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91.マリルイ学園CGR
 ┗890-900

890 :げらっち
2020/10/06(火) 15:02:36

第17話

「気分はどうかな?」


目を開けると、私は無機質な床に横臥していた。
上を向くと一番に目に入ったのは地球の青。
灰色の天井に大きな丸い天窓があり、その半分を地球の円弧が占めている。
一瞬夢かと思った。こんな状況は宇宙にでも居ない限り有り得ない。

いや、現実だ。

私は月に居るのだ。


「目が覚めたかい?丸1日眠ってたんだよ、君は。まるでこの悪夢のような現実から逃れたいかのようにね…w」

癇に障る声。
上体を起こすと、リッチヅノーの冷酷な無表情が目に入る。本当に悪夢のようで、頭がズドンと重くなった。
ルルは口を開いた。
「私をどうする気?」

「私をどうする気?って言われてもねwぼくはただ、きみの無知さに驚愕しているだけだよ。」
リッチヅノーは無表情のまま笑っていた。
その手にはルルのスマホ、赤いキズナフォンがあった。
そしてぬるぬると動きルルに近付き、想像以上に強い握力でルルの腕を掴み立たせた。

「こっちに来い!」
リッチヅノーはルルを無理矢理歩かせた。ルルは抵抗する力もなく、だらんと引きずられていた。

パイプのような廊下を進むと薄暗い巨大なホールに到着した。
リッチヅノーはルルをドンと突き放した。ルルは崩れ落ちたが、なんとか自力で起き上がった。
目の前にあったのは小さな机。
その上にはグラスに入った水と、御馳走が並んでいた。ルルは空腹だったがどうしても食べる気にならなかった。

「いりません。」

「気丈だねwせっかくだからきみには教えてあげようか、ぼくの目的を。」

「世界征服…ですね?」

「その通り。」
「だが唯の征服ではない。そんなものは中学生でもできる。」
「ぼくは世界を自分のものにしたいんじゃない、ぼくだけの世界を創りたいんだ!」
「支部なんてものは駒にすぎないよw生き残るのはぼく1人ってわけさ!」

ドームに灯がともり、おぞましいものが姿を現した。
巨大な脳みその塊が天井部分に存在していた。そしてそこから無数の触手のようなものがだらんと垂れている。
さらにドームの隅、触手の陰には敗残兵のようなゲラッチとクロボー師の姿があった。ひざまずいている。


「キャスストーンには凄い力があるってご存じ?7つ合わせれば、その破壊力は、ビッグバンにも匹敵する…」
「それはつまり」
「新しい宇宙を、創生できるということ。」

ルルは話に追い付けていなかった。恐怖という感情だけが独り歩きしている。

「そうすれば、きみの仲間もみんな死ぬ。」

ルルはようやく自分にも理解できるレベルの話が始まったことに気付いた。

「とはいえ、本当に仲間かどうかなんてわからないけどねwキズナなんて脆い物さ。」
「それに、愛も。」
「ゲラッチにあの女を殺させたのが良い例ですよ。本当にあれは笑えたよ…ww」


恐怖が瞬間的な怒りに変わり、ルルはグラスを掴んでリッチヅノーの顔面に思い切り水をかけた。

「…え?w」
リッチヅノーは無表情のままブチ切れそうになっていた。

「CGRのキズナパワーがあれば、あんたなんて…!」

「自分が何者かもご存じないの? 哀れだねw」

リッチヅノーは今度こそ本当に笑っていた。


「きみはキャスストーンなんじゃないか。最後の1つのね…ww」

[返信][編集]

891 :げらっち
2020/10/08(木) 00:02:02

「違う」

私は咄嗟に否定していた。
根拠なんて、勿論無い。
それどころかどこか納得しているような、予想通りというような、不思議な情調になっていた。
でも違う。
絶対に違う。

