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91.マリルイ学園CGR
 ┗771-775,784-790

771 :げらっち
2020/09/17(木) 01:59:18

第14話

ジリリリリ・・・

目覚ましベルが鳴っている。
まだ起きたくない。
外はひんやり涼しいし、このままあったかいベッドで寝ていたい。
お天道様まんじゅうの夢の続きを見よう…

オキテクダサイ~

誰かの声が聞こえる。
無視してお天道様まんじゅうを食べよう。
「起きてください~~!!どうしても起きないなら、こうです!」
「わあっ!」
ベッドが垂直に傾き、私は地面に叩きつけられた。
「何するのお母さん!」

「寝ぼけてるんですか?お母さんじゃありません、CGR新司令官、キーですっ(´。✪ω✪。 `)」

ルルが見上げるとアーミー服を着たキーの姿が逆様に映った。
そうだ、キーが新しいCGRの司令官になったんだ。

でもこれじゃまるでコスプレ…

「行きますよ!」
キーはパジャマ姿で脱力するルルの両腕を抱きかかえずるずると引きずって行った。

ルルが泊まっていたのはキーの家ことCGRの秘密基地。
ルルはキーに促され服を着替えた。
やっと目が覚めてきたので時計を見ると、まだ午前5時過ぎだった。
ルル「なんでこんな時間にいい!」
キー「元気になりましたね。早起きは健康管理のために大事ですよ(❁´ω`❁)」
ルル「だからって早すぎですぅ!なんか面白い夢見てたのに…パタッ」
キー「あれ?おなかがすきましたか?」
確かに腹ペコだ…
キー「でも朝ごはんの前に早朝ランニングです!屋敷の外周を走ってきてください~!」
ルル「えええええええ!!」


屋敷の周りを1周と言っても、結構大変で。
キーの家の敷地の広大な山道を走らねばならなかった。途中には森や断崖絶壁もある。簡単に走破できるものではない。
しかしルルは、少し息を切らしながらも好いペースで走っていた。
「えっほ、えっほ、」
朝霧の中、おもむろに声をかけられる。

「お疲れさまだね。調子はどう?」

そこには山の風景に似合わないけばいドールハウスのようなものが建っていた。ショッキングピンクの屋根の上にkotoが腰かけている。
「kotoちゃん!お久しぶりです!(*≧∀≦*)」
「変わらないね君も(小声)」
kotoは音もなく地面に降り立った。
「kotoちゃんも朝からトレーニングかなんかですか?」
「ううん。僕は徹夜でゲームとついった。つい廃ぞよ。」
kotoの両目の下にはくまが出来ていた。
「僕に殴られたとこは大丈夫なの?」
「え?ああ全然大丈夫ですよ!」 
「mjk さすが先輩。」
「kotoちゃんこそ元気ぃいい?」
ルルはkotoの頭を撫でようとした。するとkotoは咄嗟にルルの手を払った。
「やめて」
「えっ(´- `*)」
kotoは不快感を露わにし数歩後ずさった。
「他人に頭触られるの嫌いだから。」
「え、ご、ごめんなさい❗ごめんなさい💦💦」
kotoは特に何も返さず家の中に入り、扉を閉めてしまった。

[返信][編集]

772 :げらっち
2020/09/17(木) 02:01:50

ルルはキーの屋敷に帰ってきた。
「ただいまです!」
「おかえりなさい~」
キーは雪華の使っていた司令官専用デスクに座り、キャスター付きの椅子をくるくる回して遊んでいた。
「朝ごはんの前にもう1つやってもらうことがあります( •̀ω•́ )✧」
「まだ何かあるんですか?」
「はい。それは、身体計測です✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿」

身体計測…
嫌な、響き。
ルルは低学年のころ男子に低身長をからかわれたのを思い出した。

ギギギ…と音を立て、身長計と体重計を1つに合わせたような機械が自走してきてルルの前に止まった。
ルルは恐る恐る足を乗せてみる。足形の描かれた台がガチャンと沈み込む。
両足を乗せ背筋をピンと張ると、身長測定の目盛りが自動で降下し、頭頂部にコツンと当たった。
ピピっと音が鳴った。
キーはデスクでPCの画面を見ていた。どうやらそっちに数値が表示されたらしい。
「ふんふん…まあ正常値ってとこですかね。」
「ちょっと見せてくださいつ!」
ルルは計器から飛び降りPCを覗き込んだ。

