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91.マリルイ学園CGR
 ┗126-128,136,140-143

126 :げらっち
2020/07/26(日) 01:04:01

第4話

キーの家、もといCGRの秘密基地ではメンバーたちによる作戦会議が行われていた。
キー「今までに集めたキャスストーンは4つ。これで半分…」
タレ「今のところはまあ余裕やな。」
りんご「(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。)」
雪華「油断は禁物ですよ。ゲラッチはチート級(自称)部長ですし…クロボー師という幹部も相当な手練れのようです。」
りんご「ところで、ルルはそろそろ慣れて来たー?」
ルル「はい!おかげさまで!」

ミステリアスだが優しくどこか抜けている雪華司令、5人の実質的リーダーの才女キー先輩、面白くて面倒見のいいタレ先輩、あほっぽいが親しみやすくオシャレなりんご先輩。
ルルはこのメンバーが大好きだった。
そう、1人を除いて…

バリッ!

りんご「ちょっと潤パイセン!会議中にうるさいっすよーww」
「あーごめんごめん」

大きな音でポテチの袋を開けたのはガールズブルー・潤だった。
潤はこげ茶のボブカットで、丸眼鏡をかけている大人し目の女の子。高1で背は平均くらい、ややサイズの大きいブレザーを着ていた。
CGRのメンバーで一番影が薄いのはこの人だろう。
ルルは彼女のことがよくわからなかった。もちろん優しい潤のことは好きだ。だがどこか頼りなく、とにかく絡んだことが少なかったのである。

雪華「潤ちゃんはCGRの現状をどう思いますか?」
潤「げ、現状ですか?んーとね・・・・パリッ」
潤はあろうことかポテチをほおばりながら答えた。
潤「このままでいいんじゃないかなー?石を全部集めるとキズナパワーが世界を包む、だっけ?うんうん!私たちならきっと上手くいく!!・・・・ってな感じでおk?」

潤はこのルルなら10秒で言えるであろうセリフを1分ほどかけて喋り終えた。
結局印象に残ったのは合間合間でポテチを噛み砕くバリバリという音のみだった。
のんびりなのは良いがせっかちなルルは少しイライラとしてしまった。

タレ「おおおこれぞ潤ってかんじ。いいいけん!」
りんご「やるねーwwやっぱCGRのいやし系wwwwww」
キー「さすがです(´。✪ω✪。 `)」
タレ、りんご、キーは拍手喝采、雪華に至ってはわざわざ席を立って「ヨシヨシ(笑)」と潤の頭を撫でていた。
思いもよらぬ絶賛にルルは驚いた。
ルル「あの・・」
すると潤はおもむろに立ち上がった。
潤「あ、もうこんな時間だ!ゲーセン行かなくちゃ。ごめん、抜けるね!(`・ω・´)」
そう言うと潤は部屋を出て行った。

ルルは愕然としてしまった。
CGRは悪の組織メンズスターから世界を守り、キャスストーンを集め世界の女子に平穏な心をもたらすためのヒーロー。
新人の私でも誇りを持って戦っている。
なのに潤先輩は。
ポテチばかり食べてるし、適当なことを言ってちやほやされて、その上ゲーセンに行くから会議を離れるなんて。
りんご「ルルどったの?しっかりんご~」
ルル「つまんないです」
りんご「ちょい!」
タレ「辛辣で草」

ルルはちょっと不機嫌な自分に嫌気がさしたが、それよりも自分勝手な潤のことが気に入らず彼女の後を追った。

[返信][編集]

127 :げらっち
2020/07/26(日) 01:34:29

「ハアッ、ハアッ」
ルルは焦った様子で周りを見回しながら走っていた。
「ど、どうしよう・・」
ルルは潤を追って1人山を降りようとしたところ、迷子になってしまったのだ。
思えばキーさんの家のあるこの山路、先輩の誘導なしで歩いたことは無かった。1人でも行けるとたかをくくってしまったのが間違いだった。
走れど走れど同じような木しか見当たらない。
「あっ!またこの崖…」
さっきから何度も同じ崖のところに出てしまう。さすがにここからは降りられない。
「そ、そうだっ!変身して火を起こせば…」
ルルはスマホを取り出した。しかし、
「充電2%じゃコミュニティアプリ使えないん!?マ!?ちゃんと充電しとけよ!!」
焦燥感が最高潮に達し、口調も雑になってきた。頭がクラクラする。
するとスニーカーの靴紐がほどけているのが目に入った。
ルルは紐を結び直すためにサッと身をかがめた。

