余裕があって穏やかで格好いいところも好きだけど、俺のことで頭いっぱいになって、日頃の余裕も繕えなくなって、取り乱したり切羽詰まった顔が見れたとしたら、それはそれで狂おしいほど愛しいんだろうな、と。極論それが色事に辿り着くかは別にどちらでもいい。いつか溺れてくれればいいなと思うし、逆に引き摺り込まれて支配されたっていい。そのうち行こうね、海の底。二人で沈めば呼吸が出来なくても怖くないよ、きっと。
………っていう仄暗い思考、そういえば今まであんまり言ってない気がする。実は結構碌でもない男に捕まったんだよ、不破くん。

誰かしらとコミュニケーションを取ってる時、「あ、今の超プレミだったかも」って時があったりするじゃん。ちょっと強めに何かを言っちゃったとか、上手く言葉を選べなかったりとか、なんでもいいけどそういうやつ。冷たいかもしれないけど、俺はその相手のことを大事に想ってれば想ってるほど落ち込む。理由はカンタン、嫌われたくないから。どうでもいい相手には多分そもそもプレミを起こすほどコミュニケーションを取ろうとしねーし。いや、案外誰でもそうだったりするか？まあいっそこれが冷たいのかそうでもないのかは明言しなくていいか。暖かくはねえかなと思うけど。

で、よ。内容はともあれプレミしちゃいました、ってなった時、俺の心の端っこの方に、すげえ深い溝が生まれる。こんなことを言ってしまった、やってしまった、もしかしたら嫌われるかもしれない、何かを思われてるかもしれない、いや思われて当然なことしでかしたのは俺なんだから反省するしかねえんだけど、『もういっそ相手を不快にする俺はこいつから離れた方がいいんじゃないか？』みたいな溝。括弧ついてるところがサビ。
冷静に考えたらそんなんただの逃げだし、相手が仮に俺を大事に想ってくれてた場合、その気持ちを否定することになるのも分かってる。ちょっと前までそれすら分かってなかったんだけど流石に学んだ。自己犠牲面してるだけ。全くもって反省じゃないし相手の為になってない。あやべ、ちょい自戒モード入ったわ。
でもなんか…自分がそいつのことを幸せに出来てない瞬間があるというか、関わることで不快にしてしまう瞬間が少しでも増えるなら、離れることが一番の利益なんじゃないか、って思っちゃう時が、あるん……だよな～。自分で自分のことを見た時って、じゃあ仮に9割楽しませられてたとしても、1割の不愉快があるなら、自分に価値があると思いにくくなる。あ、でも逆に俺が大事に想ってるやつにそう言われて勝手にどっか行かれたら、自分を棚の一番上の上の上に上げてめちゃくちゃキレる。俺に公平性とかないんで。うそうそ、逆の立場ならキレるからそれを実行に移したりは余程のことがなければしない。そんくらいの分別はギリある。
大事な相手からもらう愛情(友愛、恋愛問わず)に1割の衝突が混じってても別にいい、それごと大事だから。なのに自分からあげるものは10割心地よいものじゃないといけないような気がしてしまう。それがクリア出来なかった時、離れた方がいいのかもって思考の溝に一瞬躓く。稀にそこに片足突っ込んで出られなくなる。じゃあ日頃からめちゃくちゃ気を付けまくってて10割優しくていいやつを徹底できてんのかって言われたら全然そんなことねえし、嫌なやつな時は超嫌なやつになっちゃうんだけど。下手くそすぎ。終わってるか？

ここまででも考えが反復横跳びしまくってる通り、それが良くない思考回路だってこと、頭では分かってんだよ。なのに完全には振り払えないし、時折誰かに「離れないことが正解なんだよ」って言って繋ぎ止めてもらわないと、そいつのこと大事に出来てるのか不安になることもある。最悪な我儘。
俺が大事なやつの傍にいたがることは、そいつ目線で果たして『正解』なのか？不正解なら、もし俺がいない方がプラスになるなら、早めに気付いていなくなりたい。でも本音としては寂しいから傍に置いてほしい。なんだこれ。感情の糸絡まりすぎだろ。意味分かんなくね？


こういう考え事に出口はないから、出口やら終着点やらを探すのは諦めてとっとと寝るべき。今は曇ってて何も分からなくても、寝て起きたら案外カラッと晴れてんのかも。完。