     年齢 身長    体重    体力 武術 戦略 協調性 魔術 総合技能
猫野瑠々 12 153.6 37.9  3  1  2  5   4  3

153㎝!小6の初めから3㎝も伸びてるっ!
ところで
武術 1とは……

「いちおう機密情報なんですけど…(A;´・ω・)アセアセ」
余りにも気になったため、キーの制止を振り切り画面をスクロールしてみた。すると、先輩たちの評価も見つかった。

     年齢 身長    体重    体力 武術 戦略 協調性 魔術 総合技能
林茜   13 155.2 46.5  3  3  1  2   1  2
藤田玲子 13 161.8 49.8  4  3  2  4   3  3
二木潤  16 158.6 65.0  2  3  3  5   4  3.5
宮原琴  19 149.1 51.1  1  5  5  1   5  3.5
木村あい 19 169.1 69.3  5  5  5  4   4  4.5

「キーさん重くないっすか?」
「筋肉です。」
キーは咳払いをして続けた。
「ルルちゃんはまだまだ伸びますからね~。魔術でもそうですが、体格でも簡単に抜かれちゃうと思います。それほどルルちゃんには伸びしろがあります。」
「そうですかね?でも私、そんなに大きいほうでは…」
「今まではあんまり栄養価の高いものを食べてなかったんでしょう!これからは僕の作った強化食とトレーニングメニューで肉体強化を目指しましょうッo(≧ꇴ≦*)o」

[返信][編集]

773 :げらっち
2020/09/17(木) 02:09:18

キーの家での暮らしもはや1ヶ月が経ち、大分慣れてきた。

キーの個別メニューによりルルの体はどんどん強化されていた。
といっても訓練らしい訓練はあまりしていない。
平日は普通に学校に行き、休日は家でキーのお手伝いをする。ただそれだけ。
それだけのことが滅茶苦茶大変なのだ。

山路を下りて通う学校は片道2時間。朝5時には起きねばならない。
休日のお手伝いは屋敷の掃除と山路の整備。
巨大な屋敷の雑巾がけや屋根の補修作業は全身の筋肉を使い、山では倒れた木を炎の魔法で燃やす必要もあった。
そして腹ペコになった後は、キーのお手製強化食をモリモリ食べた。あまりのおいしさとそれまでの空腹で、ご飯を3杯も4杯も食べてしまった。

「日々の生活リズム、暮らしに根付いた運動。それを怠っていると脆弱な身体になってしまいますからね。」
キーはCGRの他メンバーの個別メニューも考案中だ。
「タレちゃんは柔軟性に欠けるので、とにかく体を柔らかくしましょう!股関節は、戦いにおいても大事です!潤ちゃんは基礎体力を付けましょう。ちょっと太り気味なのでダイエットメニューを組みました。贅肉は筋肉にしてしまいましょうΣd(≧∀≦*) りんごちゃんは魔力が低いですね。これはまあ才能の面も大きいので何とも言えませんが、とりあえず頭の弱さをカバーするために学習ドリルをやりましょう…(இ௰இ`。) kotoちゃんは、」
「僕は?」
指令室に来ていたkotoが尋ねる。
「もうちょっとお外に出ましょう!(´。✪ω✪。 `)」
「…」


ルルの身長はいつの間にか157㎝にまで伸びていた。
ルルが屋敷の中を歩いていると、暖炉のある一室でキーが机に向かって座っていた。
すらりと長い指で4つの石を机に並べている。
「それは、キャスストーン…」
キーはこちらを振り向いた。暖炉の火に照らされて顔の陰影がくっきりとしていた。

キー「そうです。これが楠美世羅のキャスストーン、この2つが桜桃姉妹のキャスストーンです。」
キーは翠色と碧色のキャスストーンを指さした。
ルル「桜桃姉妹?」
キー「ルルちゃんが入隊した日、僕が山で回収したのが姉・桜のキャスストーンでした。そして関西デラックスシーワールドで妹・桃のキャスストーンを見つけています。2人は人間として生きるのに疲れ、石の姿になってそれぞれ山と海に姿を隠したんですね。」
ルル「ふーん…石になった子たちは、どんな気分なんでしょうか…?」
キー「これは想像の域を出ませんがҨ(´-ω-`) 意識はあると思われます。但し外界の情報を認識できるかは不明です。認識できたとして、それを反応に示す術がありません。外からの力で人間の姿に戻してもらえるまでは何もできないのです。」
ルル「…」
話を聞きながら、ルルの頭の中に一つの宇宙が形成されていた。
とてつもない広い空間に1人ぽっち。途方に暮れてしまうような気持ち。
キー「そしてこっちが…あれ、聞いてますか?」

