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91.マリルイ学園CGR
 ┗60-63,99-103

60 :げらっち
2020/07/19(日) 01:14:24

第3話

いきなりのメンズスターアジト!

「次の怪人は…」

ゲラッチとクロボー師が何やら本を読んでいる。本にはこう書かれていた。“メンズスター怪人カタログ”
ゲラッチ「これなんかどうだ?特急怪人トトラ!」
クロボー師「駄目だ。そいつはすぐ逃亡しやがる。いじめばかり引き起こすJSと同じで戦力にはならん。」
そこにメンズスター日本支部3幹部の一人、迅が現れた。
迅「叔父貴!そんなら僕にお任せください!」
ゲラッチ「ほう、何か作戦でもあるのか?」
クロボー師「てめーは鯛茶漬けでも喰ってローヨ!」
迅「はいはいクロさんは黙っててくださいね。僕の作戦はですね、怪人なんかに頼らずともぉぉおお!!この僕が直接ぅぅう!ドンッ!出向いちゃいます!」
筋骨隆々で半身を機械化している彼が俊敏にキメポーズを取るのはあまりにも滑稽だった。
ゲラッチ「よくわからんが、今回は君に任す。」
迅「了解っす(【】ω・】)」


一方そのころ。
CGRのルル・タレ・りんご・潤の4人は町外れの山路を登っていた。
今日は4人とも私服である。
ルル「疲れた・・まだですか?」
潤「もうちょっとだよ、ガンバーw」
りんご「うへー、山嫌ーい。海行きたいーwww」
タレ「海はまた今度な。おっ、見えてきたじょ。あれがそうや。」
4人の目の前に古びた洋館が姿を現した。
迷彩色で森と一体化しており、道を知らなければ見つけるのは難しかっただろう。
ルル「ブッキーですね・・なんだか霊がいそうですっ✨」
りんご「ちょい!何きらきらしてんのさww」
ルル「私、多少霊感ありますんで。たま~に感じますよ。」
タレ「霊なんていーひんでwここはキーさんのお屋敷やし。」
ルル「えっそうなんですか!?(* ゚∀゚)」
りんご「だから、何でそんなに嬉しそうなの?ww」
ルル「え、だってキーさんて・・」

扉が開き、中からガールズピンク、キーその人が姿を現した。
「いらっしゃいませ~(❁´ω`❁)」
キーはロングの黒髪、メガネをかけており容姿端麗であった。
そして今日はダボダボのシャツにGパンというかなりラフな格好をしていたが、それでもルルの眼にはクールに映った。
「ルルさんは私の家に来るのは初めてですよね✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿」

ルルはドキッとした。
改めて近くで見ると、キーさんはやはり背が高い。
ルルは小学生でキーは大学生だからそれは当たり前なのだが、ルルの背は彼女の口元ほどの高さしかなかった。
私は150㎝だから、キーさんは…

そしておもむろにキーがルルの手を掴んで「行きましょう」と言った。ルルはどぎまぎしながらキーに引きずられ屋敷の中に入った。

キーさんはCGRの中で一番大人っぽく、安心感があり、そして優しい。彼女はルルの憧れだった。

[返信][編集]

61 :げらっち
2020/07/19(日) 01:15:44

屋敷の中は外観とは正反対の、近代的な造りになっていた。
まず何と言っても照明が明るい。
そしてあちらこちらに何やら不可思議な装置や計器が敷き詰められていた。しかし雑多さは微塵も感じない、整然としている。
まるで研究室のようだった。
ルル「あの・・お父さんが博士とか・・ですか?」
キー「違います!これは僕の趣味なんです( •̀ω•́ )✧」
キーは振り向いてなんとも誇らしげに指を振った。
タレ「そうやで。キーさんの両親はぶるじょあでシンガポールに住んでるんや。」
ルル「し、しんがぽーるる・・」
潤「それでね!キーさんも向こうに居たんだけど、大学で日本の文化や技術を学ぶために一人でこっちに来たんだよ(`・ω・´)」
ルル「す、すごいっすね・・」
タレ「つまりぎゃくゆにゅうてきかいがいりゅうがく。」
りんご「逆輸入てw草wwwwww」
タレ「くさにくさをはやすな」
ルルはひたすら口をパクパクさせていた。
その時。
ルル「(⊃ Д)⊃≡゚ ゚」
背中に突如冷たいものが触れた。ルルはびくっとしくるりと振り向き、腕をハの字に構え交戦のポーズを取った。しかし、そこに居たのは…

