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91.マリルイ学園CGR
 ┗626-635

626 :げらっち
2020/08/30(日) 23:58:58

第11話

ウウーウーウー…

街に響き渡るサイレン。

パタンパタンパタン…
転がるように次々と青いレールが敷かれ伸びていく。
そして2両編成の大きな車両が走って来た。
先頭車は恐竜の頭のようになっており、全体としては巨大な獅子舞が街をうねっているようだ。
恐竜の口が開き炎が噴かれた。
忽ち建物に燃え移り爆炎を起こす。

「わーはっは!やれ!平和な街をブッコワース!」

運転席にはクロボー師の姿があった。
そしてもう1人クロボー師の隣に、白いスーツと帽子に身を包んだ男性が座っていた。下半身は操縦席と一体化しているようだ。
クロボー師「逃亡壁のあるトトラを捕まえてついにレクスプレスを起動させちゃったぞ。」
トトラ「逃げてないよ。"忙しいだけ"」
クロボー師「CGRの乗り物などあのへんなクモと自転車程度しかねぇ!しかもクモには飛び道具の一つもないから勝ったも同然だ!」

今や街全体が炎に包まれていた。
あちこちから黒煙が立ち込める。
野良猫は塀をつたって上手く火を避け街の片隅に逃げていった。


ビルの屋上からこの光景を見下ろしていたのはCGRのキー。
スマホを取り出すとそこには潤の顔が映っていた。
「キーさんやばいよ!いちいち水をかけて消してたんじゃどうにもならないよ!」
今や街の各地で火災が起きていた。
「避難はもう済んでいるんですね?」
キーのその問いかけに対し画面がパパっと切り替わる。
「こちらりんご‼東側は済んでるからこっちにはもう誰も居ないよー‼」
「こちらタレ。西側も同じく。ぴよ。」

「それでは…コミュニティアプリ起動!風の賢者、ガールズピンク!」

キーは桃色の戦士に変身した。
キー「皆さんも変身しておいてください。さもないと、下手すれば死にます( •ω• )✧」
潤「え?」
キーは両腕を上げた。
そして目下の街に向けて思い切り振り降ろした。

「無風帯…ッ!!」

風がぴたりと止んだ。
それだけではない。
飛んでいた鳥は意識を失ったかのように落ち、池では次々に魚が浮かび上がってきた。
街の片隅に逃げていた猫も、ばったりと倒れた。

ルルからの通信が入った。
「キーさん!どゆことですか?」

「この町全体の酸素を締め出してしまいました、これが1番手っ取り早いです。酸素が無ければ火は燃えません!」

[返信][編集]

627 :げらっち
2020/08/31(月) 00:15:53

クロボー師「な、なんだ?炎が…」
トトラ「消えていく。」
街の炎はしゅんとなって消えた。

クロボー師は驚きを隠せない表情だったが、すぐに能天気な顔に戻って言った。
「見ろ!そろそろ踏切に到着するぞぉ」
数百メートル先に踏切が敷設されていた。
トトラ「いやなんで踏切があるんだ?もし誰か立ち往生でもして轢いてしまったらどうするんだ?」
クロボー師「折角線路を敷くならリアルな方がいいってのは当然だと思うが。それにわざわざ立ち入る奴はいねぇよ。」
トトラ「でもないぞ?あれはなんだ」

ジャンジャンと音を立てて閉まる踏切の遮断機を強引に押し上げ、機械の巨大な蜘蛛が線路に侵入してきた。
クロボー師「げっあれはオゲレツ節足動物のめいチャン。合体もできん兵器に用は無い。轢き潰ーす!」
レクスプレスは時速240kmにまで加速しめいチャンに突撃する。
koto「オゲレツ節足動物ではありません。名状しがたきめいチャンです。」
めいチャンは6本の鋼鉄の足を大きく広げレクスプレスを受け止めた。
koto「ちいっ」
めいチャンは凄まじい衝撃を受けながらも残る2本の鋼鉄の足で踏ん張り、火花を撒き散らしてレクスプレスを減速させていく。
クロボー師「嘘でしょォ!?」
koto「どにゃーーーっ」
めいチャンはレクスプレスを横倒しに脱線させた。レクスプレスは回転しながらビルに突っ込み、大爆発を起こした。


