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┗91.マリルイ学園CGR(702-721/1000)
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702 :げらっち
2020/09/08(火) 18:27:09
>>696 それは想定してなかったな
リッチヅノー・ゲラッチ・クロボー師・迅の関係をドロンボーに捉えられがちだけど、それはあまり意識してなくて、
ボーゾック(エグゾス・ガイナモ・ゼルモダ・グラッチ)やブラッチャー(シルバー・ブラック・ドジラス・ウッカリー)をイメージしているぞ。
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703 :げらっち
2020/09/09(水) 23:45:46
🌟crazyーdeliveryとのコラボ
(これは第12話の少し前のお話です)
藤田玲子、その正体はCGRのタレ!
草の猛者ガールズグリーン!
そんな彼女の休日はCGRでの活躍とは程遠い世俗的なものだった…
╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬╬
開けっ広げのピザが1枚。
タレは自室に籠ってパソコンをいじっていた。
服装は起きてからずっとそうなのか、シャツ1枚である。
耳にはイヤホンを付けているがよほどの音量で聞いているからか隙間から邦ロックの音が漏れ出していた。
「うーん、なかなか思い浮かばへん。」
タレはとある掲示板サイトに自前の小説を投稿していた。
ピザを題材にした風変りな小説である。
タレは残っていた2ピースのピザのうち1ピースを取ると口に運んだ。チーズがびよーと伸びた。
「…不味い。」
ピザはもう冷めてしまっていた。
その時、異変が起きた。
「ん?何やこれ!」
72 :すき焼きのタレ¥ライブキッズ
2021/10/03(日) 14:57:48
明日の給食は地獄のピザをお届けするお
それは確かに自分のハンネだったが、こんな書き込みをした覚えはない。
「きっとなりすましやな。こんなことして何がおもろいのかわからんわあーあ今日はもう思い浮かばへんし〆切また1週間ほど伸ばして貰って今日はもう落ち</^o^\>フッジッサアアアン」
タレはパソコンを閉じた。
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704 :げらっち
2020/09/10(木) 02:19:33
翌日。
兵中1‐3は今給食の時間であった。
「おなかすいたー。今日の給食なんなんやろ?」
うちらは4人1組の班になり、机を合体させ給食を食べる。昼飯くらい自由席で喰わせろや!ってゆーてもなんも解決しない。小中学校は何とも窮屈だ。
りんご「俺は揚げパンが食べたい‼」
タレ「わしきなこ嫌いなんやけど。きなこない揚げパンなら食べたい。」
りんご「タレは味覚が変wwww」
アキ「私もそう思うのだ~(^ω^)」
彼女はりんごの彼女、塩田アキ。
アキはテーブルクロスを引き終えると椅子ではなくりんごの膝の上にちょこんと座った。
りんごはアキの腹に手を回すとぐいぐいと揺らした。
タレ「教室でイチャイチャすんなあほう!」
りんご「オッモテない女のひがみか~❓」
タレ「ちゃうわうちの理想が高すぎるんや。まあカワウソのアティちゃんには見向きもされないけどねw」
アキ「玲子ちゃん動物にガチ恋してんの~(^ω^)」
タレ「笑うなぱえん」
この班にはうちら3人以外にもう1人男子がいるんやけど、名前がようわからん。たしかルルの親友真白の兄だったっけな。
眼鏡かけたインキャで。犬みたいな顔なんでうちは仔犬って名付けてるwwwwwwww
タレ「仔犬!献立表見てきて。」
タレは女子の会話に混ざらず一人暗く座っていた仔犬に話しかけた。
仔犬「なんで俺が…」
りんご「班長であるタレに逆らう気かー?ww」
仔犬「はいはい行きますよ。」
仔犬は変な歩き方で教室の後ろの方にある献立表を見に行った。そしてUターンして戻ってきた。
アキ「仔犬ちゃんお手!」
仔犬「ワン!ってやらせんな!ご飯とみそ汁だった。」
りんご「おかずは❓」
仔犬「それが、よくわかんない。テープかなんかで消されたみたいで、上からマジックで大きく書いてあったんだけど…」
タレ「何て?」
仔犬「ピザ。」
「「「ピザァ!?」」」
給食当番の生徒によって、教室に銀の台車3台がガラガラと運ばれてきた。
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705 :げらっち
2020/09/10(木) 02:23:10
まさか、あの書き込みが現実に…?
