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91.マリルイ学園CGR
 ┗809-813,816-820

809 :げらっち
2020/09/23(水) 00:49:31

第15話

お正月。

こたつで丸くなり、3台のスマホを同時にいじる。
かれこれ3時間もこの格好を続けていたからか、尻が燃えるように熱かった。
トイレにもいきたいし。でも起きるのはめんどくさい。
その時、恐れていた事態が起きた。

ピンポーン

インターホンが鳴った。
出たくない。

ピピピピピンポーンピンポーン

何度も鳴る。
来訪したのはよほどせっかちな人なのだろう。
だからと言って出たくないし、今出れませんと声を張り上げるほどの体力も無い。
無視することにしよう。
僕はこたつの中に顔まですっぽりうずくまる。

すると、あろうことが扉が開くバタンという音が聞こえた。
「鍵かかかってなかったです!不用心ですね!」
聞き覚えのある声。
ドタドタという足音。
「kotoちゃんっ!そこにいるのはわかってますよ!!」

「にゃー」

僕はいとも簡単に見つけられ、こたつから発掘されてしまった。

「kotoちゃん、あけおめです!」
「あけおめめ。」
僕はお目目をごしごしする。
眼鏡をかけ直すと、着物姿のルル先輩が目に入った。
なにこれかわいい。

「ルル先輩、着物姿も似合うんだね。ふーん…」
「えっ、あんまりウケなかったですかね?」
「いや別に。」
僕はまるでそっけない返答をしてしまったが、本当はルル先輩をすごい好いている。
ただそれを表現するのが苦手なだけなの。


「それじゃkoto先輩、一緒に初詣行きましょ✨」

[返信][編集]

810 :げらっち
2020/09/23(水) 01:32:28

空が青く、空気が冷たい。
kotoとルルは近所の白牙神社に初詣にやって来た。

狭い境内には家族連れが来ていたが、ルル達が入るとちょうど参拝を終えたようで何か話しながら帰って行った。
「kotoちゃんもせっかくなら着物着てくればよかったのにぃ~」
「ヤだよ。はずかしいし僕には似合わないよ。」
kotoは普段通りの服装で来ていた。
「ルル先輩こそ着物なんて持ってたんだね。意外。」
「ああ、これレンタルのやつですよ!ほらCMとかやってるでしょ?キーさんがおごってくれたんです(*σ∀σ)」
「なるほろろ。」

「それじゃ、記念に1枚っ!」
ルルは自分のスマホを取り出すと身をかがめ、kotoに体をぐっと近づけてツーショットを撮ろうとした。

しかしkotoはそっぽを向いてしまった。
「kotoちゃん、何で逃げんのー!💦」
「写真はNGです。」
kotoは背中を向けたまま淡々と言った。
「別に誰かに見せたり晒したりしませんよ!!」
「当然です。とにかく写真は嫌いなの。撮りたいなら1人で撮って?」
ルルは寂しさで心が折れそうになりながらも鳥居をバックに自撮りしてみた。


2人は鈴をガラゴロ鳴らすと賽銭箱に5円玉を放り込み、パンパンと手を合わせ目を瞑った。

願い事は決まっていた。
CGRの勝利、みんなが無事でいられますように……


去年は色々なことがあった。
あの時、通学路で声をかけられるまでの私は、だらだらと意味のない学校生活を送っていた。

「私と契約してCGRの一員になってよ。」
「私は猫野瑠々、小学6年生です。友達からはルルちゃんって言われてます。えーと、趣味は読書、特技は一輪車と速読です!よろしくお願いします!!」
「へー、ルルちゃんって言うんだ!私は潤だよ、よろしくね(`・ω・´)」
「僕はキーと言います。仲良くしましょう(❁´ω`❁)」
「私はタレ。よろしくぴよ」
「うちはりんご!よろぴくーww」

