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486.NEXT Mission
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#3 いい歳して、なんて言われるのかもしれないけど、 己の無力さや不甲斐なさ、かけがえのない相棒を一度喪ったとき、俺は溢れる涙を止められなかった。 彼女だって勿論そうで、俺は隣にいてあげるしか出来なかった。 そんな時でさえ、己の手で自分の両親の最期を迎えさせなければならなかったときも、相棒を喪っときも、大切な両親を侮辱されても、彼は涙を見せなかった。 ただ、ひたすらに唇を噛んで、その強い瞳で真っ直ぐに己が進むべき道を、敵を捉え、そこへと突き進んで。 多分、彼はあの日からずっとそうだったんだ。 唯一の家族の為に、元に戻すと約束した子との約束を果たすために、数多くの人達の幸せを護るために 涙を流すことなく、真っ直ぐに見据えた先へと進み続け、それらを護る為なら自らを犠牲にすることも厭わない。 それは彼の心が強いのか、泣いている暇なんてないと思っているのか 人の為に自分を犠牲にすることは躊躇わないのに、自分を受け入れることによって相手を犠牲にさせる事が嫌なのか 多分、理由はそれらの全て。 訓練すること、シャットダウンすることに必死で、学生時代の殆どは人とあまり関わらなかった。 彼のこの言い分は本当のことだと思う。 けれど、これは俺の勝手な想像だけど、これ以上彼にとっての特別な人を作りたくなかったんじゃないかとも思う。 護るべき沢山の人。その中で自分と密接な特別な人、仲の良い友達、家族…そういうものを持って、また奪われたことを考えて、 もしくは万が一にも己がシャットダウンされた時に、残された人達の悲しみがどれ程のものになるか想像して、 そんなのはもう嫌だと、そう思ったからじゃないかって。 気付いた当初は何もしてあげられなかった。どうしてあげるのが正解かもわからなかった。 彼女も彼も、どちらも支えてあげたいのに。 ……いや、格好つけすぎだね。 昔は確かにそう思ってた。でも、気付いたら俺の中で、彼は誰とも違う特別になっていた。 けれどそんなこと言えるわけもなくて、俺に出来ることは一緒に闘うことだけ。 >4
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