その時。
何か波動のようなものがルルの頭上をかすめ、直後にカッ!という鋭い異音がした。ルルの髪が2、3本ハラハラと舞い落ちた。
恐る恐る目を上げると、木に紫色の薔薇が突き刺さっていた。茎が矢のようになっている。
もし頭を下げていなければ、ひとたまりもなかっただろう。
ルルはそれが飛んで来たと思われる方向に目を向けた。
暗い木陰に何かいる。
ルルは伏せたままじっと目を細めた。
すると、木陰の眼が赤く光った。
「よく我がROSE ARROWをかわしたな…偶然か?それとも必然《実力のうち》か?」

木と木の間から痩身の男がぬっと姿を現した。
仮面をつけており腕が異常に長く、手には紫色の薔薇をいくつも持っている。
「我は死の花怪人ハローデス!ゲラッチ様の命により、貴様を抹殺する!!」

[返信][編集]

128 :げらっち
2020/07/26(日) 01:36:19

ルルは身構えた。
変身もできず、体力も消耗している。このままでは…

「ルルー!!」
ルル「!」
聞き覚えのある声。
閃光が走り、ハローデスの足元に雷が落ちた。ハローデスは尻もちをついた。
ハローデス「なんだこのドードーは!そして、恐怖は現実のものとなる…」

ルル「りんご先輩!」
りんご「あいよー‼」
雷を落としたのはりんごだった。ルルは感謝と恐怖からの解放で、ちょっと泣きそうになった。変身したりんご、タレ、キーの3人が駆け付けた。
タレ「大丈夫!?」
キー「ルルちゃん充電が無いんですか?このモバイルバッテリーで充電してくださいヾ(・ω・`;)ノ」
ルル「助かりますぅぅ!」
キーの開発した高性能モバイルバッテリーによりルルのスマホの充電はすぐに100%になった。

ハローデス「多勢に無勢…」
ハローデスはうろたえていた。
ルル「これならいけますぅ!コミュニティアプリ起動!炎の勇者、ガールズレッド!」
キー「あっ、ちょっと待って!慎重に行きましょう(A;´・ω・)アセアセ」
ルル「ダイジョブですぅぅ!よくもやってくれたな、バーニングバズーカ!」
ルルは兵器タブにバズーカ砲の絵を描いた。するといかついバズーカが現れた。
ルルはそれを発射、炎の弾丸がハローデスめがけて一直線に飛んだ。
ハローデス「馬鹿な…この我が勝利を譲るだと、全知全能の神によって許されるはずも……ない……!!」
大爆発。

ルル「やりましたっ✨」
キー「いや…まだです気を付けて下さいっ」
ルル「え」
刹那、爆炎の中から先ほどの薔薇の矢が飛び、ルルの胸に直撃した。
ルル「だあああああああッッ!!」
スーツのお陰で矢は体には刺さらず、跳ね返って地面に落ちた。
しかし胸にはズキズキと鋭い痛みがあった。おそらくあざになっているだろう。
タレ「まだ生きとるん!?」
ハローデス「そうとも!裏切り者の一族の末裔である我がこの程度の攻撃で死ぬと思ったら大間違いだ!この死に損ないがぁぁぁぁぁッ!!!!!シャボン怪人ノッコ、礼を言うぞ!」
ハローデスの周りに水色のバリアのようなものが張られていた。まるで巨大なシャボン玉に包まれているようだった。
「どういたしまして!」
木陰から水色の大型のトカゲが飛び出した。二足歩行して人語を喋っている。何とも奇妙だ。
「僕はシャボン怪人ノッコ!ハローデスさん、僕の水の力であいつらやっつけて~😄」
ハローデス「悪くないだろう。」