あの日から私の人生は始まったようなものだ。

もちろん、悪いやつらも居た。

「お前がCGR5人目の戦士だな。私はメンズスター日本支部部長、ゲラッチ。以後よろしく。」

メンズスターは世界征服を目指し、キャスストーンを蒐集する悪の組織。
CGRの使命はキャスストーンを守り抜くこと。
私たちは、何度も悪を打ち倒してきた!
「コミュニティアプリ起動!」

「電気の使者!ガールズイエロー!」
「水の覇者!ガールズブルー!」
「草の猛者!ガールズグリーン!」
「風の賢者!ガールズピンク!」
「炎の勇者!ガールズレッド!」

「コミュニティガールズレンジャー!!!!!」

「喰らえ、ファイヤースマッシュですううううううううう!!」

迅「げっ、叔父貴、キノボーこっちに帰ってきますよ」
ゲラッチ「ダニィ!?」
キノボー「た・だ・い・までずぅ~♡」
ドッカーーーーン!!!
ゲラッチ「ぐわーーーーーーーー」
クロボー師「ウボワァ~」

クロボー師「やっちまえゆきはな…いや、ユディドラゴン!キズナパワーをブッコワース!!」
ルル「クロボー師さん、あなたをぶったおーす!!」
クロボー師「ヴォエエエエエエエ!!」

美羽「な!」
ルル「コミュニティエレメントレーザーですぅぅぅ!!」
ミウ最推し「ああっミウちゃ~ん!!」
ドッカーーーーーーーン!!!!!


CGRは、私の晴れ舞台だった。

[返信][編集]

811 :げらっち
2020/09/23(水) 01:46:02

CGRでは優しくて強くて面白い先輩たちにたくさん出会った。
今まで友達も頼れる身寄りも居なかった私にとっては、本当に夢のような毎日で……

「私、CGR、辞めます。」

「じゃあ一緒に行かない?ゲーセン!」
「CGRの一員として役に立っている自覚がある。私は絶対CGRを辞めない。だから…ルルも辞めないで。戦わなくちゃいけない時がある。」

ルル「じゃ、乙です。」
潤「バーニング大砲!!!」
ハローデス「バカな…、」
ノッコ「やっば!」
チュドーン!!

潤「みんな感じてほしいんだぜ。CGRにとっての力の源、キズナパワー。もう一度原点に返ってほしい。何か感じない?」
タレ「なるほど、そういうことかぴよ!」
りんご「全然気付かんかった(°∀。)」
キー「真っ先に気付くとはさすが潤ちゃん!」

私がCGRを辞めようと言った時、引き戻してくれたのが二木潤先輩。もし潤先輩がいなかったら…
そう言えば私が最初に自己紹介した時、真っ先に声をかけてくれたのも潤先輩だったな。
おっとりしてるようで実は皆のことをちゃんと見てる、居なくてはならない存在、それが潤先輩なんだ。


「大丈夫ですよ(❁´ω`❁)必ず無事に帰ってきます( •̀ω•́ )✧」
「はい!略して“みんかわ”です!これを使えば今まで固定だった私たちの力を、お互いに交換することが出来ます✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿」
「ルルちゃんの叫び、ちゃんと聞こえましたよ。あんなに熱いラブコールは初めてです(´,,•ω•,,`) もしあれがなかったら、僕は約束を守れていませんでした。本当に感謝します。」

メンバーの中では最年長のキーさん、キー司令。
頭が良くて武術に長けてて美人さんでスタイルも良い!もうかっこよすぎますぅ!キーさんはみんなの憧れ。
巨大ロボを造っちゃうなんて芸当、キーさんにしかできっこない…

「ふおおおおおおおおおおおお!!」
「完成!CGRロボ!!」
「コミュニティエレメントレーザーDX!!」

ズッズーーーン!!!!!