ルルは壁掛けカレンダーを目にして、我に返っていた。
いつの間にかこんなに日が経っていたことに驚いた。
もう12月。もうすぐ…
クリスマス“聖夜”だ。

[返信][編集]

774 :げらっち
2020/09/17(木) 02:14:20

もうすっかり寒くなり下校中の中学生も冬服姿だった。
りんごはマフラーに手袋という完全防備だが何故かスカート丈も靴下も短かった。これじゃ下半身が寒かろうに。
「もうすぐクリスマスだね❗タレーは何貰うの?」
隣を歩いているタレは分厚い紺色のコートを着ている。
「うーんなんやろな。switch飽きたからPS5のロカVほしい。」
「ロカVって流鉄戦隊ローカルファイブ❓」
「それww金無いからお小遣いじゃ買えんしオトンにお願いしてみよう思う。」
「おっと⁉」
りんごは立ち止まって言った。
「パパじゃなくてサンタさん、だよ」

タレは奇異の目でりんごを見つめた。
なにいうてんねんこいつ…

2人と一緒に歩いていた、りんごと同じくらいの背格好で黒髪の女子がタレに入れ知恵する。
「玲子は知らんかもだけど茜は昔からサンタ信じてるからね笑」
「まぢか。」
「ちょっと、何言ってんのみらい‼」
「別に何でもないよ笑 おにぎりっ☆」
みらいと呼ばれた女子はそばかすの目立つ顔で可笑しそうに笑うとおにぎりをむしゃむしゃと食べ始めた。
「あーまた鯨飲馬食を…僕ちんはピグパかなピグパ😆💕✨」
「あのな。言っちゃ悪いけどサンタさんは…いややっぱなんでもない。」
タレは面倒くさくなってりんごに話を合わせることにした。


「サンタさんなんて、居ませんよ。」

CGRの会議中、ルルが言っちゃったよ。
タレはあーあめんどくさいことになった…という顔をした。

りんご「サンタさんはいるよー‼俺は毎年プレゼント貰っているよ‼」
りんごは椅子に座っているルルのほっぺを掴みむにむにと引っ張って遊んだ。
ルル「やめてくだひゃい。やれやれわかってませんねりんご先輩は…ハァ(´・∀・`)」
ルルが立ち上がると、気付けばりんごの背を追い抜いてしまっていた。
りんご「は❓(💢・∀・)証拠でもあんの?」
ルル「これがそうですよ」
ルルはスマホをリンゴの目の前に突き付けた。
そこには知恵袋での「サンタの正体は何ですか?」「あなたのパパとママでちゅ」というやりとりが表示されていた。

ルル「こんなの小1でも知ってますよ(^∇^)アハハハハ!」
りんご「違うから‼うちは両親居ないけどプレゼント届くよ‼でっかくなったからってあんま偉そうにすんな‼」
りんごはジャンプしルルの髪の毛を引っ張った。
ルル「いたいですうううう!!」
潤「ちょっと!!」
タレ「あほ。」
潤がルル、タレがりんごを押さえつける。
キー「よしよし。りんごちゃんはおりこうさんにしてるから、毎年サンタさんが来てくれてるんですよ(❁´ω`❁)」
キーはりんごの頭をなでなでして怒りを沈めた。
りんご「キー司令やさすぃ‼もっと撫でて😆💕✨ルルあっかんべー」

それを見てルルはムッとしていた。
何それ。
じゃあ私はおりこうにしてないの?


クリスマスプレゼントを貰ったことなんて、一度も無い。

[返信][編集]

775 :げらっち
2020/09/17(木) 02:18:18

りんごはCGRの訓練を早退し家に帰ってきた。
「あーあ気分が悪い。ルルなんて死、ねばいいのに。たあーーいまーーーーー(*ノ゚Д゚)八( 」
家に入るとムワっと暑かった。
外との温度差で喉が痛くなり、皮膚がピリピリと痛む。
「ヾ(・Θ・)ノ゙おかえりぴょ~♪」
りんごの姉、かのこがホットミルクをもって出迎える。ひよこのエプロンを付けている愛らしいお姉さんだ。
りんごはマフラーと手袋、靴下を脱ぎ捨てると座布団に座りちゃぶ台でホットミルクを飲んだ。

