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┗1381.Love the life you live.(保存)(77-86/205)
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86 :
剣持刀也
2022/01/07(金) 23:47
ꘜ
昔読んで書いた鬼畜の家、という本の感想文が出てきたので載せておきます。せっかくですしね。
鬼畜の家
プロローグは妻が夫に宛てて書いた手紙から始まる。内容は割愛しますが、最後に妻と夫、どちらも同じ言葉で締められるのがやはり人間らしいところであるなと僕は感じまして。「愛していたけど、殺してしまいました。」その言葉に嘘偽りはないのでしょう。ただ、私/俺なりに、と言う言葉が付け加えられるだけで。と、ここまでで察して頂けるとは思いますが、世間一般的に「虐待」と呼ばれる実話を基にしたルポルタージュ、それがこの一冊でございます。
いやあ、委員長には良い一冊を進めてもらったなと思いますね。決して面白い話でもなければ、楽しい話でもない。本当に胸に蟠りを残すような本ではありますけど、僕はこういう本が嫌いじゃない。なんなら好きな部類です。己の理解の範疇外にいる人間について考える、という行為が好きなんですよ、僕という男は。というわけで続きを書きましょう。Case1、厚木市という市の……言ってしまうとバーチャル神奈川にも存在する市内で起こった事件です。興味のある方はどうぞ、本のタイトルで調べるか、市名と事件内容で検索してください。
およそ十年間、とあるアパートの一室で起こっていた地獄絵図でしかない事件に気付かなかったというのがこの事件において重要な項目のひとつになります。十年もあれば幼子は中学生になりますし、高校生なら三十路になる。そんな長い期間気付かれなかったということにまず驚きますよね。事件の概要としては、最初は(傍目から見た場合)普通の夫婦が子供を育てていたのにもかかわらず、金遣いの荒さ、生い立ち、幼い頃からの人格形成による小さな歪みが積み重なった結果、妻が家を出てしまい、夫が一人で子を育てることになったは良いものの。その夫が育児放棄をした結果、子を餓死させてしまったというものなんですけど。‥‥‥どこに注目を宛てて書くべきか悩むなこれ。とりあえず、妻と夫について軽く説明だけ入れておきましょう。
妻は虚言癖があったり、手癖が悪かったりと中々な性格をしている女性でございます。ただ、いわゆる箱入り娘だということに合わせ、祖父が破天荒な性格をしていらっしゃったらしく。世間一般的な常識、というものを身に付けていなかったんですね。姉は優秀、それなのに自分はそうじゃない。そのせいで母親からの抑圧があったりと、今に至るまでの過程も理由があると言えばあるんですけど、こちらも割愛します。
さて、夫の方はといえば母親が統合失調症であったらしく、壮絶な幼少期を過ごしてきたらしい。女性とはいえ大の大人が火を振り回し、大声で叫び回るような環境で過ごしてきたと。そのせいで、自分がなんとかするしかないという根本的な考え方や、それでも生きていけるんだという意識が芽生えてしまったのだと僕は考えているんですが、実際はどうなんでしょうね。こんなの、本人すら分からないことじゃないですか。傍目から判断はできても、是非はわからない。……まあ、こんな二人が子を成せばいずれ家庭が崩壊するのなんて目に見えている。恋は盲目、愛に溺れるとはまさにこのこと。将来のことを考えているようで、実際は目の前のことしか見えていない。子を成したところでちゃんと小学校、中学校、高校と通わせることができるのか?大学も子供が行きたいと望めば行かせてあげたいのが親というものだろうと!