…現実の中の非現実…


「ちょっとルル先輩。いつまでお参りしてんの?」
「ああ、あれ!」
我に返って辺りを見渡すと、遠くにkotoの姿が見えた。
私は回想…というより妄想の世界に入り込んでしまっていたようだ。
「5円でどんだけ願ってんの?やめてよw まあそういうとこも好きですケド。」
「いえ、お願い事してたんじゃないんですぅぅううううう!!!」

ルルはkotoを追いかけ、急いで境内から出た。

[返信][編集]

812 :げらっち
2020/09/23(水) 01:48:25

ルルとkotoは、居候させてもらっているキーの家に帰宅した。
豪華な邸宅は主人の留守によりひっそりとしている。
合鍵を使って扉を開けると、そこには投函口から放り込まれた大量のハガキが山積していた。
ルルは恐る恐るその山に近付くと、うち1枚を手に取った。

          埼
     木    玉
華    村    県
美    愛    ○
大    様    ○
学         市
学         ○
長         ○





「あの超有名な華美大学の学長さんから何の手紙でしょう?」
ルルはハガキを裏返した。


 ★★★   ★★★
★★★★★ ★★★★★
★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★
 ★★★★★★★★★
  ★★★★★★★
   ★★★★★
    ★★★
     ★
          あ
          け
          お
          め


koto「これは…“年賀状”だね。」
ルル「ズコー_( :⁍ 」 )_」
koto「そういえばキーさんは華美大学工学部の首席って言ってたよね。」
ルル「じゃあこれ全部キーさん宛ての年賀状ですかああああ!!」
キーの両親は外国で活躍する貿易商、幅広い人脈を持っているのだ。

ルルとkotoは何とか自分たち宛ての物を見つけ出そうと百枚近い年賀状を仕分けした。
ルル「ありました! “猫野瑠々さまへ” これは真白ちゃんから…こっちはマリナちゃんからですぅ!あと鬼道先生からも!」
koto「僕宛ては1枚も無いね(白目)」
ルル「そ、そんなわけは…💦」
眼鏡屋からの宣伝メインのやつ等どうでもいい年賀状をはけて探し続ける。
ルル「っ!」
するとクラスメイトの鼠屋遼からの年賀状が見つかった。
実は先学期こっそり住所を教えていたのだ。
ルルはちょこっと顔を赤らめて、急いでそれを懐にしまった。
koto「ちゃんと見てるよ。」
ルル「ぎく!」
koto「へー、ルル先輩が男の子と内通をね。まあどうでもいいんですけどね。」
ルル「まあまあ… それよりkotoちゃんへの年賀状、見つかりましたよ✨」
koto「え。」

[返信][編集]

813 :げらっち
2020/09/23(水) 01:53:05

ルル「私とkotoちゃん2人への、キーさんからの年賀状ですよ~✨」
koto「なるほろろ。」
ルル「じゃあ読みますねぇ!」
ルルはキーの声真似をして読んでみた。

「ルルちゃん、kotoちゃん、あけましておめでとうございます~(´。✪ω✪。`)こっちは冬でも暖かですっ!今年もCGRの精進に励みましょう❀.(*´ω`*)❀.」

キーはこの年末年始、マレーシアに一人旅に出かけているのだ。
冬なのに真っ黒に日焼けしている水着姿のキーの写真が同封されていた。

「いいなあ…」
ルルは次の年賀状に手を伸ばした。何とも風変わりな年賀状…
真っ黒な年賀状だ。
しかも白字でこう書かれている。

 ヒ   も   今   C
 ン   う   年   G
 ト   作   こ   R
 は   戦  ブそ   の
 い   は  ッき   し
 ち   始  コみ   ょ
古ば  い動  ワた  おく
いん  るし  |ち  はん
駅   ぞて  スを  よ
だ   ぅ   !   う


ルル「これは誰がどー見ても…」
koto「クロボー師さんからだね。悪筆だし。」
ルル「きっとまた何か企んでるに違いありません!でも…」

恐竜の居る駅って、どこだー?

