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Schwarz und blau
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475 :跡部景吾
2011/11/13 15:51



ただぼんやり空を眺める毎日が続く。


2011年10月19日

俺と忍足は無関係になった。


あいつは、俺をまた待たせた事を、約束を守れなかったと言い。
何も言わない、怒らない俺に期待されてないと落ち込むと言い、
許される事が苦しいと言い。
信じられなくしたのは自分だと、言い。
憎めと、言った。


待つのは、ただひたすらにあいつを恋い慕う気持ちがあったから。
何も言わないのは、怒らないのは、あいつが自分を犠牲にして、大切なものを守ろうとしているのを知っていたから。
許すのは、それすらもあいつを形作る一部だと受け入れていたつもりだったから。
信じられなくなんて、なってなかった。


憎める訳なんてない。


憎め、だなんて。
忘れないでくれって言ってるようなもんだろう?


思い出全てを黒く塗り潰しいつまでも負の感情を向けさせること、あいつが本心で望むなんて俺には考えられねぇ。


俺は、

俺には、塗り潰したりは出来ない。
どれも大切で、唯一で。
この両手からこぼれ落ちねぇように、壊れちまわねぇように抱えるのが精一杯だ。

会いたいと、言うのは困らせるだけだった。
好きだと言えなかったのは、苦しめると思っていたから。
けれど、
どの選択肢をどの道で選んでいても、結果はきっと同じだった。
いくら足掻いても、きっと変えられなかった。


あいつの言葉の端々に、ただそれだけを感じた。
もう、どれだけ優しい言葉にも、それは上辺だけだと、
…あいつに俺を想う気持ちが一欠けらもねぇことを、感じた。

疲れたと
待たなくていいと言われて初めて、受け入れざるを得ないと 手を離した。


忍足侑士は、もういない。


いないんだ。



それでも俺はここにまだいて、いつかあいつが例えたこの瞳と同じ空を見上げている。





今まで、俺と忍足の日記を読んでくれてたこの街の人に、御礼を伝えたい。
ありがとう。


せめて最後のページまでは書きてぇとは思ってる。
それが俺のけじめで、あいつへの思いもそれで区切りがつけられるんじゃねぇかと、…そんな事を思いながら。
俺一人になるが、500ページまでお付き合い願えれば幸いだ。





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