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91.マリルイ学園CGR
 ┗276-283

276 :げらっち
2020/08/04(火) 02:32:12

第6話

CGRの強化合宿…
寝返ったクロボー死…

ルルは深夜の旅館をひとり歩いていた。
一歩歩くたびに古びた床板がぎしぎしと軋む。もうすっかり真夜中だ。
ルルがふすまを開けると、狭い和室にタレ・りんご・潤の3人が雑魚寝していた。そしてタレの足に潰されてHKKも寝ていた。
厳しい訓練でよほど疲れたのか、3人はいびきをかいて寝入っている。
あのしおりに書かれていた豪華なベッドの絵は何だったのだろうか…
ルルもすぐに布団にもぐり込みたい気分だったが、尿意が勝り、ふすまを閉じた。
パジャマのまま靴を履いて庭に出る。この旅館の便所は庭の隅にあるのだ。
すると、ルルは妙なことに気が付いた。

庭の木々の間から光が漏れている。
しかもそれはどう見ても自然の光ではない、人工的なけばけばしい煌めきだった。
ルルはその光に吸い寄せられるように歩いた。
ルル「アッ…!」
そこは急勾配になっており、坂の下には巨大なホテルが建っていた。色とりどりのネオンがチカチカと眩しい。

ルルはわけがわからなかった。
こんな山奥の旅館のすぐ隣に、ホテルがあったなんて…!
ルルは自分の中にむらむらと好奇心が沸き上がるのを感じた。
行ってみたい。
ルルは坂を降り始めた。

しかしついこの前の失策が頭をよぎり我に返った。
ついつい出しゃばってうざ男の娘を仲間に引き入れてしまった記憶だ。独断で軽率な行動を取るとあんなことになってしまう。
ここは雪華司令に報告しよう。
ルルは宿への道を引き返した。
ルル「っと、その前にトイレ…」

[返信][編集]

277 :げらっち
2020/08/04(火) 02:34:39

「クスッ」
「な、何がおかしいんですか💦」
ルルが先ほど見た一部始終を雪華司令に話すと、彼女は静かに笑うのだった。

雪華「だってルルちゃん、一度したミスを繰り返さないようにちゃんと気を付けてて、偉いですね(笑)」
ルル「あ、ありがとうございます…」
雪華「あのホテルとこの旅館は、同じ経営者が管理している“強化合宿専門の宿泊施設”なんです。私は個人的にこぢんまりとした方が好きなので、こちらを選びましたが、ホテルの方には手練れのヒーローたちが泊まりに来ているはずです。あちらには、トレーニングルームなどが完備されていますから。それで…」
ルル「それで❔」
雪華「それだけです(笑) それではおやすみなさい☆.。.:*・゚good night☆.。.:*・゚」
ルルは肩透かしを喰らったような気分だった。


一方、その男は廊下でふすまにへばりつき今の会話を盗み聞きしていた。
「面白いこと聞いちゃったぜ^^」
その男…クロボー師は旅館から外に出ると、わき目もふらずに今聞いたホテルへ走り出した。坂を駆け下りながらこう叫んでいた。
「崖の上の旅館に居るのはCGR!世界一の悪党メンズスターと戦うヒーローだ!!腕を上げたいならCGRを倒しに行け!」
クロボー師はホテルに到着し、大声で叫び爆竹をところかまわず投げつけたためホテルの客は次々と飛び出してきた。
「なんだ、お前は!うるさいゾ」
クロボー師「俺はCGRの一員だ!文句があるなら崖の上の旅館に来ることだ!CGRのメンバーがお前らのお相手をするぞ!どうした怖いのか卑怯者どもめ!!」

[返信][編集]

278 :げらっち
2020/08/04(火) 02:37:26

ルルは騒音と怒号で目を覚ました。
まだ早朝だった。
昨日の激しい訓練のせいで全身が筋肉痛だった。まだ寝ていたい。
だが外の騒音はますます激しくなり、とても寝られる環境ではなくなった。ルルがむくりと体を起こすと、タレ・りんご・潤も既に目を覚ましていた。
タレ「あおはよう」
ルル「おはようございます…」
潤「で、どういう状況?」
4人は着替えることもせず渡り廊下に出た。すると、庭には大勢の大人が大声を上げて旅館を取り囲んでいた。