「あれっ、茜ちゃんまた服が乱れて…」
「あっ喧嘩ジャナイカラネうっうん。」
ルルとの小競り合いのせいで乱れたものだ。
「にしても明日はクリスマスイブだね‼」
「そうだね。茜ちゃんはサンタさんに何かお願いしたのかな?( ^Θ^ )」
「僕ちんはねー、ピグパがほしいってお願いシタヨ( ・∀・) 」
かのこはふぅんと言ってりんごの飲み終わったミルクのカップを下げた。
りんごはふと尋ねる。
「ねえお姉ちゃん。サンタさんって、何歳まで来てくれるものかな❓」
かのこは台所で洗い物をしながら振り向いて答えた。
「茜ちゃんはイイコだから、いつまでも来てくれるかもしれんね?それじゃお姉ちゃんは夜勤だからそろそろ出るね。」
かのこはエプロンを取ると言った。
「ちょっと早めの☆*:;;:*:;;:*☆(*^◇^*)。。oO(Merry Christmas☆彡)☆*:;;:*:;;:*☆」
「行ってらー‼」
「いえいえ ドモピヨd((・Θ・*))三((*・Θ・))bドモピヨ」
かのこは職場に向かった。



夜道をぱたぱたと走り家に戻るかのこ。
手には袋を持っており、その中にオシャレな包装紙に包まれたプレゼントが入っているのが見える。
同僚に無理を言って夜勤を途中で抜けて来たのだ。
妹の枕元にプレゼントを置いたら、すぐに職場に戻る…
「フォッフォッフォッ…夜道は危険ですよ。」
ハッとして振り向く。
ストーカーか、痴漢か、酔っ払いか…
「!?」
そのどれでもない。

そこには真っ赤なトナカイが二本の足で立っていた。しかもサンタの帽子をかぶり、大きな白い袋を持っている。
「私はサンタ怪人レッドナカイ!メリークリスマス!!君もプレゼントになってくれ!!」
「キャアアアアァァァッッ」
かのこは白い袋の口に吸い込まれていった。
夜の住宅街は何事も無かったように静まり返り、妹へのプレゼントだけが街灯に照らされて落ちていた。


日付は変わり、12月24日になっていた。

[返信][編集]

784 :げらっち
2020/09/18(金) 23:03:01

「わあ、真っ白…!」

目を覚まし窓の外を見ると、庭には真っ白な雪が降り積もっていた。
ドタドタと階段をかけ降り、服を着替えると庭に飛び出す。

雪は朝の光を受けキラキラと輝いていた。
長靴がザクザクと深雪に沈み込む。
ルルはフワフワな雪の上に寝転がってみた。
太陽がまぶしい。

「クリスマス・イブに雪が降るなんて、素敵です…」

すると屋敷の3階の窓から、キーがこちらに手を振っていた。
「あっキーさーん!やほです!!」
手袋をつけもっこりした手を振り返す。
「ルルちゃん、おはようございます~。ルルちゃんには屋根の雪かきをお願いします!」
「えええええええ!!」
キーは指を立てて屋根を示した。
屋根にはどっさりと雪が乗っており、ポタポタと水が滴り落ちていた。
「雪かきはめっちゃ腕の筋肉がつきますよ~。これも訓練の一環です(´。✪ω✪。 `)」
「もうキーさんたら何でも訓練に結び付けて…」

ルルはブーブー言いながらも梯子を登った。
すると誰かが山路を登って来るのが見えた。
りんごとタレだ。

「せんぱーーーい!!おはようございます✨」

ルルは梯子の途中で片手を離して手を振った。
するとりんごが走ってきて梯子を掴んで揺らした。
「ルルこのーーー‼」
「ちょ、マジで危ないからやめ、」
ルルはサッと梯子から飛び降りた。雪の上に着地するともふっと沈み込んだ。
ルル「何するんですかりんご先輩!推しにバズーカ砲で撃ってもらいますよ」
りんご「うるさーい(# ゚Д゚)ルルのせいだルルが昨日あんなこと言うから‼」
りんごはルルの首根っこを掴んでガクガクと揺らした。
ルル「何の話かさっぱりですぅぅぅ!!」
タレが追いついて来てりんごを引き離した。
タレ「なんか生まれて初めてサンタのプレゼント貰えんかったらしい。八つ当たりはやめーや。こいつうちにも会うなりももかんしてきたしな。情緒不安定なんとちゃう?」

りんごは涙目で、ほっぺをぷくっと膨らまして本当の林檎のように赤くなっていた。
タレ「いやかわいくないから。」
ルル「ああ、ちゃうな。もうサンタとか言う年じゃないし、そもそもサンタさんなんて居ないし、だったら推しを見てた方が幸せすぎる。 ・・・あ」

ルルは何とも意地悪な気持ちになった。
「そういや昨日キーさんに“おりこうさんにしてるから”とか言われてましたよねw 今年はおりこうさんにしてなかったからサンタさん来なかったんですぅ、きっとそうですよ!( ̄+ー ̄)」

ルルはにっと笑った。りんごはブチ切れて雪かき用のスコップを振り上げた。
その時ラインの着信音が鳴った。
タレ「ん?なんやろ。」
CGRのグループラインに潤からのメッセージが入っていた。

[町でメンズスターの怪人が暴れてるぜ!町の人を次々にプレゼントの袋に閉じ込めてるみたいよ!]

