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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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424 :げらっち
2024/08/10(土) 12:41:35
《七海》
「そんな……」
楓は私に絶縁され、弱った心の隙間に入り込まれ、レプリエルに鹵獲されたというのか。
レプリエルは最低だが、私は最低の最低の最低だ。仲間を失うのも自業自得だ。
それなら私も、楓と一緒にニジストーンになった方が、しあわせなんじゃないか。
私はふらふらと、レプリエルのほうに歩き出した。
「いい子だ♪」
そこに誰かが現れた。
レプリエルはそれを見た。
緑の戦士が、紫の戦士を引きずってやってきた。
「公一……凶華……!」
コボレグリーンが、傷だらけのコボレスターを引きずっている。
私の、「コボレのみんなを傷付けないで」という命令のせいで、凶華は思うように戦えず、公一に捕らえられてしまったのか?
公一は凶華を、レプリエルの目の前に転がした。凶華はあの元気はどこへやら、「うぅ……」と力なく呻いた。
「ご苦労♪ これで紫と緑もいっぺんに手に入ったね。一気に5つだ。あとは黄と桃をナニすれば、世界はちょちょいのちょいっと書き換えられてしまうわけだ。ブラボーだね♪」
諦めかけた私は、再び腹筋に力が入るのを感じた。
コボレの仲間をもう失わないために、戦うんだ!!
「あああああああああああああああああ!!!!!」
レプリエルは少し驚いたようにこっちを見た。私は叫び、変身しない状態のままで、氷の塊を生み出した。両手を広げ、とにかく大きな大きな魔を生み出す。
「殺す、」
振りかぶり、歪な氷をぶっつける。レプリエルは翼をはためかせ、飛ぶ準備。だが、
「逃がすか!!」
4本の苦無が天使の両翼に突き刺さった。これは公一の攻撃だ。何故彼が、という疑問はさておきレプリエルは顔を歪めた。飛び立つことができず、氷の塊は、彼の顔に直撃した。
ガンッ!!
まだだ。
「ツララランス!!」
手から槍のような巨大な氷柱がにじり出た。そのまま手を振るい、レプリエルの心臓に突き刺す!!
「死ね!!!」
掌底打ちを決めるようにレプリエルの胸を突き、氷柱は彼の体を貫いた。ボキン、氷柱は折れ、レプリエルは後ずさる。
「とどめはオイラだ!」
どこにそんな元気があったか、凶華が立ち上がり魔術を唱える。
「しねしねこうせん!!!」
凶華の手から紫の光り。レプリエルは大きく後ろに押され、大爆発を起こした。
私たち3人は荒く息をしながら、顔を見合わせた。
公一と凶華は変身したままだ。
「ええと……これはどういうこと?」
公一は私にピースマークを向けた。
「わかるやろ? 山彦の術や。俺はまだ操られてるふりをして、凶華をここに連れてきた。凶華が虫の息になっとったのも演技だったってわけや」
「とーぜんだろ! オイラがイチに負けるわけないもんな!!」
「あんだとお鍋!」
「お鍋って何だよ!!」
2人はつねり合いの喧嘩を始めた。
私は、ほろっ、と涙を流した。
「良かった……公一、洗脳が解けたんだ……!」
「そらそうや。凶華に言われて、一番大事なこと思い出したわ。お前が好きだってな」
私は崩れ落ちるように、吸い寄せられるように、公一に抱き着いた。公一はそんな私を受け止め、支え、抱き締めてくれた。
「うーん、今のはイマイチだねえ。補習授業が必要だな」
私たちは声のする方を見た。煙の立ち上がる遥か上に、白をバックに、天使が浮いていた。右手には指揮棒、左手には青いニジストーン。翼をはためかせるレプリエル。
まあ、そんな簡単にやられるわけはない。
だが3人寄れば文殊の知恵であり三乗の力であり戦隊は成り立つ。もう1人じゃない!
「楓を返せ!!」
リアリストの声がした。
「ナナ、そいつに条件を飲ませたいなら、これしかないだろ」
「?」
振り向くと、紫の戦士が、私にけん玉を向けていた。
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