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Lily.
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日記 [
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橙色の電燈の下、 睫毛に附着した牡丹雪が溶けてぼやけた視界の向こう側で、 大きな蝙蝠の羽根の腕の中 小さく寄り添う後ろ姿を唯々見送るのです。 * * * 日が暮れた頃綺麗な牡丹雪が降って、遠征先から帰るのに些か苦労をした。専用のバスが有るから荷物の持ち運びは少ないにしても、進みが遅いと部長は苛立つし其れを周りは囃し立てるしでまあ姦しい。 それでも無事に自校にまで戻って暗闇の中で雪を少し投げ附けて(そして投げ附けられて、)徒歩で家へと歩いた。面倒だからと傘を差さずに進んで行って、家と学校の中間地点まで辿り着いた所で、祖父と擦れ違った。 と言っても車道を挟んでのことだったから、祖父は俺に気付くことも無く、骨張った背を真っ直ぐに伸ばして歩いていた。…――御父様にそっくりね、と母に揶揄われたあの後姿。貌に微塵も出さないけれど余り寒さに強くない筈なのに、何処に行くのだろうと後姿を眺めていたら信号二つ分遠く離れたバス停で立ち止まる。出掛けるのか、と、思った矢先に遣って来たバスに又見慣れた姿を見た。 後程聞いた話では、傘を持たずに友人との集まりに出掛けた祖母を迎えに行っていたらしい。 祖父は敢えて古びた真っ黒な傘をひとつしか持って行かなかったのかと、答えが返って来ることを期待せずに呟いてみた。 すると祖母は俺に耳打ちして密やかに、 # "だってあの人、偶々通り掛っただけだと言ったのよ。" そう言って、笑った。
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