「俺たちは株式戦隊ホウジンジャー!CGR、俺たちの相手をしろーっ」
「いやいや、CGRは俺達有志戦隊ガチレンジャーが倒す!」
「ここは日の丸戦隊ニッポンジャーにお任せを。日本政府公認の唯一の戦隊です。」
「役人はんは引っ込みや!わてら関西連合オーキニファイブが地元の宣伝を兼ねて…」
ルル「(⊃ Д)⊃≡゚ ゚」
りんご「ナニコレナニコレ!?」
タレ「なんかやばそう\(^o^)/」
潤「これ表に出ないほうがよかったんじゃ…」
戦隊メンバーたちの戦意はCGRに向けられていた。このままではボコボコにされてしまう…そう思ったが、戦隊たちは一向に攻撃を仕掛けて来なかった。
「何者だ、お前らガキどもは!ここはヒーローのみが泊まれる施設の一角だぞ!」
「お嬢ちゃんたちCGRがどこにいるか知らない?」

そうか、この人たちは私たちがCGRだってことを知らないんだ…
ルル達4人は互いに目を合わせて安堵の表情をかわした。
CGRの正体はまだ誰にもバレていない…しかし、すぐにバレることになった。


「この女児どもがCGRの正体だ!!!」
ルル「!?」
それはまさしくクロボー師の声だった。
どこにいるのかと周りを見渡すと、クロボー師は庭の隅の小屋の屋根に仁王立ちしてカッコつけていた。そこ便所だけど。
「どういうことだ?」戦隊の一人が聞き返す。
クロボー師「CGRの正体はルル、タレ、りんご、潤、ここに居ないキーの5人だ。あいつらまだJSJC、一番上でも未成年の大学生だ!日本の未来をあいつらの双肩に賭けるのはあまりにも危険だということに気付かないのか?全国の選りすぐりの戦隊の皆さん、戦隊と魔法少女の違いも分からないあいつらに戦隊のあるまじき姿を教えてやってくれー!」

ルルはあまりにも馬鹿馬鹿しくなって、怒りを通り越して脱力してしまった。何だあの男は。
するとルルの後ろのふすまが開き、雪華司令その人が姿を現した。
クロボー師「よォ、腐ったパイ女じゃねーか!皆さん、アイツがCGR司令官Bカップの雪華だ!ゆきはなァ!おめーらの強化合宿とやらを盛り上げるためにこれだけの好敵手を呼び寄せてやったぜ。ざまーみろ!」

雪華は軽蔑というか、信じられないというような表情でクロボー師を見つめて黙っていた。
しかし戦隊たちはクロボー師に扇動され、CGRに対する敵意を見せていた。
「お前らガキ共には世界の平和を守るなど荷が重い!お前らを倒し、我々が世界の平和を守り抜く!」
「覚悟せいCGR!!」
ざっと百人近く入る戦隊メンバーが一斉に変身の動作に移るその姿は、ある意味圧巻だった。
しかしこれだけの数が相手では勝てるわけがない…
ルル「し、司令!」
タレ「うわあーたすけて!」
ルル達4人は雪華司令にしがみついた。
雪華「…下がっていなさい。」

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279 :げらっち
2020/08/04(火) 02:43:14

雪華は白銀のスマホを取り出した。
そして、こう叫んだ。
「コミュニティアプリ起動!」
白い光が彼女の体を包み込んだ。

「雪と大地の長者!ガールズホワイト!」

ルル「ええええええっ!?」
そこには白い仮面をつけた戦士が立っていた。
雪華「暫し眠りにつきなさい。」
雪華が手を上げると地の底から響くような耳障りな音、そして揺れが起きた。
庭の真ん中に穴が開き、それはまるで赤切れのようにみるみるうちに庭全体に広がった。それは大きな地割れとなり、集結していた戦隊のメンバーは全員、地の底に落ちていった。
そして揺れが収まると地割れは何事も無かったように口を閉じた。

クロボー師「な、な、な…」
「ぽちっと」
雪華がスマホをタップすると、クロボー師の佇立している便所が吹っ飛んだ。
クロボー師「だーっ!」
クロボー師は糞まみれになり地面に落ちた。

ルル「まっまままままさか」
潤「雪華司令が変身できたなんて…!」
キー「そうですよー」
ルル「キキキキーさん!」
ルルが振り向くと、そこには廊下に這いつくばって尺取り虫のようになったキーさんの姿があった。
キー「雪華さんはとてつもない魔力を持っています…ウェェ、二日酔いです…( ´ ཫ ` )」
ルル「キーさんはもう少し寝ていてください。」
タレ「で、おっこちてった戦隊のみなさんはどうなったん?」
雪華は振り向いてこう答えた。
雪華「安心してください、あいつら全員、記憶BANしておきました。」
タレ「おおそれはたすかる!」
りんご「つまるどういうことだ(。∀°)」
タレ「わしらがCGRだったって聞いた記憶を消したってことだろ?」
りんご「あーね。」