「なに言ってるの?w猫野瑠々、きみは、最強のキャスストーン。」

「違う!違う違う違う違うちがうのおおおおおおおおおおお!!!!」
頭に浮かんだのは苦しい思い出ばかり。
光りながら悲鳴に包まれ、変化していくみうちゃんの姿。

にんまりと笑うリッチヅノーの目の前でルルは床に泣き崩れた。


そこに誰かが歩み寄ってきた。ゲラッチとクロボー師の影にもう1人誰かが居たようだ。
「久しぶりですね、ルルチャン!僕はルル最推し、生まれながらの貴女の従者です!」

ぐるぐる眼鏡に、胴体はスマホと化しているヲタク怪人ルル最推しだ。
「貴女の必殺技を受けた時、デビルルチャンが盾になり僕を助けてくれました!詰まり僕は生きてます!いつまでも、貴女の従者なのです!」

ルルはこいつの言う事を全く聞いていなかった。
というより全く聞こえていなかった。
ただ床に額を擦り付けて泣いていた。この世の物とは思えないほどの悲しい声を上げて。
「ルルチャン…そんなに悲しまないでください!ハッキリ言ってここまで気付かなかったのは予想外でした!キャスストーンの少女には、僕たち7つ子のヲタク怪人の従者が1人ずつついています!ミウ最推しが存在した時点で、自身の正体に気付くべきでしたね!」

「もうそれくらいにしてよw」と、リッチヅノー。
「それにあの女…雪華は、きみの正体を知っていたみたいだよw」

リッチヅノーは丸まって動かなくなったルルの髪を掴み、強引に顔を上げさせる。
そして真っ赤なルルの顔の目の前に赤いキズナフォンを突き付けた。

そこに映っていたのは待ち受けにしていた、CGRの集合写真。
自分とタレ、りんご、潤、キー、koto、そして雪華の姿…


「何できみがCGRに選ばれたかわかってる?きみがキャスストーンだから。それだけだよwキズナも何も、無かったんだよ。全く底辺のクズだよね…www」

ルルの耳にもようやく言葉が届いた。ルルは息を荒げてスマホを奪い取り、床に叩きつけた。何度も、何度も。
スマホの液晶が割れた。
そして獰猛な目でリッチヅノーを睨んだ。

「ようやく自覚が出てきたかな?wでは、やれ」

「お任せを。ルルチャン!今こそ、真の姿に戻れ!!」
ルル最推しのスマホ画面から放たれた光がルルを包み込んだ。
ルルは鬼のような形相で唸り声を上げ、みるみるうちに膨らんでいった。そして成人ほどの大きさになると、次はシュルシュルと縮み石の姿に変わって行った。


ルルは瑠璃色のキャスストーンに成り果てた。

[返信][編集]

892 :げらっち
2020/10/08(木) 00:06:10

大きな時計塔がそびえ立つ、ここは華美大学。
キーの所属する一流大学だ。
タレ「うわめっちゃ大きいやん!」
りんご「だね‼あの塔300mくらいあるらしいよ」
潤「で、お目当ての場所はまだ?」
キー「あそこですヾ(*´∀`*)ノキャッキャ華美大学付属図書館。」

そこには荘厳な建物が建っていた。図書館と言うが、むしろ教会の様だ。


中は静寂だった。
本を読んでいるのは頭は良さそうだがどこか癖のありそうな学生ばかりだ。

潤「あった!ヒロインアハでミア!」
タレ「うちが見たかったやつや。漫画も全部そろってるとかすごいな!」
りんご「漫画から歴史書まで日本中の書物がそろっているらしいぞい」
潤「レアな初期の漫画!なんといっても主人公がかっこいい!」

3人はあろうことか大声で話しながら漫画を読み始めた。周りの学生たちが3人を睨む。
するとその時、本棚の1つが横っ飛びに倒れ本がドサドサと床に散らばった。

潤「何事?」
聞き飽きた声が館内にこだました。

「また会ったな、コミュニティワルキューレレンジュアー!━━━確かに、人間は弱い。だからこそここで決着だ…そうだろう、愚民たち!」

タレ「あ、ハローデスや。」
学生たちは部屋の隅に縮こまって、ハローデスとそれに対峙するタレ達の姿を見ていた。

タレ「あれキーさんは?キーサァン!」
りんご「仕方ない3人でやろう。ハローデス程度なら( ・∀・)」
潤「それじゃ、変身するよ!」

「コミュニティアプリ起動!」

「電気の使者!ガールズイエロー!」
「草の猛者!ガールズグリーン!」
「水の覇者!ガールズブルー!」

「コミュニティガールズレンジャー!!!」

ハローデス「何、貴公には負けるよ、貴公は常に私の上を行くからねを、3人ごときで私を倒せるはずが無い。」
りんご「さんだー!
タレ「草爆弾!
潤「ビッグウェーブ!
ハローデス「どわああああああああ!!」

