/03(木) 12:15:30

指輪の爪あと補足
一カ所だけ、コロンボの推理が飛躍し過ぎている所がある。
それ以外は本当に完璧。

5 ホリスター将軍のコレクション
4連続神回が続いた後に、いきなり地味な回が来てしまった…
のだが、駄作というわけではなく、きちんと風格とコンセプトのある作品作りができており、ムードの良さだけならかなり上位に来るほど。
旧シリーズ最悪クラスの犯人(全体を見ると同じく軍人である新シリーズのブレイリー大佐の方が更に悪辣)と、コロンボの大人な対決が見所。
但し45口径を使っているのに弾が死体にとどまっているというのは無理がある。
浮かび上がってくる死体、怖い…
ラストが余り盛り上がらないこともあって、推理の面白さという点では高得点は付け難いかもしれない。
サイコパス料理人のバートは『死者の身代金』と今回の2回のみの登場だったが、キャラが濃いのでもっと出て欲しかったというのが本音です。

6 二枚のドガの絵
ファンから『別れのワイン』と共に絶大な支持を誇る作品。
確かに、歯切れの良いラストはシリーズトップクラスだが、実はラストに重きを置いているためか細部は結構粗が多かったりする。
それでも、何度見返しても楽しめる名作であることに変わりはない。対決のテンポが小気味よく、犯人の煽り語彙のセンスがグレイト。「うちに帰って寝るんだねえ」ww
コロンボ入門編に是非オススメしたい作品である。
細かい点だと、クライマックスでコロンボがプジョーに乗ってエドナ邸に来るシーンの曲が素晴らしい。

7 もう一つの鍵
前作とは打って変わって、ファンからの評価が低い作品。前後の作品でこうも評価が分かれるのは珍しい…
ワガママな令嬢という犯人像、彼女の反応がヒステリー女の典型となってしまいコロンボもガンガン攻めることができず、対決に魅力が無い点などが低評価の理由だろう。
恋人の証言に頼った決め手も不人気の理由とされるが、個人的には愛憎のドラマの決着として良い落とし所だったと思う。
犯人がコロンボの命を狙うラストはいまいち。衝動的な行動なのだろうが、余りにもクレバーではない。

だが個人的には好きな作品の1つ。
犯行計画が他の作品には無いパターンだし、コロンボの見つける手がかりも悪くないし、何より曲が素晴らしいのだ。
レスリー・ニールセンが良い味を出していた気がする。犯人よりむしろコロンボとこっちの対決の方が見応えあるかも。

8 死の方程式
異色回。まず、大抵の回が都会が舞台なのに対し、今回は工場+山岳地帯の限られた空間を舞台にしており、印象に残るシーンばかり。
カメラワークなど演出も冴えていたと思う(屋上にワープする演出は印象に残る反面、意味不明だが)。
ジャズ調の曲が良いし、陽気かつ邪悪という新しい犯人像も良い。犯人役のロディ・マクドウォールは『ポセイドンアドベンチャー』のエイカーズ役(公開年もピッタリ同じ)も光ったが、若そうに見えて実は44歳であり驚く。
邪魔な人間の排除の仕方が強引でやや気になるが、そこは会社のドロドロを表していると考えれば納得がいく。
ロープウェイのラストもたいへん印象に残る。
ちなみに私が最初にちゃんと見たコロンボがこの回だった…これも入門編として悪くないかも。

9 パイルD-3の壁
第1シーズン最終回にして、コロンボを演じるピーター・フォークが監督を務めた唯一の回。
殺意が生まれる瞬間の描写や、他の回では見られないような奔走するコロンボの描写はフォークの才能とコロンボ愛を感じる。
ラストも、いきなり事件解決するのではなく、タイヤがパンクするサスペンス(無くても成り立つ)をアクセントとして挟んだのはなかなか効いていたと思う。

「死体なき殺人」というのは第1シーズンラストを飾るにふさわしい大命題である一方、この犯行はそもそもコロンボレベルの名刑事が登場しない限り計画自体が成り立たないという「コロンボありきの殺人計画」になっているという若干の穴がある(まあこれはフォークの落ち度というより脚本の落ち度に思えるが)。
ゴールディは良い味出していたが、事件解決のシーンに居ないのが残念…最後は男と男の対決(犯人曰く水と油)にしたかったのかもしれないけど。

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