瓦礫の中からクロボー師が這い出て来た。
「くそートトラのやつはどこだ?あーまた逃亡しやがったよ。これじゃ列車復旧できないよ… 無謀な作戦になっちまったなあ。次こそ見てローヨ」

クロボー師はメンズスターアジトに帰宅した。
「おかえりなさいっす」
いかつい風貌の迅がエプロンと三角巾を付けて出迎えた。
クロボー師「おー今日の夕めしはイタリアンか!実はちょっと好物だから嬉しくなっちゃったぞ。」
ちゃぶ台の上にカルパッチョなど迅手作りの豪華な料理が並んでいる。しかしそこでは美羽が仁王立ちして待ち構えていた。
美羽「ちょっとー、私の許可なく作戦をやって、しかも失敗して。それって、いいことー❔」
美羽は黒いステッキをクロボー師の胸元に突き付けた。
クロボー師「何様のつもりなんだぁ?」
美羽「何様って、わかってるよね➰」
美羽はステッキをぐるりと回す。

「メンズスター新部長、みうだおー💘」

クロボー師はギリリと歯を噛み合わせた。
すると迅がクロボー師の肩をちょんちょんと突いた。
「ちょっと黒さん、見てほしいものがあるんすけど、」


クロボー師は迅に連れられアジトの最下層にあたる場所にやって来た。一度も足を踏み入れたことの無い場所だ。
「ここは格納庫か何かか?」
「つべこべ言わずこれを見てみて下さいよ。」
迅が壁のレバーをガチャンと上げると、真っ暗だった室内にあかりがともった。
「!」

そこにあったのは見上げるほど大きな銀色の鎧だった。
鎧と言っても西洋の甲冑のようなものではなく、日本の戦国時代の武者が身に着けているような鎧兜に近い。
「ゲラッチのやつこんなもんを隠し持ってやがったのか?」
「いいからこれを見て下さい。同封されていたコイツの取説です。」
迅がクロボー師に4つ折りにされた藁半紙のようなものを手渡した。

「…なるほどな」
クロボー師のサングラスがギラリと黒光りした。

[返信][編集]

628 :げらっち
2020/08/31(月) 00:42:59

レクスプレス騒動は雪華とキーの工作により、突如街で起きた火事嵐だという報道をなされた。

CGRは打ち上げとして市内のカラオケにやって来た。
ルル「6時間貸し切りですぅ!」
潤「あれ、そういえばkotoは?」
雪華「kotoちゃんは、お留守番中です。あの子、人が大勢集まるところとか苦手なので(笑)」
暗い室内にはkoto以外の6人が所狭しと座っている。

雪華「それじゃあどんどん曲を入れたりおやつ頼んだりしてください!!今日は雪華お姉さんの、おごりです(笑)」
りんご「(*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノィェーィ!」
タレ「パフパフ⌒\( ´ω` )/⌒パフパフ キーさんから歌ったら?今回のkotoに次ぐMVPやし。」
キー「ええ~、僕は歌とか無理ですよ…」
キーは顔を赤らめた。
りんご「じゃあ俺から、」
キー「あっ待ってくださいやっぱり歌います」

キーはすらりと長い指でタッチパネルをつんつん叩き曲を入れた。TV画面からイントロが流れ、キーはマイクを握った。
「What a cool girl!」と言う曲だった。
キーは英語の歌詞を完璧に歌い上げ、歌に合わせて振り付けもこなして見せた。そのキレの良さに、ルルは自分が同性であることさえ忘れてめろめろになってしまった。

ルル「キーさんすごいですっ!強くて頭も良くてスタイルも良くて…その上歌も歌えるなんて、キーさんにできないことなんてあるんですか?」
キーはマイクを置いてルルににこっと笑顔を見せた。
ルル「いいなあ…私がもしキーさんになったら、悩みなんて何にもなくなるのにな…(´・∀・`)」
キー「…」

するとりんごがパフェを食べべたべたになった手でキーからマイクを奪い取った。
りんご「次は俺が歌うよ‼曲は…」
突如TV画面が真っ暗になった。
りんご「おいおいいい所で壊れんなwwwwwwww」
タレ「お前の下手な歌なんて誰も聞きたくないんだお(  ́ ・ω・ ` )」
次の瞬間、映像が切り替わった。