「ggりましょうッ!」
ルルはスマホで検索をかけた。現代ッ子の悪いクセだ。
「グーグルせんせによると“亀崎駅”ってのが一番古い駅みたいですぅ」
「悪いやつのヒントをそう簡単に信じちゃっていいのかにゃ?ひっかけ問題だよ、これは。」
kotoは黒いハガキをじろじろ見つめていた。
「ホラよく見て。黒字でもう一つヒントが書かれているの。」
光の加減で、一番左の行に今まで見えなかった文がチラチラと見えた。
「1億5千万年前からあるぞぅ ですって。なんのことやら。」
「1億5千年前…」
ルルはピンときた。
「1億5千年前と言えば、恐竜の居る時代!前テレビで見たことがあります、恐竜の居る駅…答えは“福井駅”ですぅ!」
「やるじゃんルル先輩。そういうご都合主義なところ好きです。」


ルル「…でも福井めちゃ遠いですううう!今は先輩たちも居ませんし…」
koto「潤先輩は北海道、タレ先輩は関西に帰省中。りんごはどっか遊びに行っちゃったし。キーさんに至っては外国だしね。」
ルル「そういえば、タレ先輩の田舎は滋賀県だったはず!福井はすぐそこです、連絡してみましょう」

[返信][編集]

816 :げらっち
2020/09/24(木) 15:01:45

ここは、タレの田舎。
いやまじで田舎。
駅舎はプラレールのちっこい駅そのものだし、1・2両の電車がたまーに来るのみ。
駅の待合室では扇風機がグーンと回っている。
周りには向こうにコンビニがぽつんと1件建っているだけで、何もない。
道幅が広く、側溝がデカい。落ちたら死ぬ。
少し駅を離れれば田畑が広がっており、迷いそうになる。本当に絵に描いたような田舎。
そんな田舎にタレの実家はあった。


「今かけてくんな言うたやろ!オフの日にまで仕事の話したくないねん!」
そう怒鳴るのはCGRのタレ。
廊下に出てスマホで通話中。
「不機嫌?ほっとけ。うちはな今初詣から帰って親戚皆で人生ゲームしようと思ってんねん。1年に1度の大イベントなんや。考えてみ、不参加なら強制ビリで1年間ネタにされ続けるんやで?え、メンズスター?何それ美味しいの?あんたらで何とかしたらいいんとちゃう?」

タレはスマホの電源を切った。
大広間に戻る。
そこではタレの両親から膨大な叔父さん叔母さんまで大量の大人が酔っぱらって雑魚寝していた。
その隙間を縫うように親戚の子供たちがちょこまかと動いている。
100㎏級のデブの叔父さんの腹の上に人生ゲームのボードが用意されていた。

「玲子はん、怒鳴ってたんやけどどないしてん?」
父の兄の娘の藤田苺花だ。
タレ「あー苺花ちゃんごめんよ。東京の友人やねん、気にしないで。それより人生ゲームやろwww」
苺花「おもろい友達がおるんやね。絶対ビリにならへんから!ほなやるでマッキィ!」
マッキー「わいもやるで!」
その時。

ビーっ!

苺花「あ、誰か来よった。オトンたち寝てるしどないしーひん?」
タレ「まさか…」
タレの脳内に嫌な予感がよぎった。
タレ「うちが出る。」

タレは1人長い廊下を歩いていき、玄関の扉をガラリと開けた。
「ちわーす‼( ・∀・)」
「何しとんねんあほーーーーーーーーっ!!!!」

直感は当たった。
りんごの突然の来訪に、タレはのどちんこが飛び出すくらい怒鳴った。

[返信][編集]