「おい、俺を無視して話を続けるとはいい度胸だな!」
糞を振り払ってクロボー師が復帰した。
クロボー師「ゆきはな!俺が稽古のために折角呼んでやった全国の戦隊の皆さんの記憶を消すとは、CGR司令官はそろそろ交代の時か?」
雪華「何を言ってるんですか?あなたは。」
雪華はスケートリンクを滑るような動きでクロボー師に詰め寄った。
クロボー師「やる気か?せーの、ぶっこわパーn」
雪華「マジカルバリアー!」
バチン!という凄まじい音とともにクロボー師の拳は撥ね返された。一瞬、氷の結晶の壁のようなものが見えた。
クロボー師は自分で自分を殴って後ろ向きに吹っ飛ぶというあほらしい恰好で崖の下まで飛んでいき、例のホテルに墜落した。
雪華「CGRの司令官は、私です。」
ルル「す、すごいびっくり…ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ 」


クロボー師「見てろよ、まだまだこれから…CGRをブッコワース!」

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280 :げらっち
2020/08/04(火) 02:49:59

旅館の一室ではCGRオールメンバーが集結し、机をぐるりと取り囲んでいた。
雪華「皆さん、突然のゲスト(笑)も有り、1泊2日の鬼畜合宿をよく耐え抜くことが出来ました。最後に、各々、今回の合宿で学んだことを発表してください。」
りんご「そうだねー、」
最初にりんごが口を開いた。
りんご「なんだかんだ言って黒帽子のお陰でいい訓練になった、と言っておくよ‼」
キー「僕は昨日一人でめっちゃ筋トレしてました☆(ゝω・)v その後は飲んでばかりでした(* ́罒`*)」
タレ「ストレッチで初めてつまさき付いて歓喜。」
潤「でも、一番印象に残ったのは…」
ルル「雪華司令が変身できたってことですうぅぅぅぅぅ!!!」
タレ「それなそれなそれそれな。」
ルル「めっちゃかっこよかったです(*/□\*)」
雪華は何も言わず微笑んでいた。

りんご「と、反省会はこれくらいにして‼」
潤「鍋パーティーやるぞおおおおおおおお」
タレ「パフパフ⌒\(  ́ω` )/⌒パフパフ」
ルル「何故に夏に鍋…」
潤「鍋はいいよ~!スタミナがつくからね!w」
机にはいつの間にか鍋が設置されていた。
キー「それじゃあ各自好きな具材をぶっこんじゃってくださいです!」
ルル「じゃ、じゃあ特製ハムとドイツ産ソーセージを…」
潤「ポテチ投入だぜ(`・ω・´)」
りんご「ちょい!お菓子ジャンwww俺もパイのみホームパイ入れるぜ」
タレ「じゃあわしは“ちょうもろくてすごいきのこ”を…」
HKK「僕を鍋に入れるなー!」
鍋は一瞬にしてゲテモノに変わった。

その時、ルルのスマホから音が鳴った。
「おめでたい~おめでたい~(歌)よーっハイッ!《でっていう!》」
りんご「なにそのイケてない着信音‼⤵」
タレ「センスを疑うじょ。」
ルル「ほっといてくださいな…ん?」
ルルのスマホの画面にはこう書かれていた。


❗~✨✨~✨.........✨~✨✨~❗

ぶっこわアプリご購入ありがとうございました。
代金としてお客様の講座から50万円引き出させてもらいました。
なーんてなw

❗~✨✨~✨.........✨~✨✨~❗

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281 :げらっち
2020/08/04(火) 02:53:18

ルルはいきなり雪華司令に押し倒され、我に返った時には畳に尻もちをついていた。雪華司令が私のスマホを持っている。
雪華とルルの眼があった。
次の瞬間、雪華の眼が裏返った。
元々色白だった肌はさらに不気味なほどに白くなり、まるで死人のようだった。
服はビリビリに破れ、白い体と太い足、長い尻尾が姿を現した。彼女の体は天井を突き破るほどまでに膨れ上がった。
ルルはただただ呆然としていた。恐怖感はしばらくしてから追いついて来た。

雪華は巨大な白い竜になり果てていた。

タレ「ルル、逃げろー!」
見るとタレ達4人は天井が崩れ落ちる中を散り散りになって逃げていた。
ルルも逃げようかとしたが足がもつれて転んでしまった。
ルル「あうっ!」
竜が咆哮を上げ、口から白い光球を出した。光球は屋根を突き破って回転しながらしばらく浮いたのち、真下に落ちた。
その一撃だけで旅館は半壊し、ルルは庭に吹き飛ばされた。
ルル「ぐはッ…あーー!」
目の前にクロボー師が立っていた。
クロボー師「俺の開発したぶっこわアプリの使い心地はどうだ?」

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282 :げらっち
2020/08/04(火) 03:23:16

