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486.NEXT Mission
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#4 長い長い闘いも、終わらないなんてことはない。 勝った。俺達は。 多くの犠牲を払って、大切な人達を失って、多くの人達に支えてもらって。 俺達の使命は終わって、それぞれ進みたい道、進むべき道へ足を踏み出そうとした。 その、直前に、彼は俺に手を伸ばした。 駄目だと心の中の俺は言った。彼を縛って何になる。彼を自由にしてやれ。その手と想いはお前の中に引っ込めておくべきだと。 確かにそうだろう。こんな想い、拒まれるに決まってる。 そう分かっていたのに、また離れてしまうのかとそう思うと、抑えられなかった。後々考えれば、良くも俺みたいな性格の奴が、こんな行動に出たなと思う訳だけど。 俺の手取ってくれたその手は、俺より体温が低い筈なのに、今までに感じたことのないくらいあたたかく感じて。 最初は理解出来なかった。当たり前だ、玉砕覚悟以外の何物でもない悪足掻きだった筈なのに、彼はそれを受け止めて、それだけじゃなくて同じ想いを抱いていてくれたなんて、誰が思うだろうか。 でも間違いなくそれは現実で、そのぬくもりは、未だ変わらず俺の中にいてくれている。 それだけじゃなくて、ずっと此処にいるとも言ってくれている。 未だに俺は、彼の涙を見ていない。 けれど今まで誰にも見せたところもないであろう、勿論俺にも向けられたことのなかった表情を見せてくれるようにはなった。 それは例えば、躊躇いがちながらも甘えてくる姿だったり、寂しさに揺れる表情だったり、俺を失いたくないと、行って欲しくないと駄々をこねる子供のような表情だったり。 だから、涙を見せてくれる日も、そんなに遠くはないのかなと思う。 そしてその時が、彼が本当に俺だけのものになってくれた日になる時なんじゃないのかな、なんていうことも勝手に思ってる。 その時俺は、何をしてあげられるんだろう。 多分、抱き締めてあげるくらいしか満足にしてやれないかもしれないけど…俺に出来ることは何でもしてあげる。 だから、ずっと俺の隣に。俺だけのもので。 ねえ、ヒ彡ロ彡ム。
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