「反応カワユス(笑) あいかわらずだな。」
そこには雪華司令が立っていた。
何だか久しぶりだった。司令とはCGRにスカウトされたあの日から会っていなかったのだ。
「元気にしてましたか?お姉さんは、元気です(笑)」
ルルの記憶では雪華は変人だったが、どうやら脳内補正は行われていなかったらしい。雪華は改めて見てもやはり変だった。
雪華は幼女体型で、良い大人なのに真っ白でフリフリフリルのドレスを着ている。小さめの顔に黒いくせっ毛のショートヘアがまとわりついているようだった。
そして妖しい笑顔。
ルル「何でここにいるんですかああ!?」
雪華「あれ、聞いてなかったの(笑) ルルたん、CGRの基地はここに移転して、キーちゃんのおうちを基地にすることにした。それで、ここにいるというわけです。」
雪華はのらりくらりと答えた。
ルルの頭の中で第1話の映像が再生された。
そうだ、CGRの基地は雪華の仕掛けたエフェクト火薬で全焼して使い物にならなくなったんだっけ・・・
キー「一応僕はCGRのサブリーダーですからね(*≧∀≦)」
タレ「てことは2人で暮らしてるんやな。」
りんご「┌メノ┌^ノ。 ^リ┐?」

雪華はスキップするように歩き、部屋の中央のいかにも社長が座るような椅子に座った。
椅子の前には大きな机があり、その机はディスプレイやタッチパネルなどPCの周辺機器のようなものに囲まれていた。
雪華が赤いボタンを押すと、机の一部がパカっと開き、前回手にした3つ目のキャスストーンがせり上がってきた。
そして雪華がキーボードをタタンと叩いた。
ディスプレイの1つに謎の文字列が表示された。
ルルには到底読むことが出来なかった。タレ・りんご・潤の3人も首を傾げている。
だがキーだけは違った。
キーは雪華の後ろに回り込み、椅子の背もたれに両手を乗せると、顔を画面にぐぐっと近付けた。
彼女のメガネに文字列が写った。
キー「なるほどです…4つ目のキャスストーンの在処がわかりました(´。✪ω✪。 `)」

ルル達4人は口をぽかーんと開けていた。

キー「4つ目のキャスストーンは暗黒結社糸黒の手中にあるようです。」
潤「暗黒結社?」
タレ「な、なんかやばそうな響き。」
キー「そんなことないですよ。」
キーはその場でくるりと一回転して言った。
キー「怪人と比べればマフィア一家潰すくらいなんてことないですよ( ๑•̀ω•́๑)」


ルル達はまたまた唖然としてしまった。

[返信][編集]

62 :げらっち
2020/07/19(日) 01:16:05

キーはまったくもってしたたかだ。
彼女は暗黒結社を「1人で」潰しに行くと公言したのだった。

雪華「本当にいけますか?」
キー「いけます。」

それでもルルは、やはり心配な気持ちで一杯になっていた。
ルル「キーさーん・・・」
キー「大丈夫ですよ(❁´ω`❁)必ず無事に帰ってきます( •̀ω•́ )✧」
キーはそのスラッとして綺麗な人差し指をルルの前に差し出した。
キー「シンガポールでの指切りはこうやるんです。」
ルルは人差し指を出し、キーの指と交差させ、強く握った。
キー「では行って参ります。」
キーは背中を向けた。長い髪がバサッとなびいた。

タレ「さすがキーさん!かっちょいい!」
潤「キーさんなら大丈夫!(`・ω・´)」
りんご「じゃあさー、せっかくみんな揃ってるしうちらは海に遊びに行かない⁉」
潤「さんせーい!」
タレ「いいね!雪華司令も行くぴよ?」
雪華「え、私はですね、これから殿方とのお食事に呼ばれているので、いけまセンガクジャー。オッホン。」
雪華も席を立った。
りんご「あ、その後ホテルで×××…」
タレ「草草の草ぁ!」
潤「…www」

