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忘らるる、
 ┗17

17 :白石蔵ノ介
2014/12/24 01:51

chapter 12.つかれた

深夜、1時半。あの人は俺に会いに来てくれる。
真っ暗な闇に紛れて会いに来てくれる。
俺の愛しい、愛しい、


『エロい奴やなぁ。』

「…なんで…」

『何でって。こんな姿になった俺を目の前にしても、まだそんな顔でヨガるなんて。エロいにも程があるやろ、なあ白石くん。』

「…違う、違う違う。俺は、俺は、」


ただ毎晩あなたに会いたくて、会いたくて、会いたくて。


熱を帯びた身体が震える。
じわりと目に生暖かいものが浮かんでくる。
ああ気持ち良い気持ち良い気持ち良い愛してる愛してる愛してる、愛してる。
そんな自分の滑稽さに、笑う。


『可愛えよ、白石。』


愛しい愛しい俺の

幽霊。







「…はァ、…」

乱れた呼吸を整えながら右手を放り出して、脱力する。
快感を迎えた頃にあの人は消える。
俺は毎晩、こうして幽霊と戯れる。弄ばれる。それを望んでいる。

首を絞める手、身体の上を滑る指。
日に日に歪んでいく姿、聴こえ難くなっていく声。

あの人をあんな姿にしてしまっても、俺はあの人に毎晩会いたい。

残存幻想幻覚思い込み自律神経失調症?ごめんな…そういうのは、よく分からへんねん。
ただ、取り憑かれてるだけ。


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