――…可笑しなモンで。

御前ン腕枕、余腕で抱き締めて呉れよる所作。
“御休み、最愛。”て紡ぐ聲。
…微睡む意識が更に微睡んで気付けば寝てもうてたンに。
御前が見守って呉れよる中、俺は安心為切って眠っとったンやなァて今更、実感。



不思議やな、
御前が先に眠って、規則正しい寝息を繰り返して。
俺は其れを見詰めて、見守って。
気付いたらもう、二時間。
…寝るタイミングを失ったンか、或いは…、良う解らンけど。


…――嗚呼、然う、眠れへん。
何時も御前が為て呉れとる事が無いだけで此のザマや。
先に寝るな、とか、然う云う事を謂いたいンや無い。
御前に刻み込まれた“習慣”を識って、幸福やねン、と云いたい訳で。
疾うに寝てもうとる此の時間帯、
御前恋しさと愛しさを殊更識る。







疲れとったンやろうに、逢いに来て呉れておおきに、最愛。
御前が良う眠れとる事を祈って――…、




俺もそろそろ、御前ン後、追うわ。