「ちょっと!せっかく海に来たんだから泳ごうよー!ww」

青い海、白い砂浜。そして太陽。
4人はいきなり海に移動していた。
しかし水着を着ているのはりんごだけだった。
タレ「わしさむいの苦手。」
りんご「コラー!💢💢彼氏できないぞー!」
タレ「ぴえん。」
タレと潤は服を着たまま浜のベンチでスマホをいじり、ポテチを開けて貪り喰っていた。不健康な上にスマホが汚れる。
りんご「たくもー(💢・∀・)じゃあルルだけでも着替えてくんない?」
ルル「えっ」
りんごにやや強引にブラウスを掴まれ、ルルは立ち上がりかけた。
ルル「でも私泳ぐの得意じゃないし・・ごめんなさい、今回はパスで❕」
一応学校の水着とゴーグルは持ってきていた。
だがなんとも気が乗らなかったのである。
りんご「もうまじでみんな嫌い💢まじで一人で泳いでくる。」
そう言うとりんごは海に入って行った。
潤「行っちゃったけど…」
タレ「ま、あいつのことだからすぐ戻って来るだろ。」
2人は寝そべってスマホでSNSをやっているようだった。
ルルもタブレットを起動した。そしてタッチペンを取り出しお絵描きを始めた。
こうすれば少しは気がまぎれるから。


ルルの心は全く晴れていなかった。
キーさんへの心配とは別の何かが心の空を覆っているようだった。

[返信][編集]

63 :げらっち
2020/07/19(日) 02:30:58

彼女は自信に溢れていた。
異国の地での勉強、毎日欠かさず行った筋トレ、誰よりも精を出して励んだトレーニング。その全てが自信につながっている。
彼女は自己分析も得意中の得意なのだ。

キーが風のように通り抜けると、後には気絶したマフィアたちが転がっていた。
この程度の相手なら変身せずとも体術でちょちょいのちょいなのである。

自転車に乗って坂を駆け下りるような爽快感。
キーは風をまとい、ガールズピンクに変身した。
「トルネード・トルネード!」
呪文を唱え、指で宙を切る。
すると風が沸き起こり目の前の大男を一撃で吹き飛ばした。

キーはいとも簡単に暗黒結社糸黒の大ボスを失神させてしまった。

「楽勝、楽勝…♪」
キーはアジトの奥の部屋にある、巨大な金庫の前に立った。
しかし様子がおかしい。
キーはすぐさま横っ飛びに飛んでそれを回避した。
金庫が大爆発を起こしたのである。
凄まじい爆炎と共に、瓦礫がキーの頭上に降り注いだ。
そして、声がした。

「ヴェハハハハハハハ!!間一髪でかわすとは、やるじゃねーか!CGRの娘さんよォ!!」

聞き覚えのある声だ。
キー「あなたは…」
「覚えてないのかァ?そんなら自己紹介だ!俺はメンズスター一の攻撃力を誇る闘士、迅!覚えて帰んな!無論、生きて帰す気は無いがなァ!!」
迅は背中の鞘から二刀流の三日月刀を取り出した。
キー「トルネード・トルネード!」
竜巻が迅を襲う。
しかし迅はそんなものは在りもしないかのようにキーをめがけて突進した。そして刀を振り下ろす。
キー「ぐはああああっ!!」
刀がスーツを切り裂き、火花が飛び散った。
キーはのけぞって後ろに倒れた。もし変身していなかったら即死していただろう。
迅「そんなそよ風じゃ俺は倒せねーぜ、」
キー「何のっ」
キーも負けずと迅の足に喰らいつき、迅を捻り倒した。
だが迅は片腕で逆立ちの状態になり、おまけに倒れざまにキーに脚術をお見舞いした。この男、見た目以上に身軽である。
キー「こうなったら…秘技、神風フィスト!」
キーの両腕が音速の如きスピードで迅の体に殴打を浴びせた。
迅「ちょこまかと五月蠅い奴だ!疾風迅雷拳!」
キー「うぐっ…!!!」
迅はその一撃でキーをノックアウトした。
キーの変身が解け倒れる。