「おはようCGRの諸君。」

そこにはクロボー師の顔がドあっぷで映っていた。
タレ「げ!あの黒い脅威いきてやがったのか」

「レクスプレスの件は乙。ここで皆さんに重大な発表があるぞぉ、心して聞いてほしい」

りんご「うるさいだーまれー(*ノ゚Д゚)八(」
雪華「アンタが静かにしなさい。」
雪華がりんごの口を塞ぎソファに押し倒した。

「5日後の9月23日正午、更なる巨大戦力を首都東京に上陸させる!レクスプレスはぶっこわされたが、お前らは巨大化戦には疎い奴らだという事がよーくわかった。今度こそCGRをブッコワース!あっかんべー!!」

クロボー師が思い切り舌を伸ばすと、画面は何事も無かったように元のカラオケの物に戻った。
そして呆然とするCGRメンバーをよそにパプリカのイントロが虚しく流れ始めた。

[返信][編集]

629 :げらっち
2020/08/31(月) 01:16:02

9月19日(日)

「あんなのハッタリに決まってるよ‼」
「そうは限らないよ、現に巨大兵器がある事は証明されてるんだし。」

りんごと潤は早歩きで山路を歩いていた。
この山全体がキーの家の敷地となっており、離れにあるkotoの住処に向かっているのだ。
りんご「うあ何これ‼」
道の開けたところに巨大な蜘蛛の死骸、ではなく、足が損傷し地に伏しているめいチャンの姿があった。

潤の体がびくっとして硬直した。
りんご「あれ、潤パイセン大丈夫⁉」
潤「蜘蛛…無理…虫…無理…」
潤の顔から冷や汗が噴き出していた。
潤「ごめん、だけど…りんご、1人で行って…」
りんご「ちょい!wここに来ようって言ったのはパイセンの方だよね⁉」
りんごはキレそうな顔で笑っていたが潤はもう1歩も歩けないというような状況だったので、仕方なくめいチャンの足を跨いで1人先に進んだ。

そこには山の風景に似合わないけばいドールハウスのようなものが建っていた。
雨戸は締め切られており異様な雰囲気を醸し出している。りんごはピンポンを鳴らしてみた。

「はい?」
インターホン越しに小さな声が聞こえた。確かにkotoの声だ。
りんご「koto、既読無視は酷いんじゃない⁉力を貸してよ。」
koto「やだ。」
りんご「何でだよ」

少し間を置いてからkotoの返答があった。
koto「めいチャン壊れちゃったの。もうやだ、もうどこにも行かない。ずっとここにいる。わかんない全部。崩れちゃったの」
りんご「は⁉ずっと引きこもってるつもりか⁉」
koto「まだなの。もうすこしだけ、やばいがこえるととどかない」
りんご「意味不明wwwwwwじゃあもういいです来た俺が馬鹿でしたしらす(。∀ ゚)そのメンヘラ治ったら出てきなよ💢💢💢」
koto「そーする できるかはわかんない」
りんごはくるりと背を向けてせかせかとその場を後にした。

潤は、一番説得には向かない人を行かせてしまったことを後悔していた。


一方メンズスターのアジトでは美羽がクロボー師と迅に呼び出されていた。
美羽「こんな所に呼び出して、何の用ー❔ここ、倉庫みたいだけど。」
クロボー師「ここにCGRを倒すための兵器が格納されているのだ。まあ見てくれ。」
美羽は部屋に入る。

「なんなのー❔何も見えないけど…」
ガンッ!

美羽は床に崩れ落ちた。クロボー師は拳、迅は三日月刀の柄で同時に美羽を殴り倒したのだ。
クロボー師「お前が部長など70年早いわクソザコ女。何が悪かったかお父さんお母さんに聞いてみたら?目的を込みでね。」
迅はササッとかがみ込み美羽を仰向けに転がした。
美羽は白目をむいて倒れている。
迅「脈拍確認。まだ生きてますねこれは。」
クロボー師「それでは本来の姿に戻るがいい(・8・)ミウチェン!」
美羽はきらきらと光り輝くとみるみるうちに縮み、朱色の石の姿になった。
そしてその石は煌めきながら飛び上がった。同時に真っ暗だった室内にあかりがともる。