817 :げらっち
2020/09/24(木) 15:51:01

りんご「ルル達に言われてさ。まあたまたま近くに来ていたんだがな‼」
タレ「いや何で近くにおんの?」
りんご「そりゃあ暇だったからね‼タレの匂いをたどって追いかけて来たのさd(*`・(エ)・´*)b」
タレは失意と軽蔑とドン引きで崩れた粘土のような顔になっていた。
りんご「そんなキモイ顔しないでよ‼メンズスターを退治しに行くよ‼ほら“雪原”も用意してあるし。僕ちんの電気パワーで動かせばすぐ、だおwwwww」
タレ「せっかくの正月休みが台無しじゃぴえん。」

タレはいやいやマシンに乗り込んだ。
本来はタレと雪華の乗るマシンなのだが、雪華の席にりんごが座った。そしてりんごの発電によりギシギシと動き出した。
やがてリニアのような速さになり、シャーッと畑を突っ切って進む。
すると、近くでパァンと銃声が聞こえた。
りんご「うわ‼敵襲?」
タレ「ちゃうわ。あれは獣避け。一定時間ごとに発砲するんや。」
りんご「へー、ここら辺ホント田舎でちね。僕ちん東京生まれ東京育ち。」
タレ「ほっとけ。」


なんだかんだ言って、このやり取りを続けてもう9か月にもなる。出会ったのは、去年の4月。初めて東京に来た日。
都会が嫌で嫌で仕方なかった。空気汚いし。

「はじめまして、俺は林茜‼りんごって呼んでいいよ‼出席番号1番違いよろぴくーwww」

一番に話しかけてくれたのがこいつだった。
「こ、こんにちは~、はじめまして。藤田玲子です」
「富士タレ子?じゃあタレ子って呼ばしてもらうぜ‼」
そう言うとやつは両腕を広げて私に抱き着いてきた。びっくり。都会の女って何でこう体を密着させたがるんやろ?距離感おかしいんかな。
そして、その帰り道…

雪華「あなたたちはCGRの戦士、ガールズイエローとガールズグリーンとなるのです!!」

またまたびっくり。都会ってほんまに恐ろしい。

それからは後輩のルルも加わって、休む暇もない毎日…
「じゃあ入ってみよう。お邪魔しまーす( ・∀・)」
「あほ!そーっと侵入するんだよ!」
「おーい!一緒に遊ぼうよーww」
「絶対嫌じゃ!帰れあほ!何しに来た!」

ハローデス「よくも神聖なる我に土を付けてくれたな…」
タレ「うるさいじょ!二度と私の邪魔をするなよ!!」
ずどーん!!
ハローデス「聖火の導きがありますようにいぃー………」
りんご「やったね‼」


…なんだかんだ言って、悪い日々ではなかった。
福井の都が近付いて来た。タレは景色を見ながら( 'ω')フッ
とした。
りんご「あ、何思い出し笑いしてるの、スケベー(〃´ω`〃)」
タレ「ほっとけ。」

[返信][編集]

818 :げらっち
2020/09/25(金) 00:16:40

タレとりんごは福井駅に到着した。
りんご「うわ‼恐竜がいる!」
タレ「模型やあほ。なんやその芸人みたいなベタな反応は」
2人はなんとかザウルスの横を通り抜け、駅前の改装中のエリアにやって来た。
りんご「あっあそこ怪しいよ‼」


★メンズスター育成道場 有能講師クロボー師があなたを洗脳します★


タレ「あからさまやな。」
りんご「よし、押し入ろう‼」
タレ「待てやあほ。ここに“男子のみ歓迎”って書いてあるやろうちら入れんぞ</^o^\>」

タレはとりあえずルルkotoとビデオ通話し作戦を練ることにした。
タレ「…ちゅうわけなんやけどどないする?」
ルル「そんなの、決まってるじゃないすか!」

画面の向こうには張り切り顔のルルと、後ろにはkotoが映っている。

ルル「タレ先輩が男装して乗り込むんですよ~✨」
タレ「なんでうちなん?お前がやればええやん!」
ルル「私は女ですよ~ タレ先輩は一番男っぽいので!」
タレ「そんなこと言うなぴえん」
koto「でも1つ問題があるよ。例え変装して男になったとしても、タレ先輩の声じゃ到底男に聞こえないよ。」