迅「おっとォ!誰かと思えばCGR一の実力者と言われるキーさんじゃねえか!無様な姿だなァ!冥土のおみやげに良いことを教えてやるぜ!」
キーはうつぶせに倒れた状態で迅を睨めつけた。
迅「ここにキャスストーンは無いぜ!美羽とか言うガキのなれの果てであるあの石に、ちょーっと細工をさせてもらったのよ、あの情報は真っ赤な大嘘だ!!」
キーの表情が憤怒から驚愕へと変わった。
迅「貴様らは5人揃わなければ無力、そして残りの奴らは俺の送り込んだ怪物が始末する!てめえのミスでCGRは壊滅ってなわけよ、オラオラァ!あの自信はどこ行ったァ!?」
迅は刀の一本を振り下ろし、キーの手の甲に思い切り突き刺した。
キー「うぎゃあああああっ!!」

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99 :げらっち
2020/07/21(火) 23:15:45

薄暗いスラム街の一角。
錆びた十字架に烏がたかって喚いていた。
烏が飛び立つと、そこにはボロボロの女性が括りつけられているのが見えた。
キーだった。
迅「さあ、処刑《Execution》のカウントダウンと行きましょうか。」
迅は小型の砂時計を取り出した。
迅「この砂が一粒残らず地に落ちた時、お前は死ぬ…ブゥゥゥゥゥン!!!」
キーは俯いたまま黙っていた。
彼女は深い罪悪感に襲われていたのだ。自分の自惚れが、皆に悲劇をもたらすことになる…


一方そんなことは露知らず、ルル、タレ、潤の3人は浜辺に寝そべって端末をいじっていた。
潤「ルルちゃんは何やってんの~?」
ルル「私はお絵描きを・・」
タレ「見して!」
先輩2人がルルのタブレットを覗き込んだ。
潤「ん?んんんんん!?」
ルル「あ、すいません。私の絵柄独特で(´・∀・`)♡」
タレ「・・・えっぐ!EGGだいすき。」

その時、微かな声が聞こえた。
「タースケテー」
潤「ん?」

「たあーーすけーーてーーー(*ノ゚Д゚)八(」

タレ「あれはまさしくりんごのこえ。」

すると突如海で大きな波しぶきが起こり、巨大な水の竜巻のようなものが立ち昇った。
その竜巻の中からりんごが姿を現し、空中に思い切り吹き上げられた。

「わー(*ノ゚Д゚)八(」

空中で2、3度宙返りしたりんごは再び竜巻の中に消えた。
そして水面から無数の竜巻が現れた。全部で8本はある。

ルル「あれはまさか・・!」

水流の竜巻だと思われていたそれは、その巨大な怪物の触手だということがわかった。
海中から巨大な朱色のドームのようなものが姿を現した。

潤「タコ焼き!」
タレ「タコ焼きうまいよな。って言ってる場合じゃないやろ!」
ルル「波が来ますっ、下がりましょう!」
3人は砂浜の小高い丘まで走った。大波が起こり、今までルル達が居た場所は忽ち海の中に沈んでしまった。
ルルが振り返ると、そこには小さな山ほどもあろう巨大な蛸が浅瀬に乗り上げ、太い触手をばたつかせ暴れていた。
そしてその触手の一本に足を絡め取られ、無残にも宙吊りになったりんごの姿が映った。

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100 :げらっち
2020/07/21(火) 23:20:58

「ここで迅の解説タイム!」
タレ「ちょ、いきなり出てくんなや!」

「こいつは俺が生み出したモンスター・海人タコゾウ!たっぷり苦戦してくれよな、アバヨ!!」

潤「い、今のは何だったの…?w」
タレ「知るか。話を続けるじょ。」

ルル達の頭上には水着姿の林檎が逆さ吊りになっていた。濡れた茶髪が垂れ下がって顔を覆っている。
タレ「罰ゲームみたいな恰好やな。」
りんご「いいから助けてよー!💢」
りんごはプラプラと揺れながら怒った。
タレ「仕方ないな。どうする?」
潤「うーん、後でポテチ3袋おごってくれたら…ね?」
タレ「それさいこう.。゚+.(・∀・)゚+.゚」
りんご「りょりょりょ分かったから早くぅぅ!」

