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91.マリルイ学園CGR
 ┗697-699

697 :げらっち
2020/09/08(火) 01:07:05

番外編5
「運動会の裏舞台!」

今は真理類学園と兵派亜中等学校の合同運動会の真っ最中。

ぺーぱー中等学校のだだっ広い校庭にはざっと700を超える子供たちが集結していた。
真理雄の長話を傾聴…していない。
おしゃべりしたりじゃんけんしたり、酷いものでは立ちながら眠ったりストップウォッチで校長の話の長さを計測している生徒までいた。

そのうちの1人、ルルは応援席に向かって控え目に手を振っていた。これでもかなりましなほうだ。


校庭脇の応援席で手を振り返している者がいた。
「おお~い!」
それは例のお騒がせキノコ、HKKだった。
手は無いので足を振っている。
隣で座っておにぎりを食べていた少年ホリ太は呆れ顔で言う。

ホリ太「いやお前に振ってないし。」
HKK「そのツッコミを待っていた!(゜o゜)\(-_-) あれ?ホリ太さんてハローデスさんの生まれ変わっりでしたっけ?」
ホリ太「タコゾウです。いい加減覚えろよ」
HKK「すいません笑」
HKK「このところ物忘れがひどいもんでのぅ...ゴホゴホ」
HKK「関係ないけどですけど寝る前に酢を飲むといいらしいですよ~!」
ホリ太「1つの台詞にまとめろよ!」
HKKの煩さに驚愕しつつも優しいルルは苦笑いしながらHKKに軽く手を振ってくれた。
HKK「ルルさ~ん、元気ですか~!元気に100歳まで生きてくださいね~笑笑笑」
ホリ太「お前もう帰れよ」

そんな漫才を傍目に、潤はお菓子の袋を開けていた。
そこから出て来たのは黄緑色の飴玉。それを末妹の雨の口元に近付ける。
雨は飴を美味しそうにチュッチュと吸った。
キー「かわいいですね~!でも赤ちゃんに飴を与えるのはどうなんでしょう…(´,,•ω•,,`) 」
潤「大丈夫、口に入れず吸わせてるだけーwこの子私に似てお菓子好きみたいなのよw特にメロンソーダ!これがお気に入りみたいだぜ(`・ω・´)」


「次の競技は、6年生と中学1年生合同による、組体操です!6年生は、年上の中学生に負けじと、一生懸命練習しました。中学生は、6年生の後輩たちに、優しく教えてあげました。皆さん、温かく見守ってください!それでは、準備してください!」

雪華「さあ、私たちの出番ですね(笑)」
キー「ルルちゃんを助けに行きます~(´。✪ω✪。 `)」
HKK「え、何ソレ笑 国産椎茸の話じゃないんですか笑笑笑」
ホリ太「意味が全然分からんぞ!」

HKKだけ話を聞いていなかったようだ。
雪華「話がややこしくなるからキノちゃんには教えなかったんですよ。私とキーちゃん、潤ちゃん、雹ちゃんで、ピラミッドの土台にすり替わります。こうするようにkotoちゃんから言われているんだな。」
HKK「まじっすか司令!」
雪華「さあみんな行きますよ!!」
HKK「行ってらっしゃいませ司令~」
雪華「雹ちゃん準備はおkですか?」
HKK「多分大丈夫だと思います司令!」
雪華「キーちゃん体操着ピッチピチですけど大きいのに変えますか?」
HKK「晩御飯は何にしますか司令♡」
ホリ太「きしょい。そしてお前に言っても無いのにいちいち台詞を挟むな。」


生徒たちが一斉に走り出した。組体操の陣形を組むためだ。
雪華たちも生徒に紛れて校庭の中心に向かう。
しかし潤だけは1人残り、HKKに話しかけた。
「あのさ、お願いなんだけど。雨の面倒を見ててくんない?」

雨は潤の腕の中でぐっすり眠っていた。
「いいですよ!」

HKKは快諾した。潤は雨をHKKに預けると、雪華たちの後を追って走って行った。

[返信][編集]

