弱っている時に、精市が何気なくくれる言葉を聞くとつい泣きそうになってしまう。
そんな姿はなるべくなら見せたくない。泣かれるのは苦手と言っていたし、俺も泣き顔を見られるのは嫌だし、精市の前では絶対に泣かないと決めていたのについうるっと。不覚。
飲んで誤魔化して、くらくらする頭で思い出しつつ考える。精市が居る今と、出逢っていなかったらというもしも話。後者は想像つかなかったな、ぼんやりしているせいか。
……そう言えば、最初はこんなに好きになるとは思っていなかったな。
今では他の奴にそういう意図で触れられると気持ち悪くて仕方ない。それだけ精市に惚れ込んでいるという事か。こんなに満たされる感覚、初めてだものな。ある意味、初恋、かもしれん。
…年甲斐もなく酔った勢いでずいぶん気恥ずかしい事を書いた気がする。
まあいいか。さて、精市の布団に潜り込んで大人しく寝るとしよう。
> おやすみなさい。