潤「それじゃあ今回は3人でやろっか!」
ルル「おけです!」
タレ「いくで。コミュニティァア゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!・・」
変身しようとした瞬間、タレが触手の1本に捕えられ持ち上げられた。
ルルも自分の体に異変を感じた。下を向くと既に腰に太い触手が巻き付いていた。それは握られるというよりは吸い付くような感覚だった。ルルの足が浮いた。

CGRの4人は4本の触手でガッチリと捕えられ、成す術もなく宙を漂っていた。
タコのパカパカした口から潮水と共にうめき声のようなものが漏れた。

「お前らに幻影を見せてやるぞ…」

タレ「喋れたんや!このタコ。」
そして蛸の触手が何やら怪しい動きを始めた。
潤「わああああああっ!!」
りんご「どうしたー!?」
潤「やめてぇ……虫だけは…良い子だから…お願いやめてぇぇ……」
潤は今や太い触手にぐるぐる巻きにされていた。そしてその隙間から潤の冷や汗だらけの苦しそうな顔が垣間見えた。
りんご「ああんんんん!!」
タレ「うっわ次はりんごどうした!?」
りんご「やだー!テスト勉強やだー!たーすけてー(°∀。)」
りんごは触手に足を掴まれたまま上下に跳ね飛ばされ咽いでいた。まるでヨーヨーのようだった。
タレ「こいつは私たちの一番気にしていることの幻影を見せているようやな…!」
ルル「そうですね・・・」
タレ「あ/^o^\」
ルル「ど、どうしました⁉」
タレはオワタというような顔をしていた。
タレ「ぴえーーーーーーーーーーーーーーーーん!!治りかけてた足の指のタコ刺激しないでええまじで!!」
触手が小刻みに振動しタレの弱点を突いていたようだ!
ルル「ああ、タレ先輩まで・・」

そして本当の恐怖がルルを襲った。
触手は胸に強く絡みついている。息が苦しい。
次は間違いなく私の番だ…
私は一体、どんな幻影を見るんだろう?
触手が段々と不快感を帯び、それ伝播してくるのがわかった。

[返信][編集]

101 :げらっち
2020/07/21(火) 23:33:27

暗闇。

キーさんが目の前に立っていた。

然し一向に振り向いてくれない。
私はキーさんを追いかけた。だが足が重く、走ろうとしても床にへばりついてしまう。
次第に瞼も開かなくなり、私は目も見えぬままその場でうずくまっていた。それでも目の前にキーさんがいる…

ルルは初めて自分の感情を理解した。

これは憧れでも心配でもない。
ずっとずっと気になっていた気持ち。
私はキーさんに心を開いてほしかっただけなんだ!
キーさんは自信家なんかじゃない。
キーさんは私たち4人に気をつかって、誰とも打ち解けられないでいるんだ。
そんな必要は、無い!
迷惑をかけあうのが友達。迷惑をかけるのを極端に嫌がって、遠慮し合ってる関係なんて嫌。
キーさん私に心を開いてっっっ!!!

遠く離れていてもキズナパワーは力を失わない。
ルルの想いはキーの元へと飛び立った。


迅「あーもう我慢できねええええ」
迅は時間を待たずして砂時計を握り潰した。
キー「!」
迅「血祭りにあげてやるぜぇぇええええええええっ!!!」迅が刀を振り降ろす。
その時。
キーの心の中に、灯のように炎がともった。
それは一瞬にして体中を駆け巡り、キーの中に活力が戻った。この温かみは、覚えがある…
キー「…ルルちゃん、」
キーは既に消えていた。
迅「ちょ!?」
巨大な刀は空を切り、迅は思い切りずっこけた。

キーは台風のように唸り猛スピードで空を飛んでいた。
そして瞬時にルル達の居る海に到着、タコゾウの周りを風が切り、4本の触手がスパンと切り落とされた。
タコゾウ「だーーーーっ!!」