銀色の巨大な鎧の胸元に、美羽のキャスストーンが嵌めこまれていた。

クロボー師「こいつはキャスストーンを原動力とする破壊兵器、メンズスター神だ!」
迅「…ところでどうして猶予を与えたんですかね?今すぐ出動すればいいものを。」
クロボー師「ヒーローは敵に情けをかけるものだ。あと4日あればそれなりの対策はできる。フェアな戦い方で勝つのが本当のヒーローだ!わーはっはっは!!」
迅「この人自分をヒーローだと思ってるよ……」

[返信][編集]

630 :げらっち
2020/08/31(月) 01:24:16

山と一体化している邸宅がキーと雪華の住む本館である。
タレ「りんごたちkotoの説得に失敗したようやな。」
雪華「まあ、例えめいチャンを修復したとしても、本気の巨大戦力を相手に戦えるかは分かりませんが。」
ルル「いい作戦がありますよ!」
雪華「え?」

「キーさんが巨大兵器を作っちゃうんです!」

ルルは満面の笑みでそう言った。
キーにはコミュニティアプリやみんかわを開発した実績がある。
だがしかし、実際の兵器を作るとなれば話は別だ。佇んでいたキーは何とも言えない表情でルルを見た。
タレ「あと4日も無いんやで?」
ルル「大丈夫ですよ!キーさんなら、何でもできちゃいます!キーさんに任せておけば安心です✨」
雪華「確かにキーちゃんは華美大学で工学部を履修していますね。ではお願いしていいですか?」

「…はい。」
キーは二つ返事した。


それから3日が経過した。

9月22日(水)

ルルとタレは丁文公園のブランコに腰掛け話していた。
「不気味なほどに平和ですね…」
「ほんまに平和な世界。本当は攻めて来ないんとちゃう?」
「キーさんは1人でやってるみたいですね。」
「手伝おうゆーでもキーさん聞かなかったからな。大丈夫かな?」
「きっと自信たっぷりなんですよ、キーさん!心配せず待ちましょ!」


夜になった。
キーは蒸し暑いラボで汗だくになりながらボルトを締めていた。
あたりには大量の弁当の空箱や割り箸が散乱している。薄汚れたシャツ1枚の姿、どうやら不眠不休で制作に励んでいるらしい。
キーは壁にかかっている時計を見た。もう針は12字を回っていた。
「〆切は今日…」
キーはがくっと膝をついた。

「もう無理です……僕は弱い人間です。嘘ばかりついています。」
浮かんで来たのは尊敬と羨望のまなざしで自分を見るルルの顔。
 「私がもしキーさんになったら、悩みなんて何にもなくなるのにな…」
 「大丈夫ですよ!キーさんなら、何でもできちゃいます!」
大きなクマのできた目から涙がこぼれ落ちた。

「やめて!私を神様みたいに言わないで!私だってただの人間だし、何でもできるわけじゃないっ!」

キーは持っていたスパナをルルの顔に思い切り投げつけた。もちろんそのルルはただの幻影、スパナはすり抜けてしまい、ラボの隅にあったドラム缶にガンと当たって落ちた。

「あの…」
「誰!?」

[返信][編集]

631 :げらっち
2020/08/31(月) 01:34:33

「誰!?」

「私です(笑)」
ラボの入り口には雪華司令が立っていた。
「雪華さん…(´;ω;`)」
キーは雪華の胸にしがみついた。
「ヨシヨシ(笑) わかってますよ、あなたも普通の女の子だってこと。つらいときは泣いていいんです。」


9月23日(木) 正午。

お台場にメンズスター神が現れた。
わざわざ海に送り込まれそこから水しぶきを上げて大ジャンプしゆりかもめのレールを破壊するという派手な登場だった。
ビル5階分ほどの高さがあるメンズスター神を見て、人々は逃げ惑う。
「な、なんだあれは!」
「プロジェクションマッピングか?最新型のドローンか?」
「謎の巨人から逃げるインスタ映えwww」

操縦席に乗っていたのは迅だった。
「ルァッハハハハハハハ!!!愚民ども、メンズスターの底力、見せてやるぜ!」


ルル・りんご・タレ・潤の4人は現地に集合していたが、肝心のキーの姿が見えない。
りんご「どうするの⁉キーさん来ないよ」
タレ「やっぱり無理だったんや…」
ルル「そんなはずないですよ!キーさんなら必ず来てくれるはずですっ!」