ルル「スパイラルフレアー!!」
タレ「ルルおちつけぇ!」
ルルは完全にムキになっていた。炎の魔法を飛ばしまくる。
しかし全てはノッコが張ったシャボンによって撥ね返されていた。
キー「ルルちゃん、一度冷静になって下さい!ルルちゃんの技ではアイツを倒せませんっ!」
ハローデス「愚かな…とっておきの水魔法幻獣王リヴァイアサン法《トゥインクルレインボー・水たまり》我が最強の一撃を…喰らうがいい!!!!!」
ルル「このっっ!!」
ハローデスが何やら長い必殺技を発動する前に、ルルが巨大な炎を飛ばした。
しかしそれは例の如くシャボンで撥ね返され、木々に火が付いた。
りんご「あっづうううううううう‼」
タレ「りんご!」
ルル「ハッ!」
りんごのスーツにも炎が燃え移っていた。
ノッコ「ハローデスさんやばいです、森が燃えてるよ~😅」
ハローデス「仕方或るまい…3000年に一度戦略的撤退しよう。」
そう言うと2人の怪人は大ジャンプし消えた。それと同時に、森に声がこだました。

「ビッグウェーブ!!」

多量の水が押し寄せ、森の火災は鎮火した。
キー「この水魔法は…潤ちゃん!」
潤「お待たせ。みんな大丈夫?」
一足先に山を降りていた潤が駆け付けた。
タレ「りんご大丈夫かっっっ!!」
りんご「ゲホ…イキテルヨリンゴダヨ」
りんごはスーツに守られていたこととすぐに消火したことで軽傷に済んだようだ。
しかしルルは愕然としていた。

自分の魔法が仲間を傷付けてしまった。
ルルの変身はいつの間にか解けていた。
そして、口から言葉が飛び出した。


「私、CGR、辞めます。」

[返信][編集]

136 :げらっち
2020/07/26(日) 21:37:04

日も沈み、ルルはトボトボと家に帰ってきた。

「るーたんお帰り~」
お母さんは今日も酔っぱらっていた。
居間ではいつも通りのご飯が出て来た。
ボソボソとそれを口に運ぶが、味がしない。
「どうしたの?可愛いるーたん」
お母さんは指で私のほっぺをぷにぷにと押した。
だが私は無反応だったので、お母さんは「なんだ、つまんない」とでも言うように向こうの部屋に行ってしまった。

一人になって、我慢していた涙がぼろぼろとこぼれた。
どうしよう、あんなこと言っちゃったけど…
私からCGRを取ったら、何も残らない。
また明日から平凡な毎日。
また明日からCGRではない普通のわたしに逆戻り……


一方CGRの基地では、メンバーが泊まりきりでりんごの介抱をしていた。
りんごが半裸でベッドに横たわり、その傍で潤が両手をおねだりのポーズのように前に出して目を瞑っている。
「癒しの水…」
そう唱えると、潤の手から水が沸き出し、手のひらで作った皿に溜まった。
そのやや粘り気のある水をりんごのやけど部分に垂らすと、傷が薄くなった。

りんご「うひー、もう大丈夫だって、帰らせてよー!」
潤「ダメー。今夜は1時間ごとにこの水を当てるんだぜ。そうすれば朝にはすっかり消えてあとにも残らないからね(`・ω・´)」
りんご「帰ってボンボンTV見たいのにー‼」
タレ「wwwwww元気そうでよかった。」
キー「にしてもルルちゃんのこと、どうしましょう…」
タレ「それな。」
りんご「別に僕ちん怒ってないんだけどなー。」
潤「…」

