アマゾン

スレ一覧
380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
 ┗129

129 :げらっち
2024/05/11(土) 11:47:45

「いたあああああいよおおお!!! もっと丁寧にしろ! 父上に言って、クビにさせるぞ!」
「はいはい。すぐ終わりますからね。お注射注射!」
「ぎゃおおおお~!!」

 僕は保健室のベッドにて、ブルードクターのお注射を受けていた。
 青い戦士はまるで憎しみを込めるかのように、太い針の注射を、僕の全身に何度も何度も突き刺した。痛すぎる。こいつはヤブイではないのか?

 コボレンジャーにやられた分だけではない。
 小豆沢七海になっていた体は、アルゴパープルこと新藤ヘテロが、簡単に元の僕の姿に戻してくれた。しかし小豆沢の状態で負った傷は、全て持ち越していた。金閣寺に毛を抜かれまくったせいで、僕はかなりみじめな髪になっていた。

「ま、元に戻れただけ感謝するんだな。コボレンジャーを不正に潰そうとした罰だよ、坊ちゃん」
 ブルードクターが去った後で、新藤ヘテロが現れた。白衣を着たみすぼらしい男。
 ベッド上で身動きの取れない僕を見下して、彼はけらけらと笑った。
「お見舞いついでにこれを見せにきた。《週刊☆戦隊学園》だ」
「それがどうした?」
「今週の1面を見ろ。お前が載っているぞ!」
 ヘテロは新聞を広げて僕に見せた。そこには確かに、僕の姿が写っていた。

 監視カメラが撮影したらしい、僕がチェーンソーを持った戦士に追われている写真。
 この写真の僕は、中身が小豆沢七海のはずだが……

 見出しは、《理事長の息子・天堂茂、女子寮に侵入する!? エリートの裏の顔は変態!》だと!!

「何だこれは!!」
 僕は新聞をビリビリに破り捨てた。
 踏んだり蹴ったりだ!
「小豆沢七海め、いつか必ず潰してやるからな!!」


《七海》


「……あ」
 その夜、3時間の練習の成果あってか、私は生まれて初めて、自分でネクタイを結ぶことに成功した。
「……ま、いいや。明日からも楓に結んでもらお」


つづく

[返信][編集]



[管理事務所]
WHOCARES.JP