698 :げらっち
2020/09/08(火) 01:13:08

「がぁー、ごぉー…」
「おいっ起きろっ!」
「ハッ」
HKKは飛び起きた。隣では雨を抱きかかえたホリ太がこちらを睨んでいた。
ホリ太「お前が引き受けたんだろ!」
HKK「あーすいませーん笑僕手が無いもんで笑笑」
ホリ太はかなりがっかりした様子だ。
そしてホリ太の腕の中では雨がすやすやと寝ていた。
HKK「本当に可愛い赤ちゃんですね笑笑」
ホリ太「いいから見ろよ。ルル氏たちのピラミッドが完成したみたいだぞ。」

ルルが立ち上がり、どうだという表情で両腕をぴんと伸ばしたのが見えた。
HKK「ブラボー!キノボー!」
ホリ太「ん?雨ちゃんが…」

雨の目がぱっちりと開いていた。
そしてルルのピラミッドを見て、キャハハと笑った。


しかし、異変が起きた。
周りの観客たちが一斉に校門の方に向かって逃げ出したのだ。
HKKは恐る恐る上を見た。
「あ、あれは…!!」

兵中の上空に黒雲のように、巨大なオカリナ型の円盤が覆いかぶさっていた。

HKK「あれはメンズスターアジト、ゲラフィー!」
「おはよう諸君!我々はメンズスター!突然だが君たちを誘拐するぞぅ。」
HKK「そしてあれはクロボー師さんの声!クロボー師さーん、元気ですかー!元気に500歳まで…」
ホリ太「お前は敵なのか味方なのかわからんぞ!早くこっから逃げるワシ」
HKK「それなら僕にお任せください!」

HKKは頭の上に雨を乗せ、短い足をフル回転させて走った。逃げ足だけは速い。
そしてその後ろをホリ太がハアハア言いながら追いかけていた。

雨はと言うと、HKKの頭の上で揺られて無邪気に笑っていた。

ホリ太「アッ危ない!」
HKK「え。」

HKKは上を見た。倒壊した校舎の壁が真上に迫っていた。
「うわあああああああ!!!」

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699 :げらっち
2020/09/08(火) 01:15:30

「HKKもついに死んだか…」
ホリ太は悲しいような、悲しくないような顔をしていた。

すると、血ではなくキノコ汁が滲み出している瓦礫の下からキラキラと光が漏れ始めた。
「なんだ?」
瓦礫が持ち上がった。
「どんぱふるんぱんにゃぁぁぁっ」
その謎の掛け声と共に光の柱が突き上がり、瓦礫は4つの破片に砕け飛び散った。

「ピンチでへんしん、星の子あめそっ!」

そこにはおさげ髪の幼稚園児くらいの女の子が立っていた。
ピエロのような帽子やポンチョには飴などのお菓子が散りばめられている。

ホリ太「まさか、雨ちゃんなんじゃ…」
あめそ「そうでーす(*´罒`*)」

あめそはニッと笑った。
そしてあめそに踏み潰され、もともと小さかった身長がさらに半分に縮んだHKKの姿があった。
ホリ太「いや生きてたのかよ」
HKK「はいー笑 助けられちゃいました( ・ω・)」
ホリ太は少し残念そうにしていた。
HKKはポコッと元の大きさに膨らんだ。
ホリ太「まあ雨ちゃんが生きてたのは良かった。だがどういう原理だ?タコから転生した俺が言うのもなんだけど。」
あめそ「ピンチになるとアドレナリンがブシュって出ておっきくなるのです(* ̄∇ ̄*)」
ホリ太「某ゲームのように?」
あめそ「ていうか…コロコロ雨をコロコロ…出してというングッリクエストがあったので!(`・ω・´)」

あめそは口の中で飴玉を転がしながら喋った。それはポテチをむさぼる潤の顔によく似ていた。
そしてくるりと校庭の方に向き直った。
校庭の上空ではゲラフィーとCGRロボが戦っていた。時折流れ弾が校庭に落ち、黒煙が上がっている。

あめそ「助けにいかなきゃ!」
ホリ太「それはやめたほうがいいと思うぞ。」
あめそ「潤と雹が中にいるんですいかせて!」
「ダメです!」
HKKはあめその裾にガブッと噛みついた。

「僕は潤さんと約束したんです!雨さんの面倒を見るって!だから雨さんを守る義務があるんです!!」

「うるさいはなせヂグチョォォ」
あめそは光る手でHKKを振り払った。HKKは数メートル吹っ飛んで瓦礫に激突した。
あめそは走って行ってしまった。
ホリ太「わーすごい(小並感)」