だが修正されていたのがちと気になる。ご飯とみそ汁というド和食にピザと言う組み合わせは、明らかにおかしい。
そもピザが給食に出るなんてちょっと変やん。
タレは様子を見ようと1人台車に近付いたが、先生に制止された。
「くらー!行儀が悪いぞ、藤田!順番に並んで準備しろ!」
生徒の嫌いな教師ランキングで堂々の1位に輝いた禿げた中年の担任、鑑先生だ。頭は鏡のように光っている。
タレは渋々と引き換えし、班の3人と共に列に並んだ。
タレ「あのはげおやぢ。ところでピザってどういうことなん?あんた給食委員やろ?」
りんご「知らん( ・∀・)」
そうこう言ううちに列は進んでいき台車の前にたどり着いた。トレイと箸を持ってさらに横の台車に進む。
2番目の台車では割烹着に身を包んだクラスメイトの理沙とさやかがご飯とみそ汁を提供してくれた。
そして3番目の台車。
問題のピザがあるとしたら、ここ…
ん?
そこには白い帽子の代わりにレモンの被り物をした少年が立っていた。
こんなクラスメイトいたっけ?
「はい(渡した)」
その少年はトングを使い食缶からあつあつのピザを取り出すと、タレのトレイの皿に乗せた。
予想以上にずしっと重く、危うくトレイを落としそうになった。何とか堪え、班に帰還する。
りんご、アキ、仔犬も順に帰ってきた。
りんご「すごいねこのピザ‼まじでっかくてうまそう‼」
アキ「美味しそうだけどッ!!熱そうッ!!!」
仔犬「…」
仔犬はクンクンとピザの匂いを嗅いでいた。
りんご「うわまじで犬みたいきもーいwwwいくらうまそうだからってねさすがにね❓」
たしかに目の前のピザはやばい。
皿からはみ出すほどデカく、アツアツでチーズがとろけている。サラミもピーマンも香ばしくて旨そうや。とても給食クオリティとはおもえん。
だが、タレは何か虫の知らせのようなものを感じていた。昨日の、あの書き込み…
しばらくすると配膳が完了し、先ほどのレモンの被り物の少年が大きな声でこう言った。
「それではみなさんどもちょ、手を合わせて。いーただーきます!地獄のピザを召し上がれ!!」
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706 :げらっち
2020/09/10(木) 02:26:47
突如ピザが巨大化し、タレの体を包み込んだ。
「うわあっっっづ!!なんやこれふざけんな!」
もがけどアツアツのピザは体にくっついて離れない。皮膚が焼けるように痛む。
「ちょっ小奇麗なお肌が台無しや!誰かたすけてぴえーん」
しかし周りを見渡すと、クラス中の生徒たちも同じ状況に追い込まれていた。それに、先生まで。
アキ「茜ちゃんだずげで~💦」
りんご「アキ~‼俺も今ピンチだよ‼」
鑑「くらー!誰だこんなピザを盛ったのは!食べ物で遊ぶんじゃないっ!」
レモンの被り物をした少年が割烹着を脱ぎ捨て、台車の上にダンと乗った。食器が床に落ちバリバリとすごい音を立てた。
「お前ら注目しろ!番外編ではおなじみのレモーン野郎です。メンズスター関係者名簿見たらこのクラスにCGRがいるって出た!しかもタピオカ屋で僕をひどい目に合わせた奴だった。だから処す」
そーいやタピオカ屋でうちらを抹殺しようとしたやつや!あの時は余裕で勝って草生えたけど。今回はちょっちやばみ。
今度はピザが、体を締め付けてきた。
「ぐえええ!へ、変身…」
変身しようにもこの状態ではスマホを起動させられない。
レモーンは意地悪そうに笑う。
「さらばだ、ガールズグリーン!」
その時。
教室の扉を蹴破って、誰かが入ってきた。
「ン、誰だ?」
「美味しいピッツアのおみせ“たまこ”です。ピザお届けに参りました~」
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707 :げらっち
2020/09/10(木) 02:29:06
そこには大学生風の男がピザのケースを担いで立っていた。
救世主、来たか?