潤は何かを思いついた様子だった。


翌日。
ルルはランドセルを背負い下校中だった。
いつもの通学路を歩き、思い出の場所にたどり着いた。
ここは、雪華司令に声を掛けられた場所…
CGRは私の晴れ舞台だった…
もしかしたらまた雪華司令が私を呼び止めてくれるんじゃないか、そう思った。すると、
「ねえ。」
ルル「は、はいっ!?(⊃ Д)⊃≡゚ ゚」
本当に声がした。ルルは驚きと嬉しさが入り混ざった表情ですぐに後ろを振り向いた。
ルル「なんだ…潤先輩!」
そこには潤が立っていた。
潤「なんだとはなんだ!wルル、元気してた?」
ルル「え…はい、普通です。」
ルルは微妙な表情でそう答えた。雪華司令や気さくなキーさん、仲の良かったタレ先輩などに来てほしかったというのが本音だった。
潤「ねえ、この後時間開いてる?」
ルル「別に空いてますけど。」
潤「じゃあ一緒に行かない?ゲーセン!」

[返信][編集]

140 :げらっち
2020/07/26(日) 23:30:43

「スーパーマニアゲームクラブ」、通称SMGCはただのゲーセンではない。
客がゲームを注文するとドリンクや軽食と共にゲームが貸し出されるという特殊なゲームクラブなのだ。しかも、最新のゲームからマニアックなレゲーまで何でもそろっている。

ルルは潤に半ば強引に連れられこの店の前にやって来た。
ルル「あの、私こういう店初めてなんですけど…」
潤「いいからいいから!」
しかし向かったのは入り口ではなく、脇にある薄暗い「従業員通路」だった。
ルル「こんな所入っちゃって大丈夫なんですか?」
潤「大丈夫大丈夫!」
モップやらバケツやらが置いてある通路を進むと、突き当りに「スタッフルーム」と書かれた扉があった。潤はその扉を押し開け中に入った。
潤「ホラ、ルルも入って!」
潤に手招きされるがままにルルもその部屋に入った。すると、服のようなものが飛んで来た。咄嗟にそれをキャッチする。

ルル「!…これ…メイド服じゃないですか!」
潤「そ、メイド服w私はここでバイトしてるんだ!さあルルも着替えて着替えて!」
ルルは驚いてメイド服を持ったまま立ち尽くしてしまった。潤の言っていたゲーセンが遊びではなく仕事目的だったという以上に、潤が恥ずかしげもなく服を脱ぎだしたのに驚いた。
潤「ちょ、何じろじろ見てんのwルルも着替えて!」
ルル「え、でも私バイトなんて…」
潤「体験だよ、体験!気分転換になるよ(`・ω・´)」
ルルは言われるがままに服を脱いだが、恥ずかしかったので潤には背中を向けていた。
そしてメイド服を着た。
まだ小学生のルルにはメイド服はやや大きく、ダボついてしまった。
潤「かわいい!ルルかわいい!似合ってるよーw」
ルル「ハズカシイ…あれ、潤先輩のはずいぶんぱっつぱつ…」
潤「めっw(`・~・´)それじゃあガンガン働くぜ!」

ルルは注文されたゲームを客に届ける仕事を任されることになった。
ルルは店内を駆け回った。
ルル「はいいっ!美少女戦士せらムーン一丁!」
客い「違えっ!俺が注文したのはハナマルクエスト3だ!早くしやがれ小娘!」
客ろ「おーいみんなでパズル、クリボージャーDSはまだかー!」
客は「さっきから店員呼んでるのに全然来ないんだけど!どゆこと!?」
ルル「すいません、すいませんっっ💦」

一方潤は、ゆっくりと仕事をこなしていた。
潤「はいっ、ハナマルクエスト3でございまーす(`・ω・´)」
客い「おおっ、潤ちゃんサンキュー♪」
潤「それじゃあ時間までごゆっくりお楽しみくださいねー」

早速ヘトヘトになっていたルルの元に、潤がやって来た。
潤「ゆっくりやるのも大切だぜ?」
ルル「そうですね…そういや、潤先輩はまだ高校生なのに何でアルバイトを…?」
潤「実はね、」
潤はポケットから写真を取り出した。

[返信][編集]