たしかにそうだ。タレの声はメンバーの中でも特に甲高い。
名乗りを上げたのはりんごだった。

りんご「それなら、僕ちんがやるよ‼」
ルル「え。」
りんご「私は基本男声とロリボがだせます‼」
タレ「こいつ男のふりしてYoutubeやってる変人やからな。」

決まった。タレとりんごが二人羽織で潜入することになった。

ルル「獅子舞 じゃ ないんだから・・・」


タレは帽子をかぶってポニーテールを隠し、大き目のワンピースを着た。
りんごは服の中に潜り込み背中にくっつく。
明らかに変だ。
タレ「まーくろぼうしなら何とか誤魔化せるやろ。」
2人…いや1人は建物の中に入った。

そこは塾の教室のようになっていた。
既に3人の男子生徒が席についている。
ややあってもう1つの入り口からクロボー師が入って来た。その姿を見て、彼女…いや彼は危うく吹き出しそうになった。

いつもの黒いスーツとシルクハット、マフィアのような姿ではなく、プレスリーのようなヒラヒラの付いたド派手な衣装を着ていた。しかも全身虹色に輝いている。ネオンだ。ネオンが服に取り付けられているのだ。

タレ「プププ・・・」
そこにクロボー師が近付いて来た。グラサンはちゃんとかけている。
「おー君もクロボー師のメンズスター道場に入門するか?お名前は?」
タレ「(…ホラりんごなんか喋れや)」
りんご「え、えーと… あ」
タレ「………」
りんごは声の調子をチューニングした。中性的な声になった。
りんご「僕はぶるぶるくんだよ‼」
タレ「ナンヤネンソレ」

[返信][編集]

819 :げらっち
2020/09/25(金) 00:29:49

バレタ、と思った。
しかしクロボー師は相当鈍感なようでくるりと背を向け教壇に戻った。

「それでは新入生のぶるぶるくんも一緒に立派なメンズスターになるための授業を始めるぞ。」
クロボー師はニヤリと不敵に笑い自己紹介を始めた。
「どうも皆さん。知ってるでしょう~?クロボー師でございます、君たちメンズスターに入りたいか?」
「入ります!!」
「入るでー!もうメンズスターのファンやもん」
先に教室に来ていた男子生徒たちが返事をした。りんごは声を出し損ねた。
クロボー師は教室を見渡すと怪訝な表情になった。
今度こそバレたか?

「お前はAHCNPN!おうちに帰りやがれ」
ドバン!と乾いた音がしてクロボー師は散弾銃を撃った。
よく見ると生徒のうちの1人は服を着たチンパンジーだった。チンパンジーは逃げて行った。


クロボー師は白いチョークを取り出すとカリカリと黒板に文字を書いた。
内容は勿論CGRへの見るに堪えない悪口雑言であった。あまりにもしょーも無さ過ぎるので詳細は割愛するが、特にカチンとしたのは以下の文だった。

・雪華司令黒幕説
・ルルとタレは同一人物

んなわけないやろふざけんな!

更にクロボー師は黒板の隅に敗北し倒れているCGRの絵を描いた。酷いクオリティだ。

しかも!何故か緑のチョークで描いていた。
私はついつい叫んでしまった。

「なんでうちなんや!!黄色か赤で描け」

タレが立ち上がった拍子に服がめくれ、りんごの姿が丸見えになってしまった。
りんご「ちょい!w」
タレ「あ、あかん。」
クロボー師「バレてないとでも思ったか?お前らが来ることはわかっていた!タレとりんご、ここで脱落か?」
タレ「りんご、変身や!」
りんご「おう‼」
タレ「コミュニティアプリ起動!」