そして潤がトナカイのような怪人に襲われている自撮り写真が送られてきた。

[返信][編集]

785 :げらっち
2020/09/18(金) 23:33:44

「フォッフォッフォッ…お前ら全員ゲラッチ様へのChristmas Presentになるのだー!」

「いやー!」
「キャー!!」
「ぴえーん!」
雪の積もる午後の町、レッドナカイが女児たちを袋に吸い込んでいた。
「大分溜まったな!もしこいつらの中にキャスストーンが居れば袋の中で石の姿になり果てる!残りの女はゲラッチ様のコレクション行きよ。素晴らしい作戦ですねぇ…フォッフォッフォッ」

「そこまでよ!」
「フォ?」
CGRの潤、ルル、タレ、りんごが駆け付けた。
既に変身している。
潤「みんな、必殺技でいきなりとどめを刺しちゃうわよ!」
りんご「りょりょりょ」

「コミュニティエレメントレーザー!!!!」

4人のエレメントが合わさった光線がレッドナカイを襲った。
「わあああああああ!!」
いや、襲いかけた。
光線は途中で屈折してしまった。

タレ「ほえ~ん?」
光線を受け、刀がギラリと光った。
そして光線は反対に飛びルル達の足元を襲った。
ルル「いいやー!!」
潤「何事?」

「ヴェハハハハハハハ!!久しぶりだな、」

迅が三日月刀を構え、レッドナカイの前に立ち塞がっていた。

「迅様!私を助けに来てくれたのですか?」
迅は雪の上にへばり付くレッドナカイを、まるで反吐でも見るかのような目で見下す。
「三下のお前に興味はねェ、俺の目的はだな、CGRをぶっ潰すことッのみよ!」
「ああそうですかそうですよね笑笑」
「正体を現せクソガキがああああ!!」
「わ~!」
迅はレッドナカイを斬り付けた。
赤いサンタの装束が破れ、中から3体積み重なったキノボーが現れた。

りんご「うわまたあいつか‼」
キノボーA「それがですねー、」
キノボーB「僕たちー、」
キノボーC「少しでもゲラッチ様のお役に立とうとー」
タレ「どうでもいい。二度と出てくんな。」
タレにぴしゃりと返され、キノボーたちはわらわらと逃げて行った。
潤「で、メンズスターの重役さんがわざわざ前線に来るとはどういう風の吹きまわしかなー?」

「笑止。僕の狙いはキャスストーンに決まってるでしょうが。」
迅はキノボーの残していった白い袋を拾い上げた。
「こいつさえ貰えばあんな雑魚坊に用はねぇからな。おっとお前ら、間違ってもこの袋を攻撃すんなよ?この中にはおにゃのこたちがたーくさん詰まってるんだからな!ヴェハハハハハハハ!!」
迅は筋骨隆々の巨体でキメポーズを取った。

潤「それじゃあ作戦変更よ。ルルは真正面から奴を攻めて!タレとりんごは援護。私は隙を見てあの袋を取り戻す!」
ルル「おけです!」
タレ「脳筋野郎をもーやすもーやぁーす\(^o^)/」

「ファイナルアタック!」
ルルが炎に身を包み迅に突進。
「飛んで火に入るブイヤベースの素ってか、阿呆め!」
迅は袋の口を開けた。
「木の弓や!」
「アアン゙!?」
タレが飛ばした木の矢が迅の手の甲にブスリと命中。
火花を散らし、袋が宙に飛んだ。
「キャーッチ!(`・ω・´)」
潤がそれをキャッチ。
「今です!」
ルルは迅の懐に飛び込んだ。然し。
「全く甘い!!」
あと一歩のところでかわされてしまう。
「あらっ」
ルルは迅の脇をかすめた際首に鎖をかけられ、気管が潰れるほど強く締め付けられた。
「ッ!」
「ホラよ!」
迅は鎖をジャリジャリとしならせルルを吹き飛ばす。
「ぐええ!」
「ぴえ」
火をまとったルルはタレの上に落ちタレも負傷した。
さらに迅は潤のかすめ取った袋にも鎖をかけていた。
「僕の商売道具を返して貰いましょうか!」
「あっ!」
袋は弧を描いて飛び迅の手に戻った。