141 :げらっち
2020/07/27(月) 23:21:26

その写真にはルルと同じくらいの背丈の少女が写っていた。
ルル「これは…?」
潤「これはね、私の妹!雹って言うんだよ。」
ルル「ひょうちゃんですか!かわいいですね…」
写真の中の少女はピンク色のリボンを付けており、どことなく潤に似ていた。
潤「この子は重い病気で、手術の為にお金が必要なんだ。」
ルル「!」
潤から出ていたのはせせらぎのような癒しのオーラ。だがそれは今、悲哀の情調に変わっていた。
潤「えへ。こんなこと話すのルルが初めてだぜ?」
ルル「潤先輩…」
潤「ねえルル、私だけは他のメンバーと違って立候補してCGRになったんだよ?元々私は取り得なんて無かった。でも、強くなりたいからここに入った。そして今は・・・CGRの一員として役に立っている自覚がある。私は絶対CGRを辞めない。だから、」
潤はルルの手を強く握った。
潤「ルルも辞めないで。戦わなくちゃいけない時がある。」


一方町では、人々が悲鳴を上げて逃げ惑っていた。
ハローデス「フフフ…お前は赤!お前は白!そしてお前は紅繻子(べにしゅす)だ!」
ハローデスの眼が赤く光り、彼が指を鳴らすと目の前にいた人々が次々と薔薇の花に変わり果て地面に落ちた。
ノッコ「そのままやっちゃって~😄」
ハローデス「…さあ、殺し合おう――早くおびき出されるがよいコミュニティワルキューレレンジュアー!我が預言書の通り葬り去ってやる。」

潤とルルの元にCGRのグループラインが届いた。
セッカ [その近くに例の怪人2人組が出没したとの情報がありました 至急現場に直行してください 私たちは後から向かいます] 既読3
潤「行こうルル!あっ、バイトお先に上がりまーす!お疲れ様でーっす」

ハローデス「嗚呼!次の捕食対象はそこの少女【アテネ】だ!」
「!?」
ハローデスが次に狙いを定めた少女は、頭にピンクのリボンを付けていた。

[返信][編集]

142 :げらっち
2020/07/28(火) 00:29:00

薔薇が散乱した車道を潤とルルが走っていた。

潤「アッ、」
潤が急に立ち止まったためルルは危うく彼女の背中に突っ込みそうになった。
ルルが恐る恐る潤の顔を覗き込むと、彼女の顔は恐ろしい程に恐怖に見開かれていた。
潤の視線の先を見つめると、そこにはハローデスが立っていた。
ハローデスが写真で見たあの少女の踵を掴んで立っていた。

潤「雹…ッ!」
雹「お、おねーーちゃーーん!!」
ハローデスの赤い眼がギラリと光った。そして「ほう、」とでも言うように口角がニュッと上がった。
ハローデス「姉妹【スール】だったのか、何という運命のいたずら…ピンクのリボンのキミは紫色の薔薇がよく似合うね!?」
ハローデスが指を鳴らすと地面から巨大な紫色の薔薇が生え、その棘の生えた茎に雹は忽ち束縛されてしまった。
潤「ダメ!そんなに締め付けちゃ…」
雹「ぐうっ…!!」
雹は血を吐いた。
ハローデス「これは神の雫!ふつくしい!」
潤「やめろおおおおお!雹の体は…」

雹の体は、病気で弱まっている。
そしてそんな少女を容赦なく痛めつける残忍なメンズスター。
ルルの心には怒りの炎が燃え上がっていた。
だが前のような自分もパニックになってしまうような激しい炎ではなかった。
不思議と頭は冷静さを保っている。燃え広がることは無いが温度は高い、それは青い炎のようだった。
ルル「先輩、変身しましょう。」
潤「…わ、わかった。」

「コミュニティアプリ起動!」
潤「水の覇者!ガールズブルー!」
ルル「炎の勇者!ガールズレッド!」

2人は戦闘態勢に入った。
ハローデス「おっと!此方には人質が存在するのを忘れるな!この血塗られた無垢なる魂を殺されたくないならこれまでに集めたキャスストーンを総てよこせ!!それは、星の命運を賭けた戦い。」
潤「な…」
ルル「卑怯な。」
ハローデスは雹の命と引き換えに今まで集めたキャスストーンを渡すことを要求してきた。
ハローデス「どうした、」
潤「雹を離せ!!」
ハローデス「む、」
潤の奇襲攻撃、鋭い水の刃がハローデスの顔面目掛けて飛んだが、直前でシャボンが張られそれは届かなかった。
ノッコ「またまた守ったよ~😊」
ハローデス「そんなことをしていいのかな?妹~尊きいのち~がどうなってもいいのか?(まあ、嘘だがな!!)」