「キー失踪か?これはCGR敗北確定演出か!?」

ビルの上にクロボー師が立ちCGRを見下ろしていた。
「こいつはメンズスター神、メンズスターの破壊兵器だ!よーく見ていることだな。」

メンズスター神の胸元のキャスストーンから一筋のレーザーが放たれた。
メンズスター神『釜茹でグツグツお願い』
レーザーは何故かお台場に立っていた自由の女神像を粉々に吹き飛ばした。

タレ「げっ!まぢか」
クロボー師「さらに戦隊のお前らにピッタリな相手を用意しといてやったぞぉ。いけ!」
するとルル達の前に5体のキノボーがうにょんと沸き出てきた。

「キノボー!」
「パタキノボー!」
「マメキノボー!」
「こでかキノボー!」
「タケボー!」

「5体そろって、雑魚敵戦隊キノボージャー!!!!!」

ルル「ああっ!雑魚敵戦隊クリボージャーに似ていますぅ!」
タレ「なんやそれ。」
ルル「知らないんですか?今小学生の中で話題になってる、ゆるキャラヒーローですよ!ホラ、クパーの戦いとかの!」
タレ「いや全く知らん。知りたくもない。」
潤「それにこれはゆるキャラじゃなくて悪の戦隊だよー!」

キノボー5体は必殺技の体勢に入った。
「ファイブ・オブ・茸ファイア!!」

キノボー5体が一斉に火の玉を放つ。
ルル「ヤバいですぅ!」
しかし突風が吹き、炎はキノボーたちに降り注いだ。
「ぎゃああああああああああ!!」
キノボー5体は大爆死した。
ルル「なな!」


「お待たせしました( •̀ω•́ )✧」

[返信][編集]

632 :げらっち
2020/08/31(月) 01:38:38

ルル「キーさん来てくれたんですね!」

そこにはキー、そして雪華の姿があった。
ルル「あれっ、失礼ですけど、ちょっと…太りましたか?」
確かにキーの手足はパンパンに膨らんでいた。
「マシン作りながら筋トレもやりまくりましたからねえ。」
潤「わーお!」
ルル「てことはマシン完成したんですねっ」
「もちろんです。こんなのちょちょいのちょいですよ(❁´ω`❁)」
キーの後ろには大型車ほどの乗り物が3つ停まっていた。

タレ「おおお!すごいさすが!」
ルル「へへんっ!やっぱりキーさんにかかればこんなもんです!どうですか?クロボー師さん!」
ルルはまるで自分が作ったかのように得意げだ。
クロボー師「ぎゃ、ぎゃあああああ!迅、やっちゃってくれー!」
メンズスター神からビームが放たれ、キー達の立つ地面に着弾した。

爆炎の中から変身したCGRが姿を現した。

「炎の勇者!ガールズレッド!」
「電気の使者!ガールズイエロー!」
「水の覇者!ガールズブルー!」
「草の猛者!ガールズグリーン!」
「風の賢者!ガールズピンク!」
「雪と大地の長者!ガールズホワイト!」

「コミュニティガールズレンジャー!!!!!!」


「さあ皆さん、2人ずつこのマシンに乗り込んでください!まずは“水雷”です!潤ちゃんとりんごちゃん乗ってみてください!」
りんご「どうやって乗るの⁉」
「その梯子から登ってください!」
キーは四角い箱に長い2本の足が生えたような乗り物を指さした。後ろにはスクリューのようなものがついている。
りんごと潤は言われるがままに乗り物の中に入った。

「次は“雪原”です!雪華さんとタレ子ちゃんです!」
タレ「雪華司令よろしくぴよー。」
雪華「相乗りですね(笑)」
次の乗り物は真四角だ。

「そして最後が、私とルルちゃんですっ(´。✪ω✪。 `)」
キーはルルに手を差し出した。
ルル「はいいっ!」
ルルは待ってましたと言う顔でキーの手を握った。

2人が乗り込んだのは、四角いボディに大きな羽の生えた小型の飛行機のような乗り物だった。
中は案外狭く、機械がひしめいていた。椅子は設置されていたがとても乗り心地がいいとは言えない。
ルル「私こっちでいいですか?」
「はい!大丈夫です。」
キーは内側から扉をバタンと閉めた。
「これは“炎風”です!ルルちゃん、シートベルトは忘れずに締めて下さいね~o(≧ꇴ≦*)o」

