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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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236 :げらっち
2024/06/10(月) 12:42:37
「待たせたなコボレンジャー!!」
爆音が響き、豚はクレーンから解放され、地面に叩き付けられた。物凄い衝撃、スクリーンが真っ暗になった。豚が突っ伏しているのだ。
「立て、立つんだ豚!!」
豚は体を起こした。スクリーンに、戦闘の様子が映された。Fダッシュはロボモードからレーシングカーモードに変形し、ビームを撃ってジュウキオウに攻撃していた。ジュウキオウはコンクリート砲で狙撃するも、Fダッシュはドリフトを決め、素早くそれをかわす。ビームは重機の接続部に的確に撃ち込まれていき、ジュウキオウは崩れ出す。バラメカが合体して作られたロボは巨大になれる利点があるものの、壊れやすい欠点もあるのだ。
ジュウキオウは白旗を振った。
「俺たちの負けだ、もう攻撃するな、ジュウキオウを壊されちゃ溜まらねえ」
『お~っと、意外や意外!! 優勝予想4位のジュウキマンが早くも降参の姿勢を見せマシタ!! 校舎の修補に役立つジュウキオウを失うよりは、負けを認めた方が良いという判断デショウか~~っ!!』
「よしっ」
私はガッツポーズを作った。
「お疲れ豚ノ助。囮の役目はこれで終わり……」
そこまで言った時だった。
キィィィィン!!!!!!
恐ろしい大音量を受け失聴した。無音の中操縦席を飛び回りあちこちに体をぶつけ、墜落した。痺れていた耳が聴覚を取り戻すと、スクリーンが割れて外気が吹き込むフロントから、こちらに向けて飛んでくる無数のミサイルが見えた。
Fダッシュが攻撃しているのだ。
「あっの裏切り者!!! 豚ノ助大丈夫!?」
「どちらかといえば大丈夫じゃないけど、力士は耐えるのが仕事ブヒ~!!」
私は変身し、魔法のバリアを展開。
「アイスバリアLサイズ!!!」
ミサイルは氷の守りにぶつかって爆裂。だが狙いは私たちだけでは無かった。メカノ助の傍で白旗を振っていたジュウキオウに幾つものミサイルが命中、ジュウキオウは爆炎を上げた。
「この際コテンパンに潰しておかなきゃね!!」と愛瑠の声。
「コボレンジャー囮ご苦労様! 一緒に滅びてね!」と瀬那の声。
あの姉弟最初からこのつもりだったようだ。そんな気はしていたが。
ジュウキマンの声が聞こえた。
「コボレンジャー、アイツらに一矢報いてくれ。これを使え……」
ジュウキオウは右腕を離脱させた。ミキサー車が変形した砲台が地面に落ちた。
「ごっつぁんです!!」
豚は立ち上がると、それを拾い、右腕に装着。コンクリート砲を射出した。白い塊が、走行するFダッシュのすぐ近くに着弾。Fダッシュは方向転換し逃げていく。
「逃がすか、追って豚!!」
私はコントローラーに散らばるガラス片を払い除けると、レバーを倒し豚を走らせた。豚はドスドスと走りながらコンクリート砲で砲撃する。
「当たれブヒ!!」
だがFダッシュの走力は中々で、砲弾をかわしつつ校舎の間を縫って逃げていく。悲鳴を上げて逃げ惑う生徒たちを踏み潰さないよう繊細な操縦が要求された。実況ヘリが何か喚き散らしながら私たちの後を追いかけてくる。
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