ハローデスは痺れ、爆発し、建物の外まで吹っ飛ばされた。
煙をあげ地面にゴロゴロと倒れ込む。
潤達も建物の外に出てハローデスに標的を定める。

潤「これでとどめ!(`・ω・´)」
りんご「コミュニティエレメントレーザー簡易版‼」
タレ「どっかーん!」

しかし、必殺技を放つ直前に不思議な事が起きた。

キラキラと輝きながら、ハローデスと潤達の間に少女が降り立ったのだった。
りんご「あっあれはルルの友達の真白‼」
潤「攻撃やめー!」
真白は地に足を付けた途端、ふわりと崩れ落ちた。
3人は駆け寄る。
タレ「おい大丈夫かしっかりしろ」

真白は瞼を開けずに、うわごとのように呟く。
「ルルちゃん…ルルちゃん…が…」

りんご「一体何があった❓」
潤「ルルがどうしたの?たしかに今朝誘った時は未読無視されたけど、まさか…」
タレ「とにかくキーさんのうちに運ぼう!」
ハローデス「おい私を倒してから行ってくれ」

[返信][編集]

893 :げらっち
2020/10/08(木) 00:44:29

キーの家、ベッドルームにて。


恢復した真白はタレ達に一部始終を話して聞かせた。
リッチヅノーの存在、殺戮、そしてルルがさらわれたこと……
聞き手のタレ、りんご、潤は話が終わるまで一言も発さずにただ青ざめていた。

タレ「ほんまに間違いないんやな?」

真白は頷いた。

そこにキーが入ってきた。

りんご「あっキーさん遅いよ‼どこに行ってたんだ」
キー「ごめんなさい。今朝図書館に行ったのは、これが目的だったんです。」

キーは古びた分厚い本を取り出した。

りんご「何ソレ❓」
キー「これがリッチヅノーの正体です。」
りんご「本がリッチヅノー?(〃 ́ω`〃)」
タレ「あほ。」

キーは本を机に置き黄ばんだページを1枚ずつめくる。
「71年前、闇の実験に手を出し、大学を追放された学生が居ました。秀才とされていますが、他の学生達と馴染めず浮いた存在だったそうです。」

タレ「いじめられてたんかな」

「彼が手を出したのは脳摘出と移植、要は不死になるための実験です。そして彼はこの実験を、“リッチヅノー”と名付けました。」


りんご「!」
潤「じゃあリッチヅノーとか言う奴は、そんなに昔から…?」
キー「そうです。真白ちゃんやルルちゃんの証言からして、こいつがメンズスターの首領として世界征服を企んでいるのは間違いないでしょう。」
タレ「じゃあげろっちはどうなんの?雪華司令を撃ったんだよあのげろは」
真白「あっでもね!」

突然真白がベッドから半身を乗り出して発言した。
「ゲラッチって人はうちを助けてくれた。リッチヅノーからうちちを庇って、そのあと何をするかと思ったら、うちを地球に送り返してくれた。良い人かはわからない。けど…」


その時。

突き上げるような激しい揺れが起こり、皆飛び上がった。
タレ「ぱおん!」
キー「今のは…!」
キーはすかさず部屋の隅にあったテレビをつけた。
【速報】の文字が。

「ただいま速報が入りました。東京都・華美大学付近に謎の飛翔体が落下しました。ただいま、映像が入りました!」


テレビ画面に映っていたのは、巨大な黄金の甲冑。その胸元には瑠璃色の石が嵌めこまれていた。

[返信][編集]

894 :げらっち
2020/10/08(木) 00:49:27

CGRメンバーは華美大学の最寄り駅に到着した。
タレ「なんやあれ!びばでっか!」
駅から大学までは大分離れているが、ここからでも大学の傍に佇立する黄金の鎧の姿が見える。
駅前には人がごった返し、スマホで鎧を撮影したり何か叫んだりしていた。
キーは双眼鏡を取り出した。