[返信][編集]

633 :げらっち
2020/08/31(月) 01:44:03

狭い機内にはルルとキーが乗り込んでいたが、体の大きいキーは足を縮こまらせていた。

「キーさんっ、これどうやって動かすんですか?」
「CGRサイクルと同じ原理ですよ!」
「へ?てことはつまり…」
「人力です!」
キーの席の足元部分が開いた。キーは足を延ばし、ペダルに足をかけた。

「ふおおおおおおおおおおおお!!」

ようやく筋トレの意味が分かった。
人力でプロペラを回し飛行機を飛ばすなどと言う芸当は、よほどの筋力が無いとできないのである。
ガチャコ、ガチャコとペダルを踏む大きな音がする。
炎風は滑走路の飛行機のようにしばらく走った後、ふわりと浮き上がった。ルルは重力を感じ、耳が痛くなった。
ルル「ふ、ふごいでふっ!ほんほに人力だへで飛ばしてるんでふが?」
キー「いえいえ~!もちろん僕のエレメントで風を起こして飛ばしてます~でも基本人力です(๑•`д•́๑)キリッ」
キーは操縦桿を握り、炎風を旋回させた。コクピットの窓にメンズスター神の姿をとらえた。

メンズスター神は既に水雷、雪原の2機と戦っているようだった。

雪原は地面を凍らせてそりのように自在に滑り、メンズスター神の足元を動き回り攪乱させていた。
迅「踏み潰してやるぜ!」
メンズスター神が片足を大きく上げた。
雪華「すきありっ!」
タレ「東京湾沈めたろか」
雪原は軸足にガーンと体当たり、バランスを崩したメンズスター神は海に落ちた。

迅「わああああ!俺は泳げないんだ!」
そこに水雷がスクリューを回転させ接近してきた。
りんご「うちの電気で動かしているよー( ・∀・)」
潤「ん"ん"魚雷で吹っ飛びなさい!(`・ω・´)」
水雷から魚雷が射出され、メンズスター神に命中。
迅「クソッタレが、」
メンズスター神は胸元のキャスストーンを光らせるとエネルギーに包まれ一気に浮上した。

陸ではさらに炎風の空爆が待ち受けていた。
ルル「喰らえ~!」
迅「ちょこまかと五月蝿い蠅だ…ッ!叩き落としてやる!」
しかし大振りな攻撃は一向に当たらない。

クロボー師「どうしたー?おめーがやりたいって言ったんだからさっさと仕留めちゃえよ、それとも操縦交代するかぁ?」
迅「あーはいはいあんたはちょっと黙っててくださいねー?」

ルル「キーさん、上手く立ち回ってはいますけど、このまま攻撃をかわし続けても勝てないんじゃないですか?」
キー「本番はこれからです(;//́Д/̀/)'`ァ'`ァ」
ルル「大丈夫ですか!」
キーは息切れしていた。
炎風は高度を落とした。目の前には雪原が走っている。

ルル「うわあ!ぶつかっちゃいますぅうううううう!」

[返信][編集]

634 :げらっち
2020/08/31(月) 01:47:41

ルル「わああああ!」
タレ「ちょっとちょっとタンマタンマ!」
炎風は雪原の上に覆いかぶさるように衝突した。
物凄い衝撃を受けルルはガクンと下から突き上げられた。
ルル「あうっ!」

雪原は炎風の下敷きになり制御不能、天井から軋む音が聞こえていた。
タレ「ぴえーんたすけて雪華司令!」
雪華「いや…キーちゃんを信じましょう!!」

「ぬうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

キーは既に汗だくになっていたが、更に気合を入れてペダルを漕ぎ始めた。
すると炎風と共に雪原もふわりと飛び上がった。2機はドッキングしたのだ。

タレ「浮いてるじょ!」
しかし炎風は再び高度を下げ始めた。海に向かって落ちていく。
ルル「これは、まさか…」
水雷が浮上してきた。
炎風の下部に接続していた雪原と水雷の天井部分がぶつかり、これもドッキングした。
3機が合体し、空に飛び上がった。
ルル「すごい!すごすぎますぅ!!」