何もしていないのはりんご1人だけだった。
タレ「おいりんご!お前のびりびりでアイツを痺れさせてたら全部うまくいってたんとちゃうん?突っ立ってないで加勢しろや!」
りんご「やだ。」
タレ「は?」
りんご「ルルの援護なんてしたくない‼」

[返信][編集]

786 :げらっち
2020/09/18(金) 23:50:03

タレ「まーたワガママを…」
その時、雪道の向こうから誰かが走ってきた。
「お待たせしました~!」
キーが赤と白の毛皮のコートを着て走ってきた。まるでサンタさんだ。
キー「すいません、トレーニングしてたら遅くなってしまって…(A;´・ω・)アセアセ」
ルル「訓練のために実戦をすっぽかすって本末転倒じゃないですかああああ!?」
キー「とにかく、変身です!コミュニティアプリ起動!」

キーは桃色の戦士に変化した。
キー「あっ迅さん!お久しぶりです〜ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ」
迅「へっ、CGR新司令官キー嬢か。1人増えても時間の無駄!返り討ちにしてやるぜ!」
迅は袋の口を大きく開く。
「吸い込まれちまいな!」
「キーさん危ないっ!」
ルルが叫ぶ。
だがキーは物怖じせず、風圧に身を任せ吸い込まれていった。そして、
「逆旋風!」
キーが逆に風を吸い込んだ。袋の中から女児たちが一斉にスポーンと飛び出した。
「すごい!(`・ω・´)」
「みなさーん、このサンタサンは女の子たちをさらおうと企んどるエセサンタサンやよーっ!ヨウジョにげろ」
潤とタレの誘導で女児たちは逃げていく。
「ファッ!?折角集めたのにい!ああっ、最後の1人までもが!」
袋がこんもり膨らむと、比較的大きい女性が頭から飛び出した。

タレ「ん?あれは…」
りんご「お姉ちゃん‼」
ルル「え?」

りんごの姉、林かのこは雪の上に気絶していた。

「いったい…」
キーの一瞬の戸惑いを迅は見逃さなかった。
「そり攻撃!」
「わあああああっブワワワッ。゚(゚இωஇ゚)゚。」
迅は巨大なそりに跨って車ほどのスピードでキーに突撃、キーは吹っ飛ばされた。
「決まったっす!」

潤「キーさん、ちょっと~!」
ルル「どういうことですか?何でりんご先輩のお姉さんが…」
りんご「知らないよ‼」
りんごはわけがわからないという表情だ。迅は下衆のように笑った。
「ルァッハハハハハハハハ!!いや、ハハハハハ!!りんご嬢の姉とは面白い、始末してやるぜ!」
迅は太い3本の鎖を束ね、鞭のように振り上げた。
りんご「やめて‼お姉ちゃん‼」


りんごよりも先にルルが走っていた。
そしてかのこの上に覆いかぶさり、鞭を背中に受けた。
ルル「あぐぅ!」
りんご「ルル‼」
「生意気な小娘だ、どきやがれ、」
迅は鞭でルルをバシバシと滅多打ちにする。
ルル「うううう!!絶対どかないですぅぅううう!!」
ルルは歯を喰いしばって猛攻を耐えていた。
スーツに身を守られていようと、想像を絶するほどの激痛がルルの小さな体を襲う。
背骨が砕けて、全身がバラバラになるような痛み…

りんご「ルル…っ‼」

「痛めつけた後は袋行きにしてやるからな…オッ?」
迅は鎖の鞭を振り降ろしたが、空打ちしてしまう。見ると鎖は途中でスッパリ切れていた。
焼け焦げた匂い…

りんごが電流を走らせ鎖を焼き切ったのだった。
ルル「りんご先輩っ!」
りんご「お姉ちゃんを助けたんであってルルを助けたわけじゃないからね‼ツンデレジャナイカラネ」

[返信][編集]

787 :げらっち
2020/09/19(土) 00:08:23

「余計なことを…!ダンッ!迅ちゃんの特製鯛茶漬けェェェェエ!!!」
何もない宙から鯛茶漬けが現れ、りんごの手に落ちた。
「んー?( ・∀・)うまそ、」
りんごは不用心にもマスクをずり上げてそれを食べる。
「っ‼」
りんごは口から炎を噴いた。
「馬鹿め!そいつは毒入り鯛茶漬けだっ!毒物のエキスパートであるこの俺様を甘く見るんじゃねええええ!!」