「あれは前に戦ったメンズスター神に酷似しています…そして胸元には、キャスストーン!……あれ」

キーは眉間にしわを寄せてぶつぶつ独り言を言い始めた。
「見たことが無い…あの色のキャスストーンは、あれは…」
「貸して!」
潤が双眼鏡を奪い取る。
潤「瑠璃色のキャスストーン…」
タレ「まさか!」
キー「そのまさかですね。ルルちゃんがキャスストーンだったとは…!!」


黄金の鎧は剣を振り降ろした。
途端に華美大学の校舎は倒壊した。

潤「ルル、やめてーっ!!」


「いいぞ、メンズスター神V2…その調子、全部全部壊しちゃえ。ひゃーはははは!!」

こちら月面。
ルル最推しがパタパタとキーボードを打っている後ろでリッチヅノーが高笑いしている。

「でもキャスストーンのうちの4つはまだCGRが持ってるんですよ!」とルル最推し。
リッチヅノーは無表情に戻り言う。

「何言っちゃってんのwアメリカ支部や中国支部、メンズスターの全支部にCGRを総攻撃させて、キャスストーンを奪うんだよ…CGRなんて、イチコロさぁ!w」

「へいへい。」
ルル最推しはキーボードで支部に指示を送ったようだ。


「CGRもこれでぶっ壊れる、か…」

ゲラッチとクロボー師はその様子をひっそりと見つめていた。
「おいゲラッチ」
「…どうした!」
クロボー師がゲラッチの胸ぐらを掴み思い切り締め上げた。


「こんなんじゃつまらないぜ。まさか部長としての信念までぶっ壊してしまうとは情けない男だ。俺は抜けさせてもらうぜ。」

クロボー師はゲラッチをぺしっと離し早足で去って行った。

ゲラッチは立ち尽くしていた。



何故だ。
何故こんなことに。

私はただ、良かれと思ってやったのに。
いやこれで良いのだ。
より良い世界を創るために犠牲はつきものだ。
その信念は変わらない筈。
いや本当にそうか?
愛するものを殺し、相棒と別れ、罪もない子供たちを犠牲にしてまで、世界を創り変えるのか?

それで創った世界は、本当に幸せなのか?


わからない。
私は変わってしまった。

何かによって支配された。
取り込まれた。
いや、取り込まれる以前に、少しずつ傲慢になっていたんだ。
全ては私が、私自身が悪いのだ。


できる事ならもう一度、あなたと一緒に、

ユキちゃん…


「おい、どうしたの部長?」

我に返ると、目の前にリッチヅノーの姿があった。

「何泣いてんの?w今からCGRの最期を拝みに行くよw」

[返信][編集]

895 :げらっち
2020/10/08(木) 01:08:19

ぼんやりと夢の中にいるみたい。
もう何もかもどうでもいいや。
誰も私のことをわかってくれないし、
私の痛みを知っても助けてくれないんだ。
世界なんて変えられないし
自分だって変えられないし
どうあがいても私は私。


わからない。
私は変わってしまった。

私の体、私の心、私の記憶、全部他人の物みたい。
昔の私はきっと別人。
何もかも捨ててしまった。
戻れない。
何でこんな目にあわなきゃいけないの?
全てはみんな、みんなが悪いんだ。



一瞬の出来事だった。
キャスストーンからビームが放たれビルに直撃、CGRを含む多くの人々の上に瓦礫が降り注いだ。
タレ「わあああ!」
キー「みんな逃げて!」
CGRの皆は間一髪で瓦礫から逃れた。然し。
潤「あ…!」

周辺に居た人々は逃げようとしたが間に合わず、瓦礫の下敷きになって死んでいた。

りんご「何で…こんなことを…‼」
潤「ルルーーーー!!」


ルルーーー

ルル?
何、それ。
私を、呼んでいる?