ルル「ぶ、ぶっこわアプリ…?」
クロボー師「お前がタレ女と組み手している時、スマホをほっぽっておいたな?稽古をつけてやったついでにちょーっと違法改造させてもらったぜ。ぶっこわアプリを起動すると化け物に変身し、狼藉を働く。最も…」
クロボー師のグラサンがきらりと光った。
「本当はお前がああなるはずだったんだがな。」

ルルの背後では竜と化した雪華が暴れていた。もはや自我は無いらしい。
キー「やめて下さい雪華さん。゚(゚இωஇ゚)゚。」
クロボー師「やっちまえゆきはな…いや、ユディドラゴン!キズナパワーをブッコワース!!」
ユディドラゴンは翼をはばたかせ吹雪を起こし、りんご達を吹き飛ばした。
りんご「うわああああ‼」
タレ「ほへす」
潤「相手が雪華司令じゃ…戦えないよ!」
キー「いや、雪華さんなら迷わず“私を倒して!”と言うはずです。あのドラゴンが街で暴れたらそれこそ大変です。雪華さんの為にも…ここは戦いましょうっ!」
キーに鼓舞されタレ・りんご・潤は変身のポーズをとった。

りんご「コミュニティアプリ起動…」
潤「…あれっ、できない!?」
タレ「ここ電波悪いんとちゃう!?」
キー「ち、ちがいますっ!コミュニティアプリがアンインストールされてますうううう。゚(゚இωஇ゚)゚。」
タレ「うそーん。」
4人のスマホからコミュニティアプリが消えていた。
クロボー師「わーはっはっは!それぞれ個別に稽古をつけてやった時、キーおばさんは風呂に入ってスマホを脱衣場に置いてるときにいじらせてもらったぜ!」
りんご「やば!色々ヤバイ画像とか見られてないかな…」
タレ「気にするとこそこちゃうやろ。」

ルルはどうすることもできず地面にぺたんと座っていた。
ルルはアプリ以前にスマホを失ってしまっていたからだ。私のスマホは、おそらく瓦礫の下敷きに…
待てよ。
雪華司令が怪物になったのは私のスマホが原因だとしたら…
もしかして…

ルルは立ち上がった。

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283 :げらっち
2020/08/04(火) 04:11:43

ユディドラゴンがルルに掴みかかった。そしてその太い前脚で小柄なルルを強く締め付け持ち上げた。
ルル「あぎゃあああ!!」
クロボー師「どーだ、変身できない上相手が雪華ではどうしようもできないだろう。ユディドラ、そのままお通夜にしてしまえ!」

しかし。
ルルは笑っていた。
クロボー師「な、何がおかしい?ついに気が触れちゃったの~?」

雪華司令は、私を庇って、私の代わりに怪物になってしまった…

守ってくれてありがとう。
今度は私が助ける番。

ルルの心に炎が灯り、ルルの体は燃え上がった。その炎が燃え移り、ユディドラゴンはルルを離した。
ルルは着地して振り向いた。
ルル「ガールズレッドの極意は、変身せずに炎を生み出すこと!」
クロボー師「チクショー!しかし雪華が元に戻るわけでは…あーっ!」
炎が消えると竜の姿は消えており、雪華が地面に倒れていた。
キー「はい、注目です。」
倒壊した旅館の瓦礫の上にキー達4人が立っていた。キーはすすけたスマホを持っていた。それはルルのスマホだった。
キー「ルルちゃんのスマホを探してぶっこわアプリアンインストールしちゃいました!これもルルちゃんの作戦なんです(* ́罒`*)」
クロボー師「い、いつの間に作戦を伝達したんだ?」
潤「CGRの力の源は絆!アプリが無くとも以心伝心!」
りんご「だね!」
タレ「くろぼーしもやぁーすもやす」

クロボー師は2、3秒思考停止していたようでポカンとしていたが、やがて鬼のような形相になり拳を振り上げた。
ルル「クロボー師さん、あなたをぶったおーす!!」
ルルは再び燃え上がり、炎をまとった足でクロボー師を思い切り蹴飛ばした。


こちらメンズスターアジト。

ゲラッチ「クロボー師の離脱により、お前をメンズスター日本支部の副部長に任命する!」
ユメチビ「え?わ、私でいいの!?」
迅「文句なしっす(【】=ω=】)」
サロンにはゲラッチ、迅の幹部2人とともに人間の体を取り戻したユメチビの姿があった。そこに何かが飛んで来た。
HKK「まいどおなじみ茸宅急便でーす笑料金は250000000円でーす」
HKKが巨大な箱を持って突っ込んできたためユメチビは跳ね飛ばされ富士山のふもとに落ちていった。
ゲラッチ「はいハンコ…で、中身はなんだ?」
「俺だよクロボー師だよ!寝返ったふりしてCGRをぶっ壊してやろうと思ったら負けて送り返されちまったぜ!これからもよろしくな。」


つづく

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