タレ「あー、りんごのあほ。」
迅は間髪入れず2本の三日月刀を前に突き出し猛進する。
「ブラッディー・メリークリスマース!!」
「あんんんっ‼」
りんごの胸にクロスした刀が突き刺さり、鮮血が飛び散る。
血飛沫が顔に掛かった迅はそれをぺろりとなめてみる。
「ブゥゥゥゥゥン!…あなたはO型ですね!」
「それがどうしたい‼」
りんごは腕で刃先を抱きかかえ、こう言った。

「俺は足を引っ張って皆に迷惑ばかりかけて来たけど、やるときゃやるって、見せてやんなきゃね‼バチバチ行くよ‼」

りんごの手から刀を伝って電気が流れ、迅の骨が透けて見えた。
「あべべべべべべべべ!!」
ルル「りんご先輩、何を…っ!」
タレ「よせりんご!その技は!!」

「何っ、」
「雷雲・りんごタイフーン‼」

りんごのスーツから電流が走ったと思うと発光し、迅とりんごはまばゆい光に包まれた。目を当てられないくらいの、光…
雷が上空に駆け上がった。


りんごは自爆した。

[返信][編集]

788 :げらっち
2020/09/19(土) 00:35:41

ルル「せんぱあああああい!!」
潤「りんごっ!」
潤はかのことルルを爆炎から引き離した。
タレ「…あっ!!」

煙の中に、うつ伏せに倒れているりんごの姿があった。
変身は解けている。
タレはすぐさま駆け寄ってりんごの背中を揺り動かした。
「りんご、死ぬなっっ!」

タレはりんごをゴロンと仰向けに転がした。りんごは苦虫を噛み潰したような顔で目をぎゅっとつぶっていた。
「うー、綺麗に死なせてくれよー…」
「何言ってんねあほ!お前が死んだらみんな悲しむだろ!!あんま無理すんなや!」
タレはボロボロになったりんごを抱え起こした。
「全身が痛いよー💦」
「だから無理すんなって…」


ルルはホッとした。しかしそれは束の間。
煙の中から無傷の迅が現れた。

恐怖も絶望も通り越し、ただ頭がクラクラとした。

何という、強さ。

「おい。」

迅は目をぎょろつかせて言った。

「あんま舐めた事してくれてんじゃねーぞア゙ア゙ン゙ン゙ン゙!?てめーら全員、ぶっ殺してから、袋詰めしてやれば、いいだけの話、イキってんじゃねえぞガキ共があああああああああ!!!!」

迅は三日月刀を思い切り地面に叩きつけた。
衝撃波が起き、その一撃でルル達の変身は解けた。

「死寝や、」

日が落ちた。
ルルは仰臥し、死を覚悟した。
すると、なにかがひらひらと舞い落ちてルルの頬に乗った。
触ってみる。
冷たい。
これは…
「雪!」

潤「雪が降ってる!」
タレ「こ、こんな状況なのに…」
ルル「きれい。」
夜空をひらひらと雪の華が舞っている。

“聖夜に、何かが起こる”


「久しぶりだな(笑)」

潤「あなたは!」

見覚えのある顔。
見慣れた顔。
いや、ずっと見たかった顔。
ぽっと青白い姿で、そこには雪華司令が立っていた。

ルル「…司令、」

また会えることはわかっていた。だから、寂しくなかったの。


「おひさです!」

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789 :げらっち
2020/09/19(土) 01:08:04

「私は、亡霊剣士…雪華!!」

「はぁ?」
迅がポカンとするのも当然だ。
いきなり現れた半透明の雪華は、変身もせず装備も無く、生身の体で剣を構えていたのだから。
「雪さん、あんたは叔父貴の手で地獄行きになったと思ったんですけどねえ?まあいいや。死ねェイ!!」
迅は2本の三日月刀を力任せに振り降ろす。
だが雪華の滑るような剣さばきで、いとも簡単に力を分散されてしまう。
タレ「さすが雪華司令!やっちゃえぴよぴよ!!」

「…つーかさあ、避けてばっかりいないで戦ってくんねーかな、」
「刀をよく御覧なさい。」
迅はハッとする。
三日月刀の刃先は欠け落ちていた。
「な!いつの間に!!」
「あなたの負けですが、戦えというならそれも良いでしょう。無益な殺生は嫌いじゃないタチなんだな…(笑)」
雪華はにやにやと満面の笑みを浮かべ、剣を思い切り振り上げた。
「雪月花。」
「く…白刃取りィィィイイ!!!」
迅は苦肉の策で剣を手で受け止めようとした。しかし剣はするりとすり抜け、迅の体を真っ二つに割った。