うざい。
あっちにいけ。


キャスストーンから特大の炎が放たれた。
潤「あれは…スパイラルフレアー!?」
それは確かに潤達を狙っていた。
タレ「やばいぃっ」
潤「やめてえええええええええ!!」
潤は目を閉じた。
炎は標的を微妙にそれ近くに停まっていたバスに着弾。バスはボンっと音を立ててひっくり返って炎上した。
キーが風の魔法で攻撃の軌道をずらしたのだった。

潤は炎に煽られ転倒した。
潤「ルル…何で…」
りんご「ルルがこんなことするはずないよ‼きっとルルはもう、自我が無いんだよ‼」
「いいえ。」
そう言ったのはキーだった。

「キャスストーンの状態でも、意識があり、自我も存在しています。ルルは私たちのことを覚えています。」

タレ「そんな!」
潤「酷いよ…」


『魔女ルルー様釜何煮込みました?』
メンズスター神V2は燃え盛る剣を回転させ周囲の建物を焼き払った。
悲鳴、サイレン。
街は地獄と化していた。


「一番辛いのは、ルルちゃんです。」

潤「え…?」

「私たちにできるのは、ルルちゃんを助けることだけ。だってそうでしょ?私たちは、キズナで戦う“コミュニティガールズレンジャー”ですから(❁´ω`❁)」

キーの笑顔に励まされたのか、タレ達も奮い立つ。
タレ「そうこなくっちゃね!ぱふぱふ!」
りんご「俺もやるよ‼ルルは大事な後輩、大切な友達だからね‼」
潤「そうだったぜ!ごめんよルル(`・ω・´)」
キー「それじゃ、」


「コミュニティアプリ起動!」

「電気の使者!ガールズイエロー!」
「草の猛者!ガールズグリーン!」
「水の覇者!ガールズブルー!」
「風の賢者!ガールズピンク!」


「コミュニティガールズレンジャー!!!!」

[返信][編集]

896 :げらっち
2020/10/08(木) 01:44:01

「カラミティウェーブ!」
「地球一周スタン・ガーン!」
「草核爆弾!」
「トルネード・トルネード・トルネード!」

各々の必殺技で地上からメンズスター神V2を攻撃する。然し悉く撥ね返されてしまう。

するとそこにもう1機の飛翔体が現れた。
初代メンズスター神だ。
銀色の鎧の胸元に、朱色のキャスストーンが嵌めこまれている。

2機のメンズスター神は接近した。


…みうちゃん。
やっとわかった、あなたのきもち。
つらかったんだね。
私も今は同じ気分。
いっしょに、全部、消しちゃおう。
幸せなやつらは邪魔だからね。


ルルと美羽のキャスストーンはチカチカと光り、共鳴しているようだった。

そして次の瞬間、

災厄が起こった。
地の底から唸り声のようなものが聞こえたと思うと、凄まじい揺れ、
大地の怒り、そう呼ぶのがふさわしいような揺れ。
ビルは倒壊しあちこちに地割れが起きる。
CGRメンバーはエレメントでバリアを張り何とか持ちこたえた。

タレ「何や今の!」
キー「キャスストーンの威力は乗算されます。2つ揃っただけでもマグニチュード9を超えるエネルギーを生み出します。もし7つ揃ったら…」
潤「早くあの鎧を壊してルル達を助けないと!」


「ほんと、すごいなあ…w」

リッチヅノーは華美大学時計塔のてっぺんに立ってこれを俯瞰していた。
「じきメンズスターの全勢力が集結しきみたちの持っている4つのキャスストーンも奪っちゃうからね。そうしたら世界は…ねw」

すると。

何か大きな影が現れた。
大きな大きな影。

「何だ?最推しのやつが次のメンズスター神を早めに送り込んだのかな?」

しかし、そこに居たのは…
「!?」

巨人だった。


「おーい、お待たせー」

タレ「こと!」
りんご「遅いよ‼」
「ごめんなさいね。はい、いつも遅れて登場、いいとこだけ持ってくタイプのkotoちゃんです。そんでもってこの子はなゃるチャンです。可愛いでしょ?」

巨大な人型のそれは、まるで鎧を着ていないメンズスター神、とでもいうような容姿だ。
その頭の上にkotoがちょこんと座っている。
しかも胸元には、白いキャスストーンがガッチリと嵌め込まれていた。

キー「それは、まさか…」
koto「あたり。これは雪華司令のキャスストーンです。本当は4つ出そうかと思ったけどそれじゃ太陽系ぶっ飛ぶからね。今日は1つだけです。はい、勝ちました。」