あめそはダボダボのポンチョをなびかせて走っていた。
「潤!」
校舎の残骸の中に倒れている潤の姿を見つけた。
どうやら爆発に巻き込まれたようだ。
変身は解け、服もあちこちすすけている。頭から血を流しうつ伏せに倒れていた。
「潤しっかりして!」
あめそは潤の肩を掴みグラグラと動かす。しかし反応が無い。
「潤…おねえちゃん!!」

ダメだった。
「それなら、あめその最期の力を…」
あめそは口に手を突っ込むと、舐めていたメロンソーダ味の黄緑色の飴を取り出した。
飴はピカピカと光った。あめそは飴を潤の口に押し込んだ。
すると潤の体が光り輝いた。
あめその体も光り、そして縮み始めた。
「それじゃあおねえちゃん、またいつか…」


「あめそさんっ!」
HKKが駆け付けると、そこには意識を取り戻した潤と、キャハハと笑う赤ちゃんの姿があった。
潤「あれ、私は一体何を…」
HKK「実はですね、あめそさん、いや雨さんが…」
潤「あ!雨を守ってくれてたんだね。ありがと!(`・ω・´)」

HKKはのんきに照れていた。
上空で爆発が起き、ゲラフィーが墜落し始めた。
HKK「あっちも勝ったみたいですね!これでめでたしめでたしです!」

しかしこの後、悲劇が起きるのだった…


つづく(>>683に)

[返信][編集]



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683 :げらっち
2020/09/06(日) 01:59:20

「ホワイトアースブロー!!」
雪華は渾身の力を込めゲラッチにタックルした。
「ぐおおおおおおおおおおおお!!」
ゲラッチの体は地面に釘付けになっていた。体当たりを受け続ける。何度も、何度も…
意識が朦朧としてゆく…

爆音。
空を見ると、ゲラフィーが撃墜されていた。炎を吹き出しながら落ちてゆく。
CGRロボはレーザーを放ち勝ったようだ。上空をくるりと一回転し勝利のアピールをした。


「やった!」
ルルは変身を解き、雪華を見た。

だが信じられないことが起きていた。
ルルは目を疑った。


雪華がゲラッチを抱きしめていた。

「何で・・」
「もうわかったでしょ?あなたの負けです。いつまでも意地張らないで、いいんですよ。」
雪華は変身を解いた。その顔は、にっこりと笑っていた。
「ユ キ ちゃん・・・」
ゲラッチの体が変わっていった。
元の、人間の体に。
服装も普通の物になり、眼鏡も、黒い普通の大きさに収まった。

ゲラッチは身動きも取れずに涙を流していた。
雪華はそれを愛おしそうに抱きしめる。
ルル「ど、どういうことですか?」
雪華「私たち、元々婚約してたんですよ(笑)」

「ゲラッチは道を誤ってしまった。それで私は彼を振ったんです。寂しかったのでしょう、それから幼女にばかり手を出すほど歪んでいました(笑) でも、本当は愛し合っていたんです。それだけのことです。」

感無量だった。
愛が、メンズスターをやっつけた。
ゲラッチとも友達になれるのなら、こんなに素敵なことはない。
これが私の望んだHAPPY END。
ルルは満面の笑みでkotoの方を見た。

銃声。
kotoは今までに見たことが無いような失意を浮かべていた。ルルもパッと振り返る。


レーザーが雪華の胸を貫いていた。

「…言わなかったか?」
雪華の目にゲラッチの狂気の笑顔が映った。

『そうだ、それでいい。あの女はお前の枷になる…』

「私はリッチヅノー様に忠誠を誓ったチート級カリスマ部長、ダークゲラッチ様だ!私は愛など知らん!!」

ゲラッチは再びダークゲラッチに変身した。衣装は奇抜なものに変わった。
自力で束縛を打ち破ったようだ。

雪華は力なく仰向けに転がった。その目からは既に光が消えていた。

「雪華司令!わああああああああ!」
ルルは無我夢中でゲラッチに飛び掛かった。だが、後ろからkotoに羽交い絞めにされた。
「やめろ!君のかなう相手じゃないっ!」
その光景を見て高笑いするゲラッチ。ルルはkotoを振り払って突進した。
「コミュニティアプリ…」

ガンッ

ルルは後ろからkotoに殴り倒された。



第2部 完