ルルはいきなり光の中に投げ出された。
拘束が解けたようだ。
わけもわからぬまま、下に海を見た。
落ちてゆく…

ルルは海にドボンする覚悟を決め目を瞑った。
しかし一向にドボンは来ない。
それどころか、自分がいつの間にか温かいものに抱かれていることに気付いた。

キーさんが私の顔を覗き込んでいた。
どうやらキーさんが私をキャッチしてくれたようだ。
キーさんは私の顔を覗き込み、ニコッと笑った。左右の頬にえくぼが出来た。そのかっこよさと可愛さのギャップに、私はちょっとどぎまぎしてしまった。
下を見ると、キーさんは足から風を起こし海面を浮いていた。すごい。
しかも私は自分の体勢がわかって更に恥ずかしくなった。
私はキーさんにお姫様抱っこされている!
「ありがとうございます。」
ルル「えっ!?」
ルルは耳を疑った。お礼を言うのはこっちの方なのに、キーがそう言っていたからだ。気になったがその時声がした。
りんご「おぉーい!うちらも助けんかー!ww」
タレ「放置はひどいじょ。まぢで。ぴえんぬ。」
潤「(´・ω・`)」
CGRの他3名はもろにドボンしたようで海にプカプカ浮かんでいた。
キー「はい、今助けますよ❀.(*´ω`*)❀.」
ルルはさっきのキーの言葉を聞きそびれ、少し残念な気持ちになった。しかしキーはルルの耳元でそっと囁いた。
「ルルちゃんの叫び、ちゃんと聞こえましたよ。あんなに熱いラブコールは初めてです(´,,•ω•,,`) もしあれがなかったら、僕は約束を守れていませんでした。本当に感謝します。」
キーは包帯の巻かれた右手でルルの前髪をサッと撫でた。
ルルは本当に居場所がなくなって、海に転げ落ちようかと思った。

[返信][編集]

102 :げらっち
2020/07/21(火) 23:35:46

キーの起こした風に乗り、5人は浜辺に戻った。
「実はですね…」
キーが口を開いた。
「僕の解読した暗号は罠でした。間違いだったんです。キャスストーンは有りませんでした。申し訳ないです。」
タレ「そうだったのか!全然気にしてないじょ。」
りんご「そうだよー!間違いは誰にでもあるよ。」
潤「私なんか間違ってばっか…w」
キー「温かいお言葉ありがとうございますうううう。゚(゚இωஇ゚)゚。」
タレ「てかキーさん来なきゃ私らチーン…だったもんな。」
りんご「うんうん(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。)」
キーが皆と打ち解けたようで、ルルは嬉しかった。
りんご「とりあえず基地に帰ろ!」
だがそうは行かなかった。
「ターコタコタコ!!」

今度は砂の中から触手の半分を失ったタコゾウが現れた。
タレ「あんたしつこいな!」
タコゾウ「いや~すまぬすまぬ。でも俺怪物だから暴れなきゃなんないんだよなあ・・・(小並感)」
そう言うと巨大な蛸は残った触手を打ち付けて暴れ出した。
タレ「今度こそ5人そろって変身や!」

ルル「炎の勇者!ガールズレッド!」
りんご「電気の使者!ガールズイエロー!」
潤「水の覇者!ガールズブルー!」
タレ「草の猛者!ガールズグリーン!」
キー「風の賢者!ガールズピンク!」

5人「コミュニティガールズレンジャー!!!!!」

5人それぞれのエレメントが少女たちの体を包み、仮面やスーツ、ブーツや手袋になり彼女たちの防御力と運動神経を飛躍的に上昇させる。5人は戦闘開始のポーズを取った。

りんご「うっし‼俺の電撃で‼」
キー「ちょっと待ってください!」
キーが制止した。
キー「せっかくですから僕の開発した必殺武器を使ってみて下さい!」
潤「必殺武器?」
キー「武器って言っても、今までの変身用のスマホを使うんですけどね。皆さんのスマホに新しいアプリを送信しておきました。再起動してください!」
りんご「これは…」
タレ「みんなのエレメントが変わるアプリ!?」
キー「はい!略して“みんかわ”です!これを使えば今まで固定だった私たちの力を、お互いに交換することが出来ます✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿」
タレ「何それ最高やん。」

