日記一覧
アイレンと月下美人
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8 :財前光
2013/07/01 23:44


気づけば七月とかほんま早いわー。

先月、ふと昔の、出会った頃の彼の人との会話、思い出そうとしてん。

そしたらな、そした、ら…


曖昧に、なっとった。


あんだけ忘れたくない、忘れる訳あらへんと思っとったもんが、ぽろぽろ、ぽろぽろ零れ落ちててん。


それが哀しくて、痛くて。
そん中でも残った記憶が、愛おしくて。


涙が出た。


嫌いなもん、好きなもん、それでもちゃんと覚えとるんすよ。
何に喜んで、何に悲しんで、何に怒るんかも、ちゃんと覚えとるんです。

けど、全部やない。
どんなとこにデートしたかも覚えとる。
どんなものを贈り合ったんかも。

どんな言葉で傷つけて、
どんな言葉で切り捨てられたんかも。

それやのに、
愛してるの言葉、は…?
俺はちゃんと言えとった?
彼の人はどんだけくれたっけ。

嫌いやない、と言われた最後は思い出せるのに、
愛してると言われた最初を思い出せんのです。


もうこの世界に居らんであろう彼の人は、
どうなんやろう。

俺の好きなもん、
俺の苦手なもん、
俺の嬉しかったこと、
俺の寂しかったこと、


まだ記憶のすみっこ、ほんの1ミクロンでも、残ってるんやろか…


忘れててええよ
せやけど、
覚えててくれたなら。

矛盾しとるけど、そう、思った。


出会いから別れまでが、俺の都合のいい夢や妄想やなかったと証言できるんは、彼の人だけやから。


笑い合えんくていい。
戻りたいとか言わへん。
冷たくされても構わん。
せやから、声が、聞きたいです。


記憶の擦り合わせすら出来ひん距離が、また、チクチクと胸を刺す。

#唯、只管に恋願う
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