「草の猛者!ガールズグリーン!」
「電気の使者!ガールズイエロー!」

2人の男子生徒は逃げて行った。
「木の弓や‼」
「ビリビリっと!」
クロボー師は2人の攻撃を華麗にかわすと体当たりを仕掛けた。
「レインボートレイン!」
タレ「きゃー!」
りんご「タレ、あのピザの兄ちゃんを呼ぶんだ‼」
タレ「わかった。じゃあ一旦戦闘中止ね。」
クロボー師「OK。」

タレはスマホを取り出した。
「もしもし《order》ですか?ピザ1枚注文したいんやけど…はい、悪いやつがいますし金持ちそうやしついでにしばけば相当儲かると思います。場所ですか?場所は福井です。え・・・そうですか、」
りんご「何だって❓」
タレ「福井に支店は無いって。」
クロボー師「では戦闘再開だ!ピザにはピザを!おい、 ピ ザ 喰 わ ね ぇ か 」
タレ&りんご「~~!!」

2人は顔面に腐ったピザを喰らい息ができなくなった。


「CGRはじき壊滅するぞう。そーすりゃキャスストーンは集まったも同然だ!」

[返信][編集]

820 :げらっち
2020/09/25(金) 00:37:05

「行け、量産型ガキボー。JS共を倒してしまえ!」
ガキボー「ガキガキ~!」
量産型キノボーもとい量産型ガキボーが大量発生した。タレとりんごを取り囲む。
りんご「ピザが顔に張り付いて周りが見えないよー‼」
タレ「ぴえ~ん苦しい~!ん?待てよ、」
タレはピザの張り付いたマスクを取った。
タレ「マスクごと取ればいいだけの話や!」
りんご「おけでち。こんなやつら蹴散らせるしね‼」
りんごはガキボーたちに回転蹴りを喰らわした。ガキボーはトマトのように破裂していく。

「勝負やくろぼうし!」
「望むところだ。だがお前らんとこのエースは馬鹿もんだ。日本一古い駅は“桜木町”と“品川”だ。」
クロボー師は悪そうに笑った。
「いやそんなんggっても出て来んかったけど。」
「ggるだけじゃわからないマニアックな知識というものがあるのを最近のJS諸君は知らないようだな。馬鹿タレめ。」
「なんやてー!今日こそぶっ倒したる、うちJSやないし!!」
タレはクロボー師を睨みつけた。

クロボー師「やかんしーわ。所詮お前は草属性、致命的なダメージは与えられない。」
タレ「それはどうかな?」
タレは両の掌をクロボー師に向けた。青白い電気がパリパリと走る。
「何だぁ?」

「致死量電圧スタン・ガーン!!」

クロボー師「えー!」
タレの手から青白い稲妻が放たれた。これはりんごの技。草属性のタレが使えるはずは…
そんな属性のことを考えながらクロボー師はぶっ飛ばされ建物の壁をぶち破って道路に落ち車に轢かれた。
クロボー師「なんでー!」

「“みんかわ”でうちとりんごの属性を入れ替えといたんや!しかも、最初からな!気付かへんかったようやねおじいちゃん!!」

クロボー師「_(┐「ε:)_ズコー」

タレは壁の穴に向かって思い切りあかんベーをした。
クロボー師は暫く道路に倒れていたが、やがてスタスタと帰って行った。

りんご「やったね‼」
タレ「わーいぱふぱふにゃーにゃー」



クロボー師は天保山の麓に帰還した。
撃墜されたゲラフィーはここに不時着していたのだ。

「ただいまー。」
クロボー師はサロンに踏み込んだ。しかし出迎えたのはゲラッチではなかった。

「やあ。日本支部は幹部の連敗と、あまりにも業績が悪いからねwぼくはリッチヅノー。これからここはメンズスター本部の指揮下に置かれることになったよ…w」
クロボー師「ウボワァ~」


つづく

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