タレはちょっとだけ期待してみた。
レモーン「はあ、ピザ?ピザなんて注文した覚えは無いぞ?」
「君には無くとも僕にはあるんだ。僕には諭吉さまがかかっているからねえ!」
は?諭吉さま?何言ってるんやこいつ。
期待したうちが馬鹿やった…
タレは落ち込みかけた。だが。
「僕は誰かって?僕は戸舞 透輔。《order》の配達員だ。美味しいピッツアのおみせたまこは仮の姿さ!」
透輔はケースの中からピザカッターを取り出した。
「ピザを人殺しの道具に使う奴は、絶対許さねえ。」
ん?何やこの兄ちゃん。案外かっこいいんとちゃう?
「何をふざけたことを!喰らえレモーンエキス!」
レモーンの頭から黄色い汁が発射された。それを軽くかわす透輔。
「伸びるピザカッター!!」
ピザカッターがぐんと伸びると先っちょがハサミのように変形し、レモーンのレモンの被り物をスパッと切断した。レモン汁があふれ出す。
「うわぁぁ!僕のお気に入りのレモン頭があ!覚えていろ!」
レモーンは逃亡した。
なかなかやりますねぇ。
すると透輔は、勝ち誇った顔でこう言った。
「諭吉さま!僕の活躍を見てくれたでしょうかっ✨」
…やっぱかっこよくねーわこいつ。
すると透輔のスマホの着信音が鳴った。透輔はすかさず電話に出る。
「あっ生地店長?やりましたよ怪人をぶっ倒しました!」
『ちょっとトマト君!そんな末端の構成員を倒しても意味は無いんだよ!メンズスター幹部クロボー師に高額のピザを送り付けて金をせびるんだよ!』
「まじっすか?でも俺の実力じゃまだ…」
『諭吉さま。』
「はいっ、行かせていただきます!!」
トマトは電話を切るとさっさと出て行ってしまった。
「えーちょっと!うちを助けて行ってよぴえん!」
ピザは既に冷めており苦しくは無かったが、身動きは取れなかった。タレはバタバタと暴れる。
すると、誰かがピザからタレを引っ張り出してくれた。
「あざますぅ!ン?」
そこに居たのは仔犬だった。
仔犬「俺、匂い嗅いでみて、怪しいってわかったから咄嗟に避難してたんだよね。」
タレ「おおでかしたぞさすがこいぬ!」
りんごたちも救出された。
りんご「おっついに彼氏できたか❓」
タレ「えっ仔犬のこと?」
りんご「違うよーあのピザの男の子ダヨ(〃´ω`〃)」
タレ「絶対嫌じゃ!!あんな諭吉さまにしか目が無いやつ!!彼氏なんかいらんわうちにはアティちゃんがいる。」
タレは部活を終えて帰宅した。
マッキー「ねーちゃん、今夜はピザ取るって!」
タレ「ピザなんてもう見るのも嫌じゃーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
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708 :げらっち
2020/09/10(木) 02:39:10
🌟おまけ
潤「タレちゃん、読者の皆様からおハガキが来ているわよ!」
タレ「えっ何それおもろ」
潤「まずは東京都在住Gさんから。CGR毎週見ています。これからも頑張ってください!」
タレ「わーい頑張ります\(^o^)/」
潤「次は千葉県在住KBさんから。クロボー師を応援しています。だって…心外だぜ!w」
タレ「このハガキはあとでもやしておきます。」
潤「最後になるけど、HKKが煩いというクレームがたくさん届いてるみたいだぜ!」
タレ「もう琵琶湖に沈めておきますほへす」
潤「というわけで、来週も見てね~バイバ~~イ!(`・ω・´)」
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709 :黒帽子
2020/09/10(木) 09:09:01
>>702
ブラッチャーもボーゾックも多分ボカンシリーズの三悪を意識してキャラ付けされてると思うよ
ボーゾックの場合はゾンネットが加わってるけど
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710 :超ウルトラハイパーグレートキングクリボー
2020/09/10(木) 09:38:28
ぶくぶくぶくぶくぶくぶく...(うんおもしろかった!レモーンの頭レモン汁入ってたんスねwとまとうすけ最高)
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711 :黒帽子
2020/09/10(木) 09:41:42
カーレン27話のパロディでもやればよかったのに…
というか高額のピザを売りつけるにしてもいくらだ
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712 :げらっち
2020/09/10(木) 13:36:01
>>711 ちょっとパロ入ってるゾ
ちなみに理沙とさやかはルルの小説『死への48時間』からのゲスト出演です。
気付いた人いないと思うけど!