勝負あった。


「しれいいいい!!」
ルルは雪華に駆け寄った。
雪華の体に触れようとしたがかなわず、ルルの手はただ冷たい霧の中を突き抜けた。
「これは…いったい…」
「私は一度死んだ身ですからね。聖夜には雪のエレメントが増強し、皆の前に姿を現すことが出来る。それだけです。私は今も死んでいます(笑)」
「そんな…雪華司令!」
「それに私はもう司令ではありません。キーちゃんが2代目の司令としてうまくやってくれてるでしょ?皆がキズナパワーを1つにすれば、メンズスターにも打ち勝つことが出来ます。」

キー、りんご、タレ、潤。ボロボロになれど、皆一緒に居た。

「だから、今日でまたしばらくお別れです。永遠の別れではありませんがね(笑)」


「ちくしょおちくしょおちくしょおおおおおおおおおお!!!!!!!」
ムードをぶち壊す怒声が響いた。
「まだ終わりじゃねーよ、CGRの皆さん!第2Rが本番だからな。決して負け惜しみではないッ」
りんご「あれは‼」
迅が自力で体を膨張させていた。
ビルほどの大きさにまで膨れ上がっている。
雪華「しょうがないですね、思い出話をしている暇もありませんね(笑) キーちゃん、いや、キー司令。CGRロボです!!」
キー「…はい!」

6人はCGRロボに乗り込んだ。

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790 :げらっち
2020/09/19(土) 01:57:11

雪の降る夜の街を、巨大化した迅とCGRロボが戦っている。
迅は素手で高層ビルを破壊すると瓦礫をCGRロボに浴びせかけた。
CGRロボは火花を撒き散らし、分離寸前の状態に追い詰められていた。

「その程度か?オンボロメカじゃ俺様には勝てねーぜ!」

キー「…いや、このロボのパワーは本体ではなく、乗っている僕たち自身にあるんです!」
タレ「せやな!」
雪華「皆のキズナパワーを1つにしましょう!!」
潤「あいよー!」
りんご「りょ、ルルが音頭を取って‼」
ルル「りんご先輩、おけです!いきますよー!!」

「コミュニティエレメントレーザーDX!!」


「戯れ言をほざくな、」
然し、迅の半身は既に吹き飛んでいた。
CGRロボは見切りをつけ、攻撃の手を止め背中を向けた。

「よくもこの俺様を…やるじゃねーか、CGRのお嬢さん共ォォォオオオ!!!!!!」

迅は唸りながら倒れ、大爆発を起こし消し飛んだ。


「…迅が散ったか。最後は拍手を送らせてもらうぜ。」
クロボー師はひっそりと夜の街に消えた。


タレ「やりましたね雪華サン!/^o^\フッジッサーン・・・あれ。」
タレと相乗りしていたはずの雪華の姿が消えていた。
タレ「雪華サンは…」
ルル「…もう。」

ルルは沈む気持ちで下を見た。
ルル「…あれ?」
膝の上に、プレゼントが乗っている。
ルル「これは…クリスマスプレゼント?」
キー「きっとそうですよ!」
キーは隣でにっこり微笑んだ。

生まれて初めての、クリスマスプレゼント…!!
ルルはドキドキしながら蓋を開けてみた。

ルル「あっ、欲しかったすみっコのポーチ!やたー✨」
りんご「僕ちんにも来てたよー‼」
タレ「うちは図書カード5000円分や!ロカVじゃないのかぴえん」
ルル「サンタさんって本当にいたんですねぇ!!」

でも本当はわかっていた。
雪華がくれたプレゼントを大切にしなくちゃ。

雪はしんしんと降り続けていた。

つづく


🌟次回予告!
迅「俺退場かよ…」
ルル「おつかれですぅ!」
koto「ついに最終決戦だね。でも何か忘れてないかにゃ?」
クロボー師「戦隊恒例のあの企画を忘れているな。」
タレ「いやあんたは帰ってくれー」
koto「次回、ルル先輩とkotoのおデート…」
ルル「違いますってば!次回!年末年始総集編SP!今までの活躍を振り返りましょ!」
クロボー師「絶対見てねー✨」
タレ「だからあんたが言うなー」
迅「グダグダだな!」

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