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103 :げらっち
2020/07/21(火) 23:36:16

潤「じゃあ私から行くよ!タレちゃん、草のパワー送って!」
タレ「おっけー使ってみて!」
潤のスマホにタレの草魔法がインストールされたようだ。
潤「水と草の力!リーフカッター!」
先の尖った葉っぱが水しぶきを上げながら旋回し、タコゾウの残る4本の触手を切り落とした。
タコゾウ「ワシにはまだ墨あるワシ」
タコゾウは真っ黒い墨を思い切り地面に吹き付け飛び上がると、こちらに向かって落下してきた。
タレ「りんご!雷の力よこせ!」
りんご「はいはーいw」
タレ「電気と草の力!ぴよぴよビリビリぱーんち!」
タレが電気をはらんだパンチをタコに決めると、エフェクトとしてヒヨコのようなものが現れすぐに消えた。タコは再び上空に飛ばされた。
りんご「キーさん、風の力ちょーだい!」
キー「はいっ。」
りんご「風と電気の力!りんごタイフーン!」
台風がタコに直撃。蛸は砂浜に埋まってしまった。
タコゾウ「ちょっとひどくないか?」
タレ「ひどくはない!ルル、とどめやー!」
ルル「あの・・私のスマホではそのアプリ開けないってなってるんですが・・」
タレ「え。」
ルルのスマホ画面にはerrorの文字が映っていた。
キー「すいません、ルルちゃんのスマホだけバージョンが違うようなんです…後から入ったからでしょうかね(A;´・ω・)アセアセ ルルちゃんは専用のこっちを使ってください!」
キーはタブレットとタッチペンを取り出した。
ルル「おお!これは?」
キー「これは描いたものを具現化できる兵器タブです!」
ルル「やってみます!」
ルルはいつも自分の液タブに描いているような絵をものの数秒で描き上げた。
それはB級ホラー映画に出てきそうなグロテスクな幽霊の絵だった。
キー「す、素敵な絵ですね:(´◦ω◦`):」
タレ「出た。」
すると兵器タブからその幽霊が飛び出した。
ルル「わあ✨幽霊さん、やっちゃってください!トラウマダイナマイッですぅ!」
幽霊はルルに笑顔とは対照的な恐ろしい形相で飛び、一直線にタコゾウを貫いた。
タコゾウの体に電気のようなものが走り、大爆発を起こした。
タコゾウ「bye-bye」
小さな蛸が吹き飛ばさて行き海に落ちた。
どうやら普通の蛸が迅によってモンスター化させられていたらしい。元の蛸に戻って海に帰れてよかった。
潤「やったね!」
りんご「よし、とりあえずキメポーズでも取ろう!ww」
5人は海に背を向けカッコいいポーズを取ってみた。


日も暮れて、5人は基地に帰ってきた。
タレ「こんなに酷い目に遭ったのに今回は収穫ナシかぴえん。」
ルル「まあまあ・・」
するとそれを雪華司令が出迎えた。
手に石を持っている。
雪華「お帰りなさい。4つ目のキャスストーンなら私が見つけておきましたよ(笑)」
潤「ええええええ!?」
りんご「そ、それをどこで…」
雪華「えと…それはだな、本日お相手した殿方が、偶々これを持っていましたが故…偶然ですよ(笑) ちなみに料金はカラダで…ね?」
雪華は薄笑いを浮かべて自室に戻った。

ルル「たまたま、ですか・・・」
キー「くす。」
りんご「絶対嘘だww」
タレ「それ。」
ルル「え、嘘!?」
潤「うん、嘘だね。小説大会の残念賞と言い司令は嘘がヘタw本当は1人ですごい戦いを勝ち抜いて手に入れたんだろうなあww」
キー「きっと僕の間違いにも気づいていたんでしょうね。しかも僕たちの成長のためにわざと止めなかった。雪華さんにはかないません( ´ • ω • ` )」
ルル「雪華司令・・か、かっこいいです・・(๑・﹃ ・`๑)」
タレ「ミーハーやな。」

つづく

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