キー「さあ、僕たちも力を合わせましょう!」
りんご「りょりょりょ‼」
「キズナパワー全開!!」

koto「こっちはキャスストーンパワー全開です。いくよ、雪華司令!」

「キャスストーンフィニッシュ!!」

キズナパワーとキャスストーンの力が1つになり、光が放たれた。
光に包まれ、メンズスター神2機の動きが止まった。


雪華のキャスストーンはチカチカと光りとルルとコンタクトを試みた。

[返信][編集]

897 :げらっち
2020/10/08(木) 01:47:06

全部終わりにしたかった。
何もかも壊して、自分も、消える。
誰からも忘れられたかった。
なのに。

どうして…?
どうして私を睨むの?
雪華司令…

お母さん!!!!



「何をしている、おい!アメリカ支部!」

「バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーカ」

リッチヅノーは焦って端末を覗き込んだが、そこに映っていたのはクロボー師。

「メンズスターの支部はぜーんぶ俺がぶっ壊してやったぞぉ。サッパリしたぜ。メンズスターをブッコワース!選べよ。俺がお前を殺すか?それとも……ゲラッチせんせー!」


「ハッ!!」

リッチヅノーは気配を感じて振り向いた。
時計塔の屋根の上にはもう1人の男が立っていた。

ゲラッチが銃口をこちらに向けていた。

「やる気か?部長、あんたは人間のクズだ!!」

「クズ?違うね。私はチート級、カリスマ部長…」

「しね!即死雷!!」

リッチヅノーの雷がゲラッチに直撃した。しかしゲラッチは構わず引き金を引く。
「チート級スパイラルレーザー!!私を不死身にしたのは、」
リッチヅノーは被弾、
「間違いだったなあ!!」

驚いた顔をして時計塔から落ちていった。


「グハッ!」

リッチヅノーははぐちゃぐちゃになった。
しかしニュルニュルと動いてすぐ元の形に戻る。しかし、汗ぐっしょりだ。

「ど、どこまでも馬鹿だな!だからおまえはクズなんだよ、ぼくをころせるならころしてみて!ww」

背後に圧力を感じる。

「…へっ?」


振り向くと、黄金のメンズスター神が思い切り足を上げていた。


リッチヅノーは渾身の力で踏み潰され、マントルにまで没して死んだ。

[返信][編集]

898 :げらっち
2020/10/08(木) 01:48:43

「今まで隠していてごめんなさい。そう、私もキャスストーンの1つでした。貴女の苦しみがわからない?そんなことは有りません。私も貴女と同じです。」


キー「まさか雪華司令が…僕も気付きませんでした(´∩ω∩`)」
りんご「でもこれで全部終わったね‼」
タレ「平和な世界が来るんやな。およ?誰か来る。」

瓦礫の上を歩いて誰かが近付いて来た。

koto「あれはまさしくあれですね。」

ゲラッチが近付いて来た。
あの奇抜な格好ではなく、普通の服装で、普通の眼鏡を掛けている。
そして少し気まずそうにしていた。

「…すまない。」

ゲラッチはCGRの皆に向かってペコリとお辞儀をした。
「ごめんなさい。」

koto「…って言ってるけどどうする?」
タレ「まあー反省してるようやしイイんとちゃう?」
koto「…とのことです。ヨカッタネお兄ちゃん」

ゲラッチの顔が子供のようにぱっと明るくなった。
「ありがとう!というわけでこれからはお友達なのだ。皆よろしくね」
ゲラッチはタレの手を握ってぶんぶん振り回した。
タレ「離せやきしょいぞろりっち」

するとゲラッチの後ろからクロボー師がひょっこりと姿を現した。
「よぉ!俺もお邪魔するぞぅ」
潤「ちょっと調子よくない?wまあ、いいけどさ!」

ゲラッチはなゃるチャンの胸にはめ込まれた白いキャスストーンを見上げ、話しかけた。
「ユキちゃん。もう一度、一緒に頑張ろう!平和な世界を、作るんだ!」



「フフッ(*´艸`*)相変わらずですね。ルルちゃん、私たちも、あっちに行きましょう。」

真っ白い不思議な空間で、ルルは雪華と手をつないでいた。

「ありがとう雪華司令。でもね、」

「私。やりたいことがあるの。どうしてもやりたいこと。」


「…それは貴女の本心ですか?」


「はい。」


「わかりました。私は貴女の味方ですよ…❀.(*´▽`*)❀.」


クロボー師「…ん?様子がおかしいぞ。」
ゲラッチ「あれは、まさか…!」

雪華とルルのキャスストーン、機能停止したメンズスター神に嵌めこまれていた美羽のキャスストーンが、一斉に宙に向かって飛び出した。
そしてどこからともなく他の4つのキャスストーンも飛来する。