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713 :すき焼きのタレーライブキッズ
2020/09/10(木) 20:55:38
自分の考えてるとまとうの像と全然違うけど面白いのでOKですᕕ( ᐛ )ᕗ
9月中には2話だせるとおもうし正式にコラボしたいwww
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714 :げらっち
2020/09/11(金) 15:06:48
>>713 えっ違った?
割といい線行ったと思ったのだが。ていうかこれだけの情報量で書いたんだから仕方無っし。
じゃあトマトがCGRと協力してクロボー師を恐喝しに行く後半を書いてくれwww
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715 :超ウルトラハイパーグレートキングクリボー
2020/09/11(金) 15:32:08
ルルの小説あるんだw
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716 :萩山檸音
2020/09/12(土) 12:38:27
レモーンって僕が書いてた絵に居たんだが
蒂浜島から抜け出すなレモーン
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717 :げらっち
2020/09/12(土) 14:34:42
タレが居ないからコラボ云々の話が進まないが
先に13話載っけちゃおっかなー…
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718 :萩山檸音
2020/09/12(土) 14:39:29
>>717お願いします
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719 :げらっち
2020/09/12(土) 14:54:19
第3部
第13話
「私と契約してCGRの一員になってよ。」
知らないお姉さんが私の前に仁王立ちしてそう言っていた。
「ねえ。」
何この人。年甲斐もなく全身フリフリのフリルなんか着て、ちょっと変。そこ車道の真ん中だし。
「きみだよ、きみきみ。」
独り言?それとも私に話しかけてるの?私、下校中なんだけど…
「そこの君!!無視するのはよしなサイダー!!」
「は、はいっ!?(⊃ Д)⊃≡゚ ゚」変なおねーさんに肩をつかまれて、私は遂に返事をしてしまった。すごい勢いでつかまれたのでやや後ろのめりになり、ランドセルの蓋がパカっと開いた。
「反応カワユス(笑) そう、君こそがCGR5人目の戦士です!!」
「はぃいいい!?」肩をつかまれガクガクと揺らされたので、ランドセルから教科書やノートが飛び出し地面に散乱した。次の台詞が無ければ、私は防犯ブザーの紐を引いていただろう。
「雑誌に載れますよ。」
CGR…
ニコ☆プチやキューーガルに並ぶ新しい小中学生向けのファッション誌だろうか?
そう言えば最近クラスのマリナちゃんが雑誌にスカウトされてたっけ。マリナちゃんたらクラスの人気者になってたな。
ま、自分で言うのもなんだけど?私は他の子より…可愛いほうだし
もし私が雑誌に載れるとしたら…!
これはチャンスっっ✨
そんな軽い気持ちで、私はお姉さんの運転するリムジンに乗ってしまった。だがすぐに後悔することになる。
バタン!
「え、ちょ(_▫ □▫/) 」
私が乗った瞬間窓にブラインドが下ろされ、車内は完全に真っ暗になった。そして壁を挟んだ運転席からお姉さんの怒声が聞こえたのだった。
「行くぜえええええ!!」
リムジンが急発車すると私はシートに埋まってしまい、リムジンが急に曲がると私はつんのめって空中を3回もでんぐり返ししてしまった。つまるところ、絶叫コースターより恐ろしかったのである。
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720 :げらっち
2020/09/12(土) 14:57:41
あれ?
この光景、前にもどこかで……
「着きましたよ…」
私はこの声を知っている。
この声は雪華司令だ。
あれ、でも雪華司令は…
もう……
真っ暗だった目の前がぼんやりと明るくなってきた。
私の足元には、まるで枯れ木の下の落ち葉のように人間が転がっていた。
そのうちの1人が呻き声をあげ私の足に掴みかかる。
「メリルイ部のこの女郎(メロウ)!」
私はほっそりとした白い腕でその男の頭を掴み、思い切り地面に叩きつけた。
「グハッ!」
男は気絶した。
鼻から血飛沫が上がり、私の手に付着する。
これは、一体…
私は、誰?