人質を取られ、攻撃できない。
そもそもあのシャボンの前では私の攻撃は通じない…
でも、いい作戦がある。
これは私にしかできない作戦…

[返信][編集]

143 :げらっち
2020/07/28(火) 01:01:32

ルル「潤先輩、私の言う通りにして下さい。」
潤「ええっ!?」
ルルは潤の耳元で何かを囁いた。
潤「そ、そんなの上手くいくわけ…も、もっと冷静に!」
ルル「冷静になってないのは潤先輩の方です。私はCGRのエースです。私を信じて下さい。」
ルルは仮面越しに、潤を睨みつけた。
潤「わ、わかった。」

ハローデス「おしゃべりタイム終了だ!精霊の力を秘めた無垢なる石を渡すか?全員死ぬか…鉄の武具が発達した世界で何ゆえ拳を磨いたのか、」
ルル「答えはこうです…スーパースパイラルフレアー!!」
炎の竜巻が突如ハローデスを襲った。
ハローデス「愚かな!」
いや、狙いはハローデスではなかった。

雹「キャーッ!」
雹が、彼女の華奢な体を括りつけた薔薇ごと炎に包まれていた。
ハローデス「莫迦な」
ノッコ「ええっ😥」
2人は驚愕し燃え盛る少女の方に意識を集中させてしまった。それが命取りだった。ハローデスを纏っていたシャボンが消えた。ハローデスはハッとしルルと潤の方を振り向いた。
ルル「じゃ、乙です。」
潤「バーニング大砲!!!」
大砲から溢れんばかりの炎が発射され、ハローデスを火だるまにした。
ハローデス「バカな…我々は全ての罪を、貴様の口から告白させることにした…この王国の防衛設備の構築をしている私が、負けたと決まったわけではないた
台詞の途中でハローデスは木っ端微塵に吹き飛んだ。
ノッコ「やっば!僕は逃亡また明日…」
りんご「甘いっ!」
ノッコ「ぎゃー😇」
りんご、タレ、キー、雪華が駆け付けた。りんごは電流一撃でノッコを撃退した。

そして、
灰になって崩れ落ちた薔薇から、水色のシャボンが現れた。潤がそれを指でポチョンと弾くと、泡が割れ、中から無傷の雹が飛び出した。
雹「お姉ちゃん…っ!」
潤「雹!!」
2人は固く抱き合った。

タレ「一体どういうことぴよ?」
ルル「実はですね、あのトカゲの使った技を、潤先輩も使えるんじゃないかと想像したわけです!潤先輩の水の魔法で雹ちゃんの周りにシャボンを張り、あたかも私の炎で燃えてしまったように見せかけ油断させたんです!」
タレ「なるほどなっとく/^o^\」
キー「これは…まさにルルちゃんじゃなきゃ思いつかない作戦ですね(´。✪ω✪。 `)」
りんご「ああーそういえばルルに燃やされた傷が痛むなーw」
ルル「わっ、りんご先輩ごめんなさいいいいい!!」
りんご「冗談だよwもうすっかり治ったから安心おしーww」
キー「それで…ルルちゃん、雪華さんに言うことがあるんじゃないですか?(❁´ω`❁)」
ルル「あっ、」
ルルは雪華の方を向いて気を付けの姿勢を取り、頭を直角に下げ叫んだ。

「私をCGRに戻してくださいっっっ」


後日談
キー「潤ちゃん…妹さんの手術費用くらいなら私が出してあげられます( •̀ω•́ )✧」
潤「マ、マジっすか( ́⊙ω⊙`)キーさん何者…w」

つづく!

[返信][編集]



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