7つのキャスストーンが、光を帯びながら、天高く旋回し上昇していく。


koto「やばいね卍お兄ちゃん何とかして?」
ゲラッチ「無理だー!」

空が虹色に輝いた。
空間が、歪んでいく。
ゲラッチ「みんな集まれ!!」
タレ・りんご・潤・キー・koto・ゲラッチ・クロボー師は手をつないで身をかがめた。



そして世界は真っ白になった。
ビッグ・バンが起きた。

[返信][編集]

899 :げらっち
2020/10/08(木) 01:52:24

キーンコーンカーンコーン・・・



下校の鐘が鳴ると同時に、私はランドセルを背負って駆け出した。
「待って!」
肩を掴んだのはクラスメイトの真白ちゃん。
「遊んでこうよ、ルルちゃん!」

「ごめんっ!」

私は申し訳なさそうに、しかし元気いっぱいに話す。
「私今日用事あるから!って言おうと思ったけど…やっぱ、一緒に来て!」

ルルは真白の手を握った。
クラスメイトの犬又美羽は何か言いたげな表情でルル達をチラチラ見ている。

「何見てんの…?」

ルルは美羽に話しかけた。
美羽はサッと目をそらす。

「みうちゃんも、一緒にいこ!絶対楽しいから!✨」


ルルは美羽に手を振った後、真白と共に教室を飛び出した。
美羽は目を輝かせて、ルルの後を追いかけた。


3人は森の奥にある、CGRの秘密基地…ではなく、キーの家にやって来た。
「それじゃ、入るよ~!」

ルルは扉を開けた。

[返信][編集]

900 :げらっち
2020/10/08(木) 01:53:19

「「「「「誕生日おめでとー!!」」」」」


そこにはみんな居た。
皆が、ルルを祝福していた。

タレ「おめでとうぱふぱふにゃーにゃー!」
りんご「12歳の誕生日おめ‼」
潤「特大ケーキも用意してあるぜ!残さず食べてね(`・ω・´)」
キー「もちろん僕の手作りです~❀.(*´ω`*)❀.」
迅「この僕が毒見したが問題なしでしたぜ、ヴェハハハハハハハ!!」
ハローデス「そうだな。私の生誕祭には\\😇👑💜Happy Birthday💜👑😇ハローデス様の降臨、聖誕を祝福します!!//と、祝うがいい。」
クロボー師「中二病が増えてて嫌になるぜ。ハッピーバースデールル。パイ喰わねえか?」
ユメチビ「おめでとう、ルル様!私も健在だ!」
koto「僕からもおめ。今年も生き延びて下さいね(?)」

ルルはクラッカーを浴び、皆に囲まれポンポン頭を叩かれながら、ケーキを一切れ受け取った。
レモーン「はい(渡した)」
ホリ太「俺は甘いもの好きじゃないんだがな(隙自語)」
HKK「まあいいじゃないですか!こんな時くらいみんなで祝いましょ笑」
あめそ「特製メロンソーダもあげます。舌がしびれるぅ」
雪華「それじゃあ乾杯ですね。ルルちゃんが作った、この素晴らしい世界に(笑)」
ゲラッチ「何だそりゃ。そんなことよりユキちゃん私にキっスを…(つ・ω・(-ω-*)」
雪華「やめい!!」

雪華はゲラッチをバシッとはたいた。
ゲラッチ「気を取り直して。ルル、本当におめでとう。」
雪華「そして…ありがとう」
ルル「いえ。私の方こそありがとうございます✨ゲラッチ先輩、ユキちゃん!そして、皆さん…」

ルルは周りをぐるりと見まわした。

「皆さん本当にありがとうございました✨」



これが、私のHAPPY END✨

[返信][編集]



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