スルースキル
「俺達って、付き合ってるよね?」
「違うのか?」
「違わ無い、けど」
「けど?」
「…けど、俺未だ一回も跡部クンに好きって言って貰った事無い」
「何回も言っているだろ」
「……は?」
「御前が全部スルーしているだけだ」
最初に言って置きますが、此の会話はノンフィクションです。御間違え無い様。
俺は中々にスルースキル高いと自負してるけど、真逆此処迄とは。愕然。今迄可愛らしくも感じていた不安は何だったンだ。時間の無駄遣い? …ちょっと!
跡部クンが俺を宥める台詞に訊き覚えが有って、此の会話、前にもした事が有るのを思い出した。全然成長し無いね、御互い。
俺達は俺達、周りの価値観に左右される必要は無い。
電話でこっそり言った「ちゃんと好きだから付き合ってて良いンだよね!」に少し反応してた跡部クンが可愛くて、益々好きになったよ。早く逢いたいなァ。