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380.戦隊学園 ~虹光戦隊コボレンジャー~
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426 :げらっち
2024/08/10(土) 12:42:22

「だるまさんがころんだ☆」

 凶華の呪文。レプリエルは硬直。
「苦無10連チャン!!」
「雷アーラトテップ!!」
「外無双&内無双!!」
「フルーツバスケットメガ盛り!!」
 4人は何だかよくわからない攻撃を集中砲火しレプリエルを滅多打ちにした。やれ。あいつは私の希望を踏みにじった巨悪だ!!

「キセキ」

 きらり。

 青い光り。全ての攻撃は無効。公一と凶華は手をばたつかせて吹っ飛ぶ。メカノ助もずり落ちそうになったが、何とかしがみ付いて居た。円盤は重量オーバーか、空間全体が大きく揺れる。
 無傷のレプリエルが居た。ニジストーンが青々と光る。
 凶華は吹っ飛びながら言う。
「あれ、オイラのだるまさんは? 勝手に1抜けしちゃったの?」
「そんな子供騙しが効くと思ったかい?」

 雨が白い床を流れてゆく中、レプリエルは羽を濡らして、青いニジストーンをこちらに向けている。
 私は変身もできないし、みんなみたいに戦えない。
 それでも、楓に向かって言う。

「怒ってるんだね? 私があなたを拒絶してしまったから」

 私は魔法を滲ませ雨水を凍らせて、斜めの床を、レプリエルの方に、登って行く。

「ごめんね。でも、あなたも意固地だよ。もう一度、腹を割って話そうよ」

 レプリエルはニジストーンの魔法を差し向けた。
 青い螺旋が迫ってくる。
 変身できなくても、魔法を思い描く。

「スパイラルスノウ」

 私の手のひらから、吹雪の螺旋が出た。
 螺旋と螺旋がつながって、伸び切って、一直線になった。私の手と青いニジストーンが魔法の線でつながっている。押し合って、私の氷が楓の青を凍らせて、侵食していく。

「いいよ、いっぱい喧嘩しよう。喧嘩するほど仲が良い。喧嘩したら、次は仲直りしよう。謝りたいこと話したいこと、いっぱいあるから――」

 レプリエルは恍惚とした表情になった。彼もまた、ニジストーンに魅せられた者なのだ。
「僕の見込んだとおりだ……七海、きみの力は素晴らしい。きみがニジストーンになれば、どんな世界も創造できるだろう」

 彼は突然、嗜虐的な顔になった。
「何をしている、伊良部楓のニジストーン。お前の力を見せてみろ♪」
 レプリエルはニジストーンに、自身の力も込めたようだ。
 赤と青の2色の前では分が悪い。白で押し返そうとするも、力及ばず、赤と青は接近してくる。

「さあ七海、ニジストーンになる道を選べ♪」

「いやだ!!!」

「七海!!」
 私の後方に居る公一、凶華、豚と佐奈が叫んだ。
「俺たちの力を使え!」
 私は前に気持ちを集中させつつ、ゆっくりと後ろを向いた。公一が、凶華が、メカノ助とそれに乗っている佐奈が、私を見ていた。
 彼らは私に力をくれた。力が、イロがみなぎる。
 私は負けない!
「うおおおおおおお!!!!!」
 私は素早く前を見た。白に加え、皆に貰った緑・紫・黄・桃が、赤と青を押していく。
 勝てる。レプリエルは顔を歪めた。


 だがそう上手くはいかなかった。突然のエネルギーの増大によるものか、空間がひずんだ。


 私はそこに吸い込まれた。

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