私は、たしか、「ルル」と、呼ばれていたはず…
目の前に男が立っていた。
どこかで見た顔…
ハッ
そこに居たのはゲラッチだった。
あのちぐはぐな衣装ではなく、学ランのような黒い服を着ていた。眼鏡も奇抜なものではなくごく普通のものだ。
私はこの男に恨みがあった。
恨みがあったはずだ。
だが今は怒りも憎しみも湧かず、ただぼんやりとその光景を眺めていた。
ゲラッチがぽつりとつぶやいた。
「たった2人で、全滅させた…」
ゲラッチが私の目の前に立った。
そして私の両手を握り、ぐいと体を近づけた。
「世界は私たちの物になるんだ…!」
私はゲラッチとキスをした。
自分の唇から勝手に、ゲラッチの口に吸い寄せられていったような感覚だった。
息が出来ないほどに熱く抱き合い、私は、地面に倒れた…
[返信][
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721 :げらっち
2020/09/12(土) 15:02:52
再び視界がぼんやりとし、しばらくすると、場所が薄暗い室内に変わっていた。
部屋の中央の椅子にはゲラッチが座っていた。大きめの猫を膝に乗せて、その頭をゴロゴロと撫でていた。
私は壁にもたれかかっているようだ。
私は、誰?
どうしてここにいるの?
反対側の壁に掛かっていた大きな鏡が私の視界に入った。
これで、私がどうなっているのか見れる…
そこには雪華司令が映っていた。
でも、私の知っている司令とは大分違う。
髪は長く、ツンとした冷たい顔。黒いドレスを着ている。そして見慣れた雰囲気より若く…というより幼く…思えた。
私は…
私が雪華司令?
私の口が勝手に開き、声が出た。その声は確かに雪華司令の低めの淡々とした声だった。
「計画は順調。あなたのお兄ちゃんは世界を変える人ね。」
「わかってること言われるのが一番嫌いなんだけど…」
さっきほどではないがまた驚いてしまった。
ゲラッチの膝の上に乗っていたのは大きめの猫ではなく小さめの人間、kotoだった。
kotoは雪華ほどは雰囲気が変わらなかったが、やはり少し幼く見えた。小学生くらいだろうか。
ゲラッチはkotoの頭をポンポンと叩きながら言う。
「不機嫌なのか?koto。」
「だってだってお兄ちゃんg」
そこに見知らぬ男2人が入ってきた。
「部長、何時迄も従わないシタラヴァ地区の占領を完了。帰還しました。」
1人は手足が長く面長で、とにかく目つきの悪い男だ。
ゲラッチが返答する。
「それで何か特変は無かったか?副部長レナック。死傷者は?」
「ああ貧弱な警官を2、3人程半殺しにしたな。抑数に入れてなかったというwww」
レナックと呼ばれた男は歯をむき出しにして笑った。
ゲラッチは「馬鹿め!」と一喝し立ち上がる。
kotoはにゃんと言って慌てて私の傍に駆け寄った。
「我々の目的は世界の統一であって、服従ではない。警官や労働者には手を出すな。我々の敵は反社会勢力や犯罪者、世界を荒らす者共だ!間違えるなっ!」
「それはそれでぇ〜…いやもういいですハイ…」
レナックはイライラと後ろに居た獅子顔の青年に蹴りを入れた。
ゲラッチは独話を続ける。
「我々は世界の荒らし共を潰えさせ、独自の“軍隊”を作る。その時はお前が指揮を取れ、クソゲー軍曹!」
ゲラッチは獅子顔の青年に親指をピッとむけた。
そうだ、そんなやついたな。言われてみればどこかで見た顔だ。
「任せといてくださいな。」
「“軍隊”の次は“国”を作る!その時点で日本国は、我らの軍事力が無ければ真の平和は得られないことを知る!日本国は我が国に併合されるだろう。我らメリルイ部が、世界を創り直す!これが私の計画だ。」
ゲラッチの演説が終わると、私の両手はひとりでに拍手を送っていた。
意思とは関係なしに自分の顔が微笑んでいるのが筋肉の感覚でわかった。
私に続いてkotoとクソゲー軍曹も拍手する。レナックだけはフンと鼻を鳴らしていたが、実は心酔しているようにも見て取れた。
「…そして、世界が我々の物になったら……私と結婚してくれ、ユキちゃん。」
ゲラッチが私を見つめた。
私は、何故か少し、恥ずかしくなってしまった。
そこに雷が落ちた。
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