「完成!CGRロボ!!」
3つの兵器が合体したそのロボは陸に降り立った。
腰部分は水雷、そこから2本の足が生えている。その上、腹部分は雪原だ。
そして一番上の肩部分が炎風。左右の翼が腕になっている。
しかしこのロボ、頭が無い。

ルル「…キーさん大丈夫ですか?」
キー「生きてます…ゴフッ( ゚ཫ ゚)ゴフッ」
キーはスーツがぐっしょり濡れるほどに汗をかいていた。
潤「それでこれどうやって動かすの!?」
下層に居る潤からの通信が入った。
キー「皆さんお手持ちのスマホを操縦席にセットしてください!6人のキズナパワーでロボを動かします✿゚❀.(* ́▽`*)❀.゚✿」


迅「ふん、何をするかと思えば……随分とひ弱そうなロボだなァ!ヴェハハハハハハハ!!」
CGRロボはせいぜい3階建ての学校くらいの高さしかなく、メンズスター神よりだいぶ小さかった。
迅「フッフッフッフッフッ喰らえ、メンズスターフィニッシュ!!」
キャスストーンから朱色の光線が放たれた。
CGRロボの足元で何度も爆発が起こる。しかしロボはびくともせず走り抜けてきた。
迅「ナニッ」
ルル「男子とケンカするモードですぅ!」
CGRロボは振りかぶり、メンズスター神の頭部に重い一撃をくらわした。メンズスター神は数メートル後退した。

迅「いってー!たく何てことしてくれるんだ?折角の綺麗な顔が台無しになっちまったじゃねーかオイオイ落とし前は付けてもらうぜ?CGRのお嬢さん共がァ!!!」
キー「ラストは華麗に決めましょう!」

[返信][編集]

635 :げらっち
2020/08/31(月) 01:53:44

キー「皆さんみんかわを起動してください!」
ルルは、スマホを操縦席にセットした状態でアプリを起動した。そしていつも必殺技を出す時の要領で炎のパワーを送り込んだ。
CGRロボが両手を広げると、6人のエレメントとロボのパワーが合わさった巨大な光球が生まれた。kotoが居ない分は雪華の氷のパワーで補われている。

「コミュニティエレメントレーザーDX!!」

「ッ!」
海を背後に立っていたメンズスター神は熱線を全身に受け仰け反った。原形はとどめていたが装甲は剥げ、各部位から煙が上がっていた。
「くっ、動作停止、仕方ねえ!脱出だ」
迅は握り拳で非常脱出スイッチをガンと叩いた。迅は虚空に放り出された。
「ぴー!」

キー「もう一発です。」
「コミュニティエレメントレーザーDX!!」
再び熱線が放出されメンズスター神を襲った。メンズスター神の体はバキバキと崩れ、パーツ1つ残さず消滅した。

ルル「やりました!さすがキーさんですっ」
ルルは変身を解いてキーに飛びついた。

キーの顔は真っ赤になってしまった。
キーも変身を解き、思い切りルルを抱きしめた。

「褒めていただいてありがとうございます(((o(  ́。›ω‹。` )o)))」


焼け跡にはクロボー師の姿があった。
地面に埋もれている石を見つけ拾い上げる。
キャスストーンは傷ひとつなく輝いていた。
「なるほどな。リッチヅノーのやつがキャスストーンを欲しがるわけだぜ…」

クロボー師と迅はメンズスターアジトに帰還した。
迅「さーてついに叔父貴も美羽嬢も居なくなって、誰が部長になるんすかね?」
クロボー師「もちろんメンズスター参謀であり№2と言われたこの俺に決まってるだろう。わーはっは!」
迅「何言ってるんすか?メンズスター歴は僕の方が長いんすよ?あんたは叔父貴と相反してたわけだし、適任は僕を置いて他に居ねえ。」
2人はサロンに入室した。
そこには見覚えのある人影があった。

「遅かったな。何を遊んでいたんだ?」

クロボー師「お、お前は!」
迅「叔父貴…ッ!」

「最終決戦の準備が完了した。私はゲラッチ、メンズスターの部長はこの私